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【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
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第57話 復活のジャミール(追放側視点有り)

第二章は第26話からです。

第三章は第46話からです。


また誤字がありましたご報告有難う御座います。


では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみください。

 アルベルトに倒されたジャミールが煙りと化し消滅する手前で、とある男が紫色の宝石を天に掲げ煙りとなったジャミールを吸い取っていた。


「おやおや、エルフの里の結界が無くなっているから至る所を物色していたのですが、まさかジャミールさんがやられているとはねぇ……驚きですねぇ。」


「アクナヴィーテか、今の私はどうなってる?」


「昇天しかけていたので、この宝石に魂を移させていただきましたよ? これで、貸し二つですねぇ。」


「チッ、貴方の事だし何か企んでいるのでしょう? 要件をさっさと言いなさい!!」


「これは話しが早くて助かります。」


何とジャミールはアクナヴィーテにより死から免れており現在は宝石の中に魂のみの存在となっていた。


「“アイテムボックス”。」


アクナヴィーテが近くに亜空間を出現させるとその中から、ジャミールを象った人形の様な物が出て来た。


「あら、これラクシドールちゃんの造る人形じゃない?」


「実はですねぇ、オリジナルよりは劣りますが近々大魔王様の封印が解けた暁にと思いましてねぇ我々を象った軍勢を造りだそうと思いましてねぇ、そこでジャミールさんには実験台となってほしいのですよ。」


「そう言う事ね、でも美貌に満ち溢れた頃の姿にして欲しかったわ……。」


「無茶言わないでくださいよ、始めてお目にかかったのですから。」


「仕方ないわね、早くしなさい。」


アクナヴィーテはジャミールを象った人形に心臓の辺りに宝石を埋めると人形に魂が宿ったのかジャミールは躰を動かす。


「変な感じね、全く持って躰の間隔が無いわ。」


「それは、そうでしょうね……本来魔力を注入してワタシのメモリーバグを使って記憶を与える事で動く様になるのですから。」


「メモリーバグねえ、相変わらず人の記憶を与えたり奪ったりして混乱させてるわけね。」


「どうされます? まだ本調子では無いようですがジャミールさんを屠った無属性魔法使いの方とやりあいます?」


ジャミールは少し考えて、直ぐには戦わない事をアクナヴィーテに告げる。


「いいえ、まずはこの躰に馴れるまで襲わないわ……だって確実に息の根を止めてやりたいもの♡」


「そうですか、実験は確実性の高い方が助かりますしワタシの屋敷にでもどうです?」


「あら、気が利くじゃない遠慮はしないわよ?」


「では、行きましょうかゲートオープン。」


アクナヴィーテは再び亜空間を出現させジャミールと中へ入り、一瞬にしてアクナヴィーテの屋敷へと着いた。


「それにしても、バクムーマちゃんの魔力を感じられないのだけど何か有ったのかしら?」


「バクムーマ? ああ、ジャミールさんが昔可愛がってた小心者ですね。」


「酷い言い草ね、間違っちゃいないけど!」


「それを言うならダイアロスさんの魔力も感じられませんねぇ。」


「まさか、ダイちゃんもやられちゃったのかしら?」


「おそらくは、そうかも知れませんねぇ……他に感じられるのはラクシドールさんとエセナゴットさんくらいですかねぇ。」


「…………バクムーマちゃんはともかく、ダイちゃんを倒せるのは一人しか思い浮かばないわねえ。」


ジャミールはダイアロスとバクムーマの魔力を感じられなくなった事を考えて、無属性魔法使いアルベルトに屠られたという答えに辿り着く。


「それはそうと、完全にその躰に馴れるのは4日後くらいになりそうですねぇ。」


「でしょうね、4日もあれば魔力を完全に回復出来そうだしね……待ってなさい無属性魔法使い4日後が貴方の最後よ!」


「期待していますよ、ジャミールさん。」

(まあ、勝とうが負けようがデータが取れればワタシはどっちでも良いのですがねぇ。)


打倒アルベルトに燃えるジャミールと不敵な笑みを浮かべるアクナヴィーテの思惑が交差するのであった。


そして、その4日間エルフの森で迷子に取り残されたクレメンスは完全に道に迷っていた。


「クソがっ! アクナヴィーテの野郎こんなもんだけよこしやがって!!」


クレメンスは泥だらけになり森を彷徨う事で森に仕掛けられていたエルフの狩猟の為の罠に掛かったりしながら森からの脱出に勤しんでいた。


「腹減ったな……、ん? あれは、蜂の巣か?」


アクナヴィーテから渡された透明マントを見て、始めは透明になれるという事を疑っていたクレメンスだったが背に腹はかえられない状況になっているのでそれを羽織り、透明となり木の枝に作られた蜂の巣に向かって石を投げる。


すると石は蜂の巣と枝の間に繋がっている箇所を見事に破壊し蜂の巣は地面に落ちる。


地面に落ちた衝撃で蜂の巣から大量の蜂が敵対心剥き出しで周囲を飛び回り警戒している。


「よっしゃ! 後は蜂に感づかれないように蜜を舐めるだけだな!」


クレメンスは、こっそりと蜂の巣に近付き手に取ると周囲を飛び回っていた蜂達は急に蜂の巣が消えた事に驚き滅茶苦茶に飛行していた。


(ばーか、所詮虫だな! 俺様の様に知能の高い人間様に知恵比べで勝てるわけねーだろ!)


早速、蜂の巣から出ている蜂蜜を指ですくい舐めると少し酸味の効いた甘い蜜に舌鼓を打ち久々の食材にクレメンスは喜んでいたが、そこへ一匹の獣が現れる。


「グオオオオ…………。」


レッドシザーズと呼ばれる凶暴な両手の爪は獲物を何度も切り裂いたかの様に赤くなっている熊の魔物である。


「何だよ、うっせーな蜂蜜はやらんぞ………。」

(レッドシザーズじゃねえかああああ!? いやまて、落ち着け……今の俺様は透明マントで見えないはずだ! ビビる事なんて何処にもねえじゃねえか……はは……。)


レッドシザーズは、その場で匂いを嗅ぎ始めクレメンスの方を見るやいなや腕を振り上げクレメンスの方へと振り下ろす。


「うおわああああ! 危ねええええ!!」

(何だよ、この熊!? まさか俺様の姿が見えてるのかよ早く逃げねえと!)


クレメンスはレッドシザーズから逃げ延びる為に蜂蜜を諦め、その場から逃走するがレッドシザーズはクレメンスの逃げる方向に突進してきたり明らかにクレメンスを狙っていた。


「何で俺様を狙って来るんだああああ! 誰か助けてくれええええ!!」

何時も読んでくださり有難う御座います。

楽しんでいただけたのなら幸いです。

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