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【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
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第54話 魂の解放

第二章は第26話からです。

第三章は第46話からです。


何時も読んでくださり有難う御座います。

では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみください。

 アルベルトとジャミールが対峙している頃、宿屋ハンネスではエリーシャは不安そうな顔をしていた。


「エリーシャ様、どうされました? また気分が優れなくなりましたか?」


「ううん、そうじゃなくて……胸騒ぎがするの。」


「胸騒ぎ……ですか……。」


エリーシャは窓に手を当て外をみながら、メルダに語る。


「ええ、予言の書を開いたけど何も書いてないの……こんな事、今まで無かったのに。 まるで、もうアルベルト様に会えないみたいに……。」


窓越しに涙ぐむエリーシャの姿を見てメルダは宥める。


「大丈夫ですよ……、アルベルト様はきっと帰ってきますよ。」


「うん……、そうよね……。」


エルフの里では、アルベルトとジャミールの戦闘が始まっていた。


「来ないのなら、こちらから行くわよ?」


「いいから、かかって来い!」


ジャミールが手を俺に向けると魔弾が連続して飛んでくる。

その魔弾を走りながら躱し、ジャミールとの距離を詰めるが一瞬魔弾を打つ手が止まりカウンターを狙ったのか俺が走る先へ再び魔弾を放つ。


(ここで、カウンターだな……一旦止まって奴に接近だ!)


「そこよ! あら、躱されちゃったわね。」


俺は隙を突きジャミールへ真っ直ぐ突っ込もうとした所、大きめの魔弾を俺に放つ所を先読みしていた為、それをマナドレインで吸収する。


「もらったわ! そこよ!!」


「今だ、マナドレイン!!」


「何ですって!?」


魔弾を吸収された事に驚いているジャミールの隙を俺は見逃さず拳に力を入れ頬に強烈な一撃を叩き込む。


「そこだあー!」


「ふんげぇー!?」


ジャミールは、勢いよく木々を薙ぎ倒しなが吹っ飛び岩肌へとぶつかり崩れた岩の中に埋まる。


「凄い、もしかしたらアルベルトはジャミールに勝てるかも知れない……でも。」


「はあ……はあ……、どうだ!」


俺はジャミールが次にどの様な行動をとるかテレパシーで探ると何処からともなく何人もの悲痛な叫びが聞こえてきた。


(痛いぃ……、苦しいぃ……、助けぇてぇ……。)


「なっ、何だよ……これ……。」


その声を聞いてるとジャミールが埋もれた場所から周囲の岩や倒れた木々を吹き飛ばして出て来る。


「痛った~いわねぇ、今のはちょっと感じちゃったわ♡」


「何だよ、今の声は!?」


「声? あー、成る程ね貴方……私の動きをテレパシーで探ってたわけね。」


「くっ、バレたか……一つ聞きたいんだが。」


「何かしら?」


「お前、殺した人達はどうした?」


俺が質問をするとジャミールは誇ったように腹を平手で叩き語りかける。


「決まってるじゃない、彼等は私の美貌の為に一つとなったわ! それに貴方テレパシーで、歓喜の声を聞いたのね……私と共に美貌を共有出来るのよ! こんな幸福な事は他にないわ!」


「ふ、巫山戯るなああああーーーー!!」


「あら、何キレてるの? こんなにも皆喜んでるのに。」


「何が歓喜の声だ! お前は死者すら苦しめる悪党が、俺はお前を許さねえぞ!!」


あまりにも身勝手な理由で死者すら苦しめるジャミールへ俺の怒りは頂点に達していた。


「許さないですって、無駄な足掻きが何処まで持つか楽しみね。」


(悪いが我慢してくれよ、必ずコイツから解放してやるからな!)


「さて、続きを始めましょうか。」


俺は先程吸収した魔力を利用し再びマジックアーマーを発動させジャミールの所まで一瞬にして距離を詰める。


「ジャミールーーーー!」


「今のを聞いて、殴れるかしら無属性魔法使い?」


ジャミールの腹を思いきり殴り、俺はパニッシュを唱える。


「おっぶぇ!! ちょっ、おまっ!?」


「今解放してやる! パニッシュ!!」


「ヴォエロロロロ!?」


パニッシュを使った瞬間、今までジャミールの中で自由を奪われ続けたであろう魂達が口から放出されていく。


「よし、これで心置きなく戦える!」


魂がジャミールの口から放出されていくと同時に、ジャミールの顔は蛇とカエルを掛け合わせた様な顔になっていき躰は肥大化し、その姿は醜悪なモノへと変わっていく。


「ま、まさか……戻ってる?」


「何だ、さっきからコイツ魔力が膨大になってないか!?」


全てを吐き出し終えたジャミールは怒り心頭に瘴気を発すると周囲の木や草が腐っていき空も曇り雨が降り始める。


「ブルウゥゥアアアア! 許さん、許さんぞ貴様ー! よくも私の美貌を台無しにしてくれたなー! 私を怒らせた事を後悔するがいい凡人がああああ!!」


「やべっ! うわあっ……!?」


怒り狂ったジャミールの拳を振り抜いた一撃を受け、俺は民家に激突する。


「あぐっ……、くっ……なんて威力だ。」


直ぐさま体勢を立て直そうとするがジャミールが民家に向かって高く飛び上空から思いきり俺を踏みつける。


「うわああああっ!!」


「こんなんじゃ足りねえな……そう簡単に死んでくれるなよ?」


「アルベルトー!! 駄目だ、アルベルトが殺される……でも僕には何の力も無い。」


ジャミールは何度も高く飛び、何度も踏みつける。


「うわああああっ……くっ……。」


「私の美貌を台無しにした報いだ!」


傷だらけになった俺の襟首を掴みジャミールは魔弾で吹っ飛ばしてくる。


「うっ……あっ………。」


「思ってた以上にしぶといな……後悔しながら死ぬがいい!」


「うわああ……かはっ………ぐっ……。」


ジャミールの魔弾で岩肌へとぶつかり、意識が朦朧として目が霞んできた。


「こんな化け物に誰が勝てるっていうんだ……終わりだ……何もかも。」


霞む目で上空を見上げると巨大な魔力の球体が浮かんでいた。


「何時まで持つかなぁ、無属性魔法使い!!」


「あぁっ………!?」


その球体から無数の雨の様に魔弾が降り注ぎ何度も躰中にぶちかる。


「うわああああっ!!」


「誰か、お願い……アルベルトを助けて! 誰でもいい、神様!!」


しばらくすると無数の魔弾は放ち終えたのか、アルベルトのいた場所からは土煙が上がっている。


少し時間が経ちアルベルトの姿が見えてきた。


ジャミールはスラストの方をみながら嬉しそうに伝える。


「君の友達、動かなくなっちゃったね?」


「ひっ……!」


「ま……だ…だ…………、まだ………戦え……るぞ……。」


「あぁ……? まだ生きてたのか、いい加減死ねよお前。」


まだ上空にある魔力の塊は残っていたらしくジャミールは、それを俺目がけて落としてきた。


(俺は、……諦めねえぞ!)

どう決着付けますかね。

楽しんでいただけたのなら幸いです。

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