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【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
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第33話 サーメイル王国へ

第二章は第26話からです。


また、誤字が有りましたね報告有難う御座います。


ようやく、物語が大きく動き出しそうです。

では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみください。

 翌日、俺はエリーシャに予言の書について質問していた。


「なぁ、エリーシャの予言の書について聞きたいんだが……。」


「何を聞きたいの、アルベルト様?」


「過去に俺が行方不明になる前には、もう持っていたのか?」


「あったけど、その時は読んでもさっぱり意味のうつらない事が書かれていたわ。」


その意味のうつらない事を俺はエリーシャに訪ねる。


「意味のうつらないの事? それ、今でも覚えてるか?」


「ええ、確か……“記憶を信じてはいけない、偽られた記憶は感情を蝕み侵食していくだろう。 しかし案ずるなかれ僅かな希望は時を経て再び現れる。”って書かれていたわ。」


「記憶を蝕むって……いや、まだ答えが出ない状況での推測はやめておこう……エリーシャありがとな!」


「いえ、アルベルト様の為なら何でもするわ! それに、皆の旅支度が終わる頃ね。」


エリーシャが、そう言い終えた時に先に俺達の前に来たのはメルダそっくりの等身大の人形を動かしながらメルダが近づいてきた。


「メルダ? えっと何、その人形!?」


「これは、魔身人形マシンドールといいましてマナを糸状にした魔力を長くしたり、縮めたりする事で動かせる優れものですアルベルト様。」


「まさか、メルダも着いてくる気!?」


「はい、アルベルト様は以前…魔物との戦いで無理をしマナが体内で造られなくなったのをお忘れですか?」


「私の家は、どうするのよ!?」


「エリーシャ様も知っていると思いますが、屋敷の人形達は私が自動操作オートモードで動かしていますので今まで通り家事全般は何の問題もありません。」

(まあ、私の感情が昂ぶると余計な事を喋りだすのが玉に瑕ですが……。)


「うぅ……、分かったわよ! そこまで言うなら着いて来なさいよ!!」


「何か、エリーシャ焦ってないか?」


「な、何でもないわよ? アルベルト様!」


そんなやりとりをしていると皆準備出来たようで、俺達の元へ集まりサーメイル王国へ向けて出発する。


「そういや、サーメイル王国って何処から経由して行くんだ?」


「この国から東にあるグラント山を越えて、しばらく真っ直ぐ行ったところになります。」


「では行きましょうか、皆さんサーメイル王国へ!」


アネットの言葉で俺達は東にあるグラント山へと足を運ぶ。

山を登りサーメイル王国へ行く道中、やはり魔物が襲いかかってきた。


中には、前に戦ったマデルオーラに似た魔道士と呼ばれる躰が痩せこけた青いローブを着た魔物が現れるが言葉を喋れる程の知能は無いようだ。


「そこだ!」


咄嗟にスラストは、二体の魔道士に矢を放つと一撃で倒した。


「反応が早くなったなスラスト。」


「いや、単にマデルオーラに似てたからつい……。」


しばらく進むと今度は全身が岩で覆われた様な見た目のトカゲ、ロックリザードが三体現れる。


「アタシの番ダネ、くらイナ!」


「この程度の相手でしたら、問題ありません! 行きなさい、メルダ二号!」


(メルダ二号って……。)


「残りは、俺が倒すか。」


ニアミスは飛び膝蹴りをし、メルダは魔身人形マシンドールを使い脳天にかかと落としを喰らわせ、俺は軽く魔弾を放つとロックリザード達は岩が砕けたようにバラバラになる。


「まだ先は長そうですね……、サーメイル王国まで結構ありますしそろそろ休憩しませんか?」


アネットの提案で一時的に休憩をする事にした。


「そういやエリーシャ予言の書には、この先の事も書かれてるのか?」


「そうねえ、アネット本を出してくれる?」


「はい、どうぞ。 私には、その白紙の本が何なのかよく分かりませんが。」


「ありがとう、えーと……?」


「どうかなさいましたの?」


エリーシャは、アネットから予言の書を受け取ると難しい顔をしながら語る。


「何が書いてあったんだ?」


「“小さき者達の怒りを買いて、互いに悪となりて国一つ滅びかねん。 巨大な影があるとも知らずに。”って買いてあるわ。」


「小さき者というのは、おそらく妖精達の事ですわね。」


「でもさ互いに悪となりてって、どういう意味だろう?」


「それに、巨大な影ってのも気になるな。」


「休憩もこのくらいにして、急いだ方が良さそうですねアルベルト様。」


俺達は嫌な予感がしサーメイル王国へと再び足を進めるが、やはり魔物が襲いかかって来た。


真っ直ぐにこちらへ突進して来るイノシシの魔物グレートボアをシェスカ姫がタイミングを見計らい手に持った剣で横に一線を描くと魔物は真っ二つになり絶命する。


「そこですわ! はあっ!!」


シェスカ姫がグレートボアを斬りふせるのを狙っていたのか、草むらに隠れていたゴブリンの魔法使いゴブリンマージがシェスカ姫に向かって魔法を放とうとしていた。


「残念だけど、そうはさせないわよ! ショックボルト!!」


「ギギャー!?」


いつの間にか、エリーシャは隠れていたゴブリンマージに触れ魔法で黒焦げにする。


「エリーシャさん、助かりましたわ!」


「どういたしまして!」


「皆この調子で行こう!」


俺達は次々に襲いかかって来る魔物を退けながら、グラント山を越えて道なりに進んで行くとサーメイル王国が見えてくるが何処か様子がおかしかった。


「なあ、あれがサーメイル王国か? 何か様子がおかしくないか?」


「ええ、確かにサーメイル王国ですが……何故か妖精達が取り囲んでいますね。」


「それに何ダ、妙に殺気立ってなイカ?」


「おかしいですわよ、妖精はよっぽどの事が無い限り人を襲わない温厚な種族ですのに!」


「アルベルト様、急いで止めましょう! このままだと予言の書通りになるわよ!!」


エリーシャの言うとおり、放っておくと予言の書にある通りサーメイル王国が滅びかねないと判断し俺達は妖精達を説得しにサーメイル王国へと足を早めるのだった。

次回は、どうやって妖精達を説得するのか話しを練らないといけないですね。


たぶん、また雑になるかとは思いますが楽しんでいただけたのなら幸いです。

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