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【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
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番外編エピソード︰アネット②  ろくでもない考え

 投げ飛ばされたイザベラはタオルの姿でミミズのように動き風呂場へと侵入しバレない様に擬態する。


(うむ、これで良しじゃな! 後はアネットが妾を使うのを待つだけじゃ、ぐふふふふ♡)


 イザベラがろくでもない事を考えている間、アネットと色々あったアルベルトは泊まっていく様に促されていた。


「泊まるって言っても満室なんだけど。」


「あらアネットの部屋でいいんじゃない? たまには彼氏を泊めてもバチは当たらないわよ。」


「だから彼氏じゃないって言ってるでしょ! アルベルトさんも……迷惑でしょうし……。」


「俺は別に構わないぞ。」


「ほら、こう言ってることだし今日はあの人も帰って来る頃だしご馳走用意しないとね。」


「え、お父さんが帰って来るの!?」


 アネットは父親が帰って来ることを喜んでいるようにも見えるが何故か俺をチラチラと見ては迷ってる感じに見える。


「どうかしたか?」


「いいえ、なんでもないです。」

(ままま、マズイです! アルベルトさんが私の部屋に入るって事は、この前買った“エッチな本”の存在は絶対に隠し通さないと!!)


「大丈夫かアネット? 顔色が赤くなったり青くなったりしているが?」


「大丈夫です! なんでもありませんから!!」


「汗凄いぞ?」


 アネットからは滝の様な汗が流れ何かを隠してるとしか思えない様子だ。


「と、取り敢えず部屋行きましょうか……」

(だ、大丈夫……アルベルトさんは人の部屋の物を勝手に触る様な方ではありませんし何の問題も無いはずです!)


 アネットが自分の部屋を開けると一瞬、昔人間の姿となった人魚が素っ裸で無防備に寝ているのが見えた。


「アルベルトさん、ちょっと待っててくださいね!!」


「あ、ああ。」


 俺はアネットの部屋の前で待つことになり、中ではアネットが素っ裸の元人魚を着替えさせている。


「アルベルトさん、もういいですよ。 マーちゃんの着替えさせましたから。」


「マーちゃん?」


「ほら、昔人間にした人魚さんです。」


「あったなそんなこと、人魚だからマーちゃんか。」


「にしても、アネットの部屋に入るのは始めてだな。」


「何かおかしいですか?」


 辺りを見渡すと動物のぬいぐるみや本棚には少女漫画などが並んでおり真面目なイメージよりは可愛い物好きと言った印象がある。


「いや、ちょっと意外だったからな。」


「そんなに意外ですか? 私だって女の子なんですから、これくらいの部屋に住んでますよ!」


「わ、悪い……気を悪くしたなら謝る。」


「別に良いですよ、それよりも今日はお父さんが帰って来るみたいだからアルベルトさんも釣り一緒に行きますか?」


「釣りか……、俺あんまり釣り知らないんだよな。」


「大丈夫ですよ、簡単な道具で釣れますから。」


「なら行くかな。」


「決まりですね、着替えるので少し待っててくださいね。」


 部屋から出てアネットが着替えるのを待ち、出て来たアネットは白いシャツにオーバーオールを着ており頭には麦わら帽子を被っている。


「さ、行きましょうか。」


「…………」


「アルベルトさん? どうかしましたか?」


「あ、いや何か新鮮だなと思ってさ。」


「見惚れてました?」


「そういう訳じゃ無いんだけどな。」


「何だ……」

(素直に見惚れてたって言ってくれても良いのに。)


 俺はアネットに連れられ、船場へと着くとボートがあり二人で乗り込み沖へとオールである程度漕いだ場所へと着く。


「アルベルトさん、この辺で良いですよ。」


「それで、釣り竿ってこれか? 糸に針が付いて無いが?」


「ええ、今はこの玉の穴に糸を通して玉を口に含んだ魚の中で膨らむ仕掛けになってます。」


「つまり、女性でも釣った魚の針で怪我しない様になってるのか。」


「そうですね、お父さんにたくさんご馳走する為に頑張りましょう!」


 俺はアネットと釣り竿を海に垂らし魚が食い付くのを待つ、穏やかな風に空にはカモメが何羽か飛行している。


「あ! アルベルトさん引いてますよ!!」


「お、本当だ! 加減はこれくらいかな?」


 力加減を抑えつつ釣り竿を引っ張り魚が釣玉から離れると、アネットの服の中へと入り胸の谷間でピチピチと暴れる。


「え、ちょ! やだ!! アルベルトさん取ってください!!」


「いや、取ってと言われても!!」


 慌てたアネットはオーバーオールを脱ぎ魚を服の外に出そうとするが下着に引っ掛かっているのか出せずにシャツまで脱いでしまい緑色の下着が見え、俺は咄嗟に目を背ける。


「アルベルトさん!!」


「わ、分かったから暴れるなって!」


「うぅ……」


「これか? ん、引いても抜けないな……引っかかってるのか? 少し強引に取るぞ?」


「何でも良いから早く取ってください!!」


「これで良いか?」


「きゃあああああ!!」


 俺は目を背けながら魚を掴みグイッと引っ張るとズルりと魚が落ちる感覚がしたと思えばアネットがまた悲鳴を上げる。


「今度は何だ?」


「み、見ないでください!!」


「あだっ!!」


 振り返ると下着がズレ、胸部が顕となり取れた魚が今度はパンツの隙間に挟まりピチピチと暴れている姿が見えたが涙目で真っ赤な顔をしたアネットにビンタをされる。


「もういやっ!!」


 暫くして下着に挟まる魚を取り籠に入れ気まずい雰囲気が漂う中、黙々とアネットと釣りをし夕方になると岸まで船を漕ぎ下りて宿屋ハンネスへと戻る。


「あら顔真っ赤じゃない、もしかしてお楽しみだった?」


「そんな訳無いでしょ! 散々な目に合ったわよ!!」


「大変だった事は確かだな。」


「頬赤くなってるじゃない!? アネット、あんた未来の旦那さんなんだから優しくしないと嫌われるわよ?」


「だから違うってば!!」


「お、何だ? 噂の旦那ってのは君か! まさか世界を救った英雄様とは驚きだ!!」


「お父さん!! 帰ってたの!?」


 眼の前には筋肉質な海の男といった風貌の人物が何処からともなく現れ俺の肩に手を回す。


「中々良い筋肉だ! どうだ、ウチの娘は?」


「どうと言われても……」


「お父さんまでアルベルトさんを困らせないでよ!!」


「まあ良いじゃない、夜ご飯は共同作業で釣って来た魚料理するから。」


「そうだ、疲れたろうから二人で一風呂浴びて来なさい。」


「なっ、ななな何言ってるの!? 全然そんな中じゃ!!」


 アネットはぶんぶんと手を振り真っ赤な顔で否定するもアネットの母親に耳打ちされる。


(あんたねぇ、旅で一緒に居た人達忘れてない? 皆美人さんで誰に取られてもおかしくないわよ?)


(で、でも……)


(下手したら、あのイケメンのエルフ君に取られかねないわ。)


(イケメンのエルフ君て、あの人女性なんだけど……)


(え、そうなの!? ともかく、あんたが勝つには裸でも見せて釘付けにしなさい! 良い? 男の子は皆女の裸に弱いのよ、あの人がそうだったみたいにね!)


「何ヒソヒソ話してるんだ?」


「な、何でも無いです。」

(もう裸見られてるんですけど……。)


「はっはっは! 良いから入った入った!! オレが許可しよう!!」


「あっ! マーも一緒に入るー!!」


「マーちゃん!?」


「ほら、行こ行こー!」


 俺はなし崩し的にマーちゃんに引っ張られ脱衣所まで連れて行かれアネットも母親に強引に脱衣所へと連行された。

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