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【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
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第56話 人間になれる薬

第二章は第26話からです。

第三章は第46話からです。


毎度、誤字報告をしてくれて有難う御座います。

感謝してもしきれません。


では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみください。

 スラスト達は海へと行き人目のつきにくい岩肌で人魚を待つ事にした。


「ねえ、スラストの持ってきたそれ何?」


「ん、これは人魚族の好物だよ……魚の切り身で刺身って言ったかな?」


「刺身? 生で魚を食べるノカ………腹を壊さイカ?」


「まあ、文化の違いというものでしょう私達人間は必ず焼いて食べますから。」


そのような話をしていると海から桃色の髪に青い目をした上半身が人間で下半身が魚の所謂、人魚が姿を現し岩へと腰掛ける。


「あっ、それ刺身?」


「そうだよ、もしかして君がアルベルトを助けてくれた人魚かな?」


「アルベルトって誰?」


「あー、そうかテレパシーで話したって言ってたっけ。」


「テレパシーって、この前溺れてた人が使ってたの?」


スラストは少し考えて、アルベルトが人魚にテレパシーを使っていたと推測する。


「そうそう、今ここには居ないけどお礼として人間になれる薬を持ってきたんだ。」


懐からピンク色の液体の入った瓶を取り出し人魚へと渡した。


「本当にこれで人間になれるの?」


「僕達エルフも随分昔に人魚達に助けてもらったからね、その礼も兼ねて。 ちゃんと僕達エルフの仲間も試して人間になれたから問題は無いよ!」


(エルフって、尖った耳が人間みたいに丸くなるだけにしかならないような。)


エリーシャは、そんな野暮なツッコミを内心で思うが口にはしないようにした。


「んじゃ、飲むね!」


人魚が人間になれる薬を飲むとみるみるうちに下半身は魚から人の脚へと変わっていく。


「凄いですわね、本当に人の姿に変わってますわ!」


「やった! 私これで人間として生きていけるんだ! ありがとうエルフさん!!」


「どう致しまして。」


「ですが、その格好では流石に人前には出せませんね。」


メルダがそう言うのは当然だが、下に何も履いてないからである。


「だったら、これ使えば?」


「あー、タオルを腰に巻けば隠せるか……悪いけど立てるか?」


トレーシィからスラストはタオルを受け取ると人間になった人魚の腰に巻く為、立ち上がる様に指示するが人の脚になった事で上手く下半身を動かせない様だった。


「あれ、脚動かせない!?」


「何だって!?」


「なるほど、今まで下半身が魚だったから動かす練習が必要という事ダナ。」


「その様ですわね。」


「ところでさ、人魚の子って名前有るの?」


「私の名前はシャルアだよ。」


「シャルアか、分かった今から歩ける様に頑張らないとね。」


スラスト達は人間の姿へと変わった人魚シャルアを人として生きられる様に下半身の使い方の練習を共に教える事にした。


「まずは、立つ事から始めようか。 僕が上半身を持ち上げるから下半身でバランスをとってね。」


「うん、分かったよ。 これも人間になる為だもん!」


シャルアはスラストに持ち上げられると脚を地に付けるがプルプルと内股になり下半身は震えている。


「うぅ……、何か痺れてきたよ。」


「何だか時間がかかりそうですわね。」


「そうだね、ここは僕が責任を持ってシャルアの面倒を見るから皆は自由にしてて!」


スラストはシャルアの脚の痺れを考慮し、一旦地面にペタンと座らせる。


「人間て毎日こんな大変な事してるなんて本当に凄いよ!」


「僕達からしたら普通の事なんだけどね、練習してキツくなったら休憩して疲れが取れたら練習を繰り返せば直ぐにでも歩けるようになるさ!」


「そうだよね! 私頑張る!!」


「結構時間かかりそうですし、スラスト様に任せて私達はアルベルト様の様子を見に行きましょうか。」


メルダ達は、シャルアをスラストに任せてアルベルトの様子を見に行く事にした。


「ああ、アルベルトに薬の効果は有ったと伝えてくれ。」


「畏まりました、では私達はこれで。」


「この刺身、美味しいよ!」


「そうか、食べ終わったら練習再開だ!」


「うん!」


一方、宿屋ハンネスではアルベルトとアネットが部屋で二人きりとなり気まずい雰囲気が流れていた。


あまりにアネットの長い沈黙に俺は耐えきれず、質問をしようと言葉を投げかけようとするが同時に声が出てしまう。


「なあ……」

「ねえ……」


「「…………。」」


(ハモんなよー、更に気まずくなっただろ!)

(急に喋らないでくださいよ! 何言うか忘れたじゃないですか!!)


「何だ、アネット……。」


「何でも無いです、アルベルトさんこそ何ですか?」


「いや、俺も何でも無い……。」

(くそ、何聞くかど忘れした! 誰かこの場の雰囲気を壊してくれ!!)


部屋の外ではアネットの母親が聞き耳を立てて様子を窺っていた。


(あーもう、良い雰囲気じゃない! 二人きりなんだからキスの一つや二つしなさいよ! せっかくジュース持ってきたのに仕方ない娘ねまったく!!)


「お邪魔するわよ~!」


ガチャっと音を鳴らし、アネットの母親は二人分のジュースを持って来て部屋へと入る。


「お、お母さん!? 何で部屋に入って……」

(いや待って、気まずい雰囲気はこれで無くなりそうねナイスタイミングよお母さん!)


「アネットのお母さん……。」

(助かった、この人なら気まずい雰囲気を破壊してくれるに違いない!)


「どうしたの? 二人して私の顔見て……アルベルト君、家の娘こんな地味な見た目だけどね……脱ぐと凄いのよナイスバディっヤツ? もし、結婚したら毎日拝めるわよ?」


「ちょっとお母さん何言ってるの止めてお願いだから!!」


「…………。」


アネットは涙目で全身が真っ赤になり両手で顔を覆い隠し、俺は顔を赤くしアネットの母親から視線を外す。


「あら、あらあらあら? そう言う事ね、何よアネット……互いにそう言う関係ならそう言いなさいよ!」


「ち、違うから! あれは事故、そうよ事故なんだから!!」


「はいはい、そう言う事にしてあげるわね。」


アネットの母親は何故か嬉しそうに部屋から出て行き俺達は再び二人きりになり気まずい空間になるが、しばらくすると聞き覚えのある大きな声が外から聞こえてきた。


「何処だああああ、無属性魔法使い! この国に居るのは分かってるんだああああ、出て来おおおおいー!!」


「この声、まさかジャミール!?」

何時も読んでくださり有難う御座います。


楽しんでいただけたのなら幸いです。

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