第23話 限界を超えた力
いやー、戦闘描写に結構時間取られますね。
引き続き無属性魔法使いをお楽しみ下さい。
ダイアロスの攻撃に反応したニアミスがエリーシャを突き飛ばし身代わりになろうとした時、俺の躰が勝手に動きニアミスの前に出て右手を光線に向け魔法を使っていた。
「マナドレイン!!」
「アルベルト!?」
「アルベルト様!!」
光線をマナへと変換し吸収するが自身のマナ保有量を超えてしまうがギリギリでダイアロスの攻撃が終わる。
「痛っ!」
俺はニアミスを守る事に成功したが代わりに右腕が赤く焼け爛れたようになる。
「グヌヌ……まさかワシをここまで追い詰める奴がおるとはな……。」
ダイアロスの頭部はゆっくりと宙に浮きあがると同時に躰の方は黒い霧状になり頭部へと集まる。
「ダイアロス、まだ生きていたのか!?」
「クハハ……、貴様らに敬意を評して真の姿を見せてやろう。」
そう言うとダイアロスの頭部は巨大化し、さらに凶悪な顔つきに変貌すると空間が歪む程の殺気が俺達を襲う。
「何だよコレ、今までと比べものにならないくらいの殺気ダ!」
「それでも、やるしかないよ!」
「ワタクシも、まだ戦えますわ! 父上は下がっていてください!!」
皆口々に戦う意思を見せるが、その顔は青ざめ躰は震えているのが分かる。
「舐められたモノだ、よもやワシに勝てるとでも?」
「お前を倒さなきゃ、多くの罪も無い人々が安心して暮らせないんだ!!」
「ならば、かかって来るが良い……、だが、簡単に死ねると思うなよ?」
俺達は勇気を振り絞りダイアロスに攻撃を仕掛ける。
「これでも食らえ!」
「この瞬間、もらっタヨ!!」
右腕の痛みに耐えながら俺は左手でダイアロスに向かい魔弾を放ち、当たったタイミングでニアミスが飛び蹴りを食らわそうとするが舌で足を掴まれ思いきり床に叩きつけられる。
「な、何! 効いて無い!?」
「しまっタ! あ、ぐあああああアアアッ!!」
叩きつけられたニアミスの躰からバキバキと骨が折れる鈍い音が聞こえてくる。
「ニアミスさん、今助けますわ!」
シェスカ姫はニアミスを助ける為ダイアロスの舌を剣を振り下ろすが思ってた以上に堅く剣が折れてしまう。
「そんな、剣が!!」
「クハハ! まだ死なさんぞ? 本当の地獄は、これからなのだからなぁ!!」
「私がいる事を忘れたのかしら!?」
いつの間にかエリーシャは接近しておりあと少しで触れられる所でダイアロスの両目が不気味に光り、その目を見たエリーシャは躰が動かなくなってしまう。
(か、躰が動かない!?)
「何度も同じ手が効くとでも? 目障りな貴様は最後にじっくりとワシの逆鱗に触れた事を後悔させながら息の根を止めてやろう。」
「エリーシャ!!」
「申し訳御座いませんアルベルトさん、ワタクシにもっと力があれば……。」
ダイアロスは舌を引っ込め、俺達をどう苦しめ殺すかを考え始めた。
「クハハハ! さて、どう息の根を止めてやろうか? そこの褐色肌は放って置いた方が長く苦しめられるだろうな?」
「うっ……ぐ………ハァ……ハァ………。」
「くそっ、コイツを倒さなきゃなんねぇのに!」
(いや、まて……躰が持つかどうか分からねーが全力でマジックアーマーを使えば勝気はあるんじゃないか?)
俺は今ある力を最大限使う事を考えた、ここで限界を超えなければ誰一人守る事なく死ぬのは明らかだ。
「シェスカ姫、ニアミスとエリーシャをお願いします。」
「アルベルトさん?」
「ダイアロス……お前を倒すには、これ以外考え付かねえマジックアーマー!!」
「まだ、無駄な事をするか人間! 何!?」
「ウオオオオーーー!!」
全身に焼けるような痛みが走るが真っ直ぐにダイアロスを見据え、顔面を殴り飛ばすと隣の部屋へと壁を壊し移動する。
「金縛りが解けた!?」
「エリーシャさん、ダイアロスの術が解けたのですね!」
「ええ、ニアミスは?」
「うっ……クッ……。」
ニアミスの顔色は悪く、今にも死にそうな呻き声を上げている。
「エリーシャさん、先程ポーションを飲ませたのですが足りなくて……どうしましょう!」
「マナポーションは有りますか?」
「それなら、有りますが何に使うのですか?」
隣の部屋からは激しい音が鳴り響く中、エリーシャ達はニアミスの怪我を治すのに必死だ。
「ニアミスに飲ませて下さい、私の魔法で回復させます。」
「わ、分かりました……エリーシャさんを信じます!」
そして、全身の痛みに耐えながらダイアロスと激しく俺はぶつかり合う。
「貴様、一体何者だ!? 人間というのは急には強くなれんはずだ!!」
「さあな! でも一つだけ分かる事がある、この力はお前達のような悪党を倒し世界に平和をもたらす為の力だ!!」
「認めん、認めんぞ! 人間がワシを超える事などあってはならぬのだー!!」
ダイアロスは、そう言うとニアミスにした様に俺の足に舌を絡ませ床に叩きつけるが俺はマジックアーマーを最大限使用している為効かず、俺は舌を摑みダイアロスを振り回した後床に叩きつける。
「効かねえよ! 今度は、こっちの番だ!!」
「グオオオオアアア!!」
「ワシが、ワシが負ける事などあってたまるかー!!」
ダイアロスはエリーシャの時と同様に不気味に両目を光らせ俺の動きを止める。
「ぐっ……!?」
(さっきエリーシャの動きが止まってたのはこれか!!)
「終わりだ、小僧ー!!」
ダイアロスは口を大きく開け、魔力の凝縮された紫色の光線を放ってくる。
「こんな奴に、負けてたまるかー!!」
(なぬっ!? ワシの術を解いただと!!)
俺は無理矢理ダイアロスの術を破り、光線へと右腕を向け再び魔法を使用する。
「マナドレイン!!」
(む、無駄だ! さっき吸収しきれていなかったではないか、出来るはずが無い!!)
「くっ、ウオオオオ!!」
俺はダイアロスの光線を全て吸収し終えると全魔力を右手の拳に集中させる。
「馬鹿な! そんな事が!!」
「さっきのお返しだ! くたばれダイアロスーーー!!!」
俺はダイアロスした様に右手から、、白く輝く光線を放った。
「こんな所で終わらんぞー!!」
何重にもダイアロスはバリアを張り、光線を防ごうとするが次々にバリアが壊れダイアロスの右半分を消し飛ばした。
「ハァ…ハァ…どうだダイアロス、これが、人間の力だ!!」
「ば、馬鹿な……まさか、このワシが……負ける…とは、だが、……ワシは所詮……大魔王様の配下に過ぎん!」
「大魔王だと!?」
「クハハ!、……一時の平和を………今の内に…楽しんでおくのだな………クハハハ……ハハ………ハ…………。」
ダイアロスは最後の言葉を言い終えると灰と化し霧散していった。
「大魔王……か。」
やっとダイアロス戦が終わりました。
解放された気分です次回からは、キャラの掘り下げをしつつ物語を書いていきますかね。
因みに、ここから先の物語はストーリー構成を練らないといけないので投稿は遅くなるかもしれないです。
もし、まだ見ていただけるなら気長に待っていただけると幸いです。




