第28話 国の平和と後遺症
第二章は第26話からになります。
また時間がかかってしまい申し訳ありません。
第二章でも仲間(女の子)が増える予定なのでお楽しみに。
では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみ下さい。
俺達はメルダにニアミスの後遺症を治してもらうべくスクラドル家の屋敷へと戻っていた。
「お帰りなさいませアルベルト様、エリーシャ様そして………お客様方。」
「ただいまメルダ、頼みたい事があるのだけど………。」
エリーシャが困り顔で訪ねるとメルダはニアミスを見て納得したように頷きベッドへと運ぶように指示する。
「分かりました、ではベッドで横にしてください。」
「こっちで良いのか?」
「よいしょっと。」
俺とアネットは客室のベッドにニアミスを寝かせるとメルダから時間がかかると伝えられる。
「かなり酷い状態ですが、まあ何とかしてはみます。 時間がかかりそうなので皆様と話してきてはいかがでしょう。」
そう言ってメルダはドアを閉め、ニアミスを治す準備を始める。
「ニアミス様、腰の辺りにマナを集中して神経が通うようにしますので少し服を脱がせますがよろしいですか?」
「ああ、頼む……それくらいは気にしナイ。」
ニアミスの服をずらし腰の辺りに手を当てマナを神経に通わせる。
しばらく時間がかかるようなので俺とアネットはロビーにいる他のメンバーのところに行く。
「アルベルト様、ニアミスは……。」
「あの感じなら、大丈夫だと思う。」
「そうですか、治りそうなら良かったですわ!」
心配そうにエリーシャが訪ねると俺は安心させるように告げると、シェスカ姫も安堵の表情を浮かべる。
「あ、そうだ! 私は、これから必要な道具を買い揃えに行きますね。」
「なら、俺も行くよ暗くなってきたしな!」
「では、ワタクシも……。」
「シェスカ姫は、残ってくれないかしら。」
シェスカ姫まで買い物に付き合おうとするところをエリーシャが止め、俺とアネットで店に行く事になる。
「エリーシャさん? ワタクシもお買い物に付き合いたいですわ!」
「ダメですよ、シェスカ姫! 屋敷に着くまでフードを被って正体がバレないようにしていたのをお忘れですか!」
「あはは、シェスカ姫は素性がバレると騒ぎになりそうだからね…留守番をお願いします。」
こうしてアネットと店に道具を買い揃えに来たわけだが俺も荷物持ちをしていた為、割と早く買い物が終わりスクラドルの屋敷へと歩き始める。
「あの、アルベルトさんに聞いても良いですか?」
「応えられる範囲なら……。」
「変な事を聞きますが記憶が無くなって、親しかった人達が思い出せないのは寂しいですか?」
「うーん、よく分かんね…記憶自体無いからな……でも思い出したら泣くかもしれないな。」
深刻な顔をしながらアネットが訪ねてきたが、俺には記憶が無くうまく応えられ無かった。
「そう…ですか、ごめんなさい変な事を聞いてしまって……。」
「ところで、ロビーにスラストだけいなかったがどうした?」
「スラストさんなら、先にお風呂に入ってますよ?」
「あー、それでいなかったのか。」
雑談をしながら俺達はスクラドルの屋敷へと帰る一方でスラストはというと。
「はぁ……、いつになったら成長するんだろ……僕の胸。」
風呂場にて、胸がツルペタな事を悩んでいた。
「そういえば、好きな人に揉んでもらえば大きくなるって聞いた事が……。」
その言葉を口にし、アルベルトに胸を揉まれる自分自身を想像すると耳が下がりみるみるうちに顔が赤くなり考えるのを止めた。
「なななっ、何を考えてるんだ僕は! そんな恥ずかしい事頼める訳無いだろ!!」
「ふぅ……、これ以上考えるのはよそう……。」
ぶんぶんと首を振り、湯船に浸かって疲れを癒やすスラストなのであった。
「ただいま。」
「今、戻りました。」
「お帰りなさい二人とも!」
「ワタクシも行きたかったですわ。」
「…………。」
俺達が帰るとスラストもお風呂から上がったようで躰から湯気が出ているが何故か俺から目をそらしている。
「スラスト?」
「ひゃい!? 何でしょうかアルベルト!!」
「何か顔赤いぞ? 熱でもあるんじゃないか?」
「そ、そ……そうだな! 今日のところは早めに寝るとするよ!」
「夕飯はどうするの?」
「すまないが、今は喉を通りそうにない。」
エリーシャが心配そうに夕飯を食べるかどうか聞くが、風邪でもひいたのか早めに寝るそうだ。
「なら、二階に客室があるから……好きな部屋で寝てね。」
「分かった、二階だね。」
スラストは胸の辺りを押さえながら二階の客室へと向かって行った。
そして、メルダとニアミスがロビーへと現れる。
「メルダ、なんとかなった?」
「ええ、一応神経にマナを送って歩けるようにはしましたが痛みは伴うようでリハビリが必要です。」
「心配かけタナ、おかげさまで自由に躰を動かせるようになれそウダ。」
「良かったな、ニアミス!」
「ああ、ありがとウナ!」
「では、次はアルベルト様の番ですね。」
メルダは、次に俺に近付くと両腕を背中に回し抱き付くような形となる。
「ちょっとメルダ!? アルベルト様に何してるの!!」
「見ての通り、アルベルト様の後遺症を治す手伝いをしています。」
「えーと、後遺症って何の?」
「アルベルト様の躰の中からマナを感じられませんから……なるほど前に共にお風呂に入った時と同様に背中の中央辺りからマナを造りだしているようですね。」
「うわっ、何か変な感じだな! でも、マナが生成されてるのが分かる。」
俺はメルダから再びマナの生成が可能となり、無属性魔法が使えるようになったが代わりにエリーシャがメルダに対して嫉妬することになった。
「メルダ、さっきの話……本当?」
「後遺症の事でしょうか?」
「違うわよ! アルベルト様と一緒にお風呂入ったって話!!」
「本当ですよ、あの時はエリーシャ様はアルベルト様の為に料理を造られていましたしアルベルト様はお風呂で倒れられてましたから仕方なくご一緒させていただきました。」
「何よそれ! じゃあ、アルベルト様は既にメルダとあんな事やこんな事を!?」
「落ち着け、エリーシャの思ってるような事はしてないから!」
そんなやりとりをしているとシェスカ姫は微笑ましく笑い、今が平和な事を心の底から安堵しているようだった。
「皆様は仲がよろしいのですね。」
こうして俺達はスクラドル家で食事をしながら雑談を交え楽しく会話するのであった。
第二章でも追放側視点は健在なので、こちらも楽しんでいただけると幸いです。




