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【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
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第44話 夢の終わり 新たな旅路

第二章は第26話からです。


今回で主人公サイドのバクムーマ編は最後となります。


では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみください。

 バクムーマの本体が消滅した事により巨人のバクムーマは風船の様に膨張し、ある一定の高さまで浮き上がると限界を迎えたのかパァンと破裂し中からは今まで取り込まれてきたであろう沢山の子供達が空中に投げ出される。


「バクムーマの奴、どれだけ子供達を攫ってんだよ! 今は妖精達に頼るしかないか。」


「今こそ、我らが力存分に発揮する時だ!」


「「「「「おー!!」」」」」


「誰一人として死なせはせぬ! レビテーション!!」


「「「「「レビテーション!!」」」」」


妖精達は浮遊魔法のレビテーションを使い子供達全員を浮遊させながら地面へと誘導する。


「良かった、皆のお陰で子供達全員無事に家に帰せるわ!」


「はは、そうだな……子供達は寝ているみたいだし。 その間に親の元に帰そうな。」


「ねぇ、アル……。」


俺も妖精達の浮遊魔法でゆっくりと地面に向かっている最中、トレーシィは顔をほんのり赤くしながらモジモジし始める。


「どうかしたか?」


「うん、その……もしアルがいなかったら、あたし達妖精は一生人間達に誤解されたままだったかも知れないから心から感謝してる。」


「トレーシィ……。」


「だから、これはそのお礼!」


俺の頬にトレーシィは顔を赤くしながら突然キスをしてきた。


「えへへ、キスってこんなに恥ずかしいんだね! ……ねえ、もし許されるなら……あたしアルと」


トレーシィが何かを言いかけた時、上空から何者かが落下してきて言葉を途切れさせる。


「うおおおおああああ!?」


そう、バクムーマに丸呑みにされたクレメンスである。

勢いよく地面にぶつかると穴が空き土煙が立ち上る。


「もう! 何なのよ、あいつ! 今良いとこだったのにぃー!!」


「?」


そのやりとりをしている時、地上ではエリーシャ達が上空を見つめ巨人バクムーマから出てきた子供達を妖精達が浮遊させている光景を見て胸をなで下ろしていた。


「ふぅ……、やっと終わっタカ。」


「ワタクシもう剣を持ち上げる力もありませんわ……。」


ニアミスは大の字になり、全身を休めながら一息つきシェスカ姫は剣を鞘に納め、地面に両手をつき腰掛け両足を広げて休息している。


「終わりましたね、二度とこんな持久戦はしたくはないですね。」


「それは、言えてる。」


アネットとスラストは互いに汗だくになりながらも空を見上げる。


「エリーシャ様……。」


「メルダ? どうしたの、頭なんて下げて。」


「私は仕えている身でありながら、自分の意見を押し通そうとしました……これではメイド失格ですね。」


「何言ってるのよ、私達の事を思っての事でしょ? ならメイド失格なわけ無いでしょ。」


「ええ、そうです。」

(けど、私は……。)


メルダはエリーシャに対し、自身の考えを押し通そうとした事に罪悪感の様なものに苛まれていた。


妖精達のお陰でバクムーマに取り込まれていた者達は無事地上へと降り立ち、安全な近くのナヤルック村まで運ばれ子供達は親の元へと帰された。


そして、俺達はバクムーマを倒し子供達の失踪事件を解決した事でサーメイル城へと呼ばれていた。


「よくぞ来てくれたな! 此度は巨人を討伐し失踪事件を解決してくれた楽にして良いぞ。」


「はい、国王陛下。」


俺達は立ち上がり楽な姿勢をとる。


「其方達には巨人に懸けられていた賞金をやろう、確か50万ゴールドじゃったな受け取るが良い。」


「どうぞ。」


サーメイル王国のギルドマスターも、この場に呼ばれており巨人討伐の賞金を俺は受け取った。


「有難う御座います。」


「サーメイルの王よ、我からの提案の方だが。」


「うむ、分かっておる。」


「提案?」


妖精の王とサーメイル王で何か話し合いをしていたらしく、より良い国にする為の提案らしい。


「我々妖精は、二度とこの様な事が起きぬよう大人には見えず子供にしか見えないよう自身に魔法をかける!」


「そうじゃな、今回の事件で妖精達には多大な迷惑をかけたな。」


「だが、忘れるで無いぞ? 我々妖精は子供達には見えておる……その際には茶菓子でも用意する事、魔物扱いしない事だ。」


「民には、そう伝えておく………じゃから安心するが良い。」


どうやら、バクムーマの一件で妖精達は大人に対しての警戒心が強くなり子供達の前にしか現れないという話しをしている。


「王様、あの……。」


「む、トレーシィか……どうした?」


「あたし、アル達と一緒に冒険がしたくて……。」


「そんな事か、構わぬぞ! お主が考えた事であろう?」


「うん! ありがとう、王様!」


トレーシィは満面の笑みで俺の近くに来る。


「では、我々は姿を消すとしよう。」


そう言うと妖精の王の姿は、見えなくなり気配すら感じられなくなった。


「さて、お主達も今回の一件で疲れたじゃろう? 言わずとも見れば分かる、バージリア王国へと赴いては如何かな?」


「バージリア王国ですか?」


「左様、ワシからの御礼じゃ! この手紙をバージリア王へ渡すが良い、あの国は人魚との交流があると有名じゃからの良い休息になるじゃろう。」


「有難う御座います、有り難く使わせていただきます!」


そして俺達はバージリア王国へと向かう客船に乗り、サーメイル王国を後にした。


「サーメイル王、太っ腹だね! あたし達に船代まで払ってくれるなんて。」


「そうダナ、海か……アタシ一度躰を焼いてみたかったンダ!」


「それ以上、黒くなってどうするんですか……まあ私も海を満喫したい気分ですし気持ちは分かりますね。」


「海……。」


「どうされました? スラストさん、ワタクシでよろしければ相談に乗りますよ?」


「だ、大丈夫です何でもないので。」


「そう、ですか。」


バージリア王国でのバカンスを皆楽しみにしているようだ。


「アルベルト様、バカンス楽しみですね! ほらメルダも何時まで落ち込んでるの?」


「私は落ち込んでなんて……、分かりました楽しみします。」


「たまには、思いきり遊ぶか!」


こんな平和な日々が何時までも続いてくれたらと俺は思うのであった。

やっと終わった。

次回は追放側視点のバクムーマ編の最後になります。


何時も読んでくださり有難う御座います。


第三章は人間になりたい人魚の話になる予定です。


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