最終話 約束
第二章は第26話からです。
第三章は第46話からです。
第四章は第66話からです。
第五章は第91話からです。
第六章は第113話からです。
最終章は第136話からです。
では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみ下さい。
大魔王ウルベノムを倒してから一ヶ月の時が過ぎた、俺は世界中を周りダークマターの浄化の仕方を各現地の人達に教えている。
エリーシャはスクラドルの屋敷に帰った後には書類が溜まっていたらしく全てに目を通さないといけなく大変そうにしていた。
メルダはラクシーの人形に宿ったアルエッタの魂を子供程の大きさの魔身人形へと移したがアルエッタは記憶が無くメルダをママと呼び俺をパパと呼んで本当の両親と思われてるのは少し心が痛むがラクシーとの約束を果たす為なら幸福な生活を送らせないといけないか。
スラストは冒険者を続けながら魔物に襲われている人を救助したり、冒険者に憧れる少年少女へのアドバイスをしたり割と自由に旅をしているそうだ。
シェスカ姫はロクサーヌ城へと戻ったらフラムベルジュがおり、今では毎日互いに剣を交え極め高め合っている様だけどロクサーヌ国王陛下にとってはストレスで胃を痛めているらしい。
トレーシィは一人でバクムーマと戦い見事に勝利した事を称えられ妖精王から王冠を授与され女王となった、本人はよく分かって無さそうだけどサーメイル王国では用意されたお菓子を頻繁に食べに行く様になったって太らないのか?
ニアミスは冒険者を辞め実家のある村てわ墓守の仕事をしている、俺とアネットに謝罪してきた時は何の事かは分からなかったが俺に関しては冷たい態度をとっていた事、アネットに関しては命を危険にさらした事を謝っていたらしい。
アネットは共に旅をした仲と言う事もあり許してはいたそうだ、因みに俺は気にして無かったのだが面と向かって謝られると変に感じた。
アネットも冒険者を辞め実家の宿屋ハンネスにて親の手伝いをしながら人魚の娘に人間社会での生き方を教えながら男性客が九割に増えた店で働いている。
アスティオは母国へと帰還すると早速、壊れた建造物や住む場所を失った人達へのケアをしながら国民全員に王政を廃止し民主主義による平等な国造りを目指している。
レニーも冒険者を続けていたが、バリアの使い方に関して魔法の使い方が普通と違っていた為に魔法学園から教師としてスカウトされ今は冒険者兼魔法学園教師になっている。
イザベラは何時も通りで変なちょっかいを出しては女王ウルディの怒りを買い屋敷にある百合漫画を全てBLへと変えられて発狂する日々を送っている。
因みにクレメンスだけど、世界中で迷惑行為をしたのでギロチンの付いていない断頭台に繋がれ尻を丸出しにさせられた挙げ句、罪状を読み上げる度に尻を叩かれるという公開処刑に晒されていた。
ケニーはイシュタッド城で治癒師として働き技術を磨いていき、軽い怪我ならボランティア活動で無料で街の人達を治しているから信頼されている。
そして一年の時が過ぎ、俺はかつての仲間と共にナルドレイク王国の闘技場へと来ていた。
「懐かしいな皆!」
「ふふ、相変わらず元気そうで何よりですわ。」
「アル、あたし沢山お菓子持って来たから皆に分けてあげるね。」
「アルベルトも冒険者は続けているのかい?」
「まあな、スラストは冒険者アドバイザーになったって聴いてるぞ。」
「よ、アルベルト来てやったぞ! 世界を救った英雄が今更闘技場に何の様があるか知らんが応援してるぞ。」
「アルベルト様、アルエッタも応援してますので無理はしない様にお願いしますね。」
「パパ頑張ってね! エリーシャお姉ちゃんもパパに頑張って欲しいって言ってるの!!」
「あー何で私はママじゃなくてお姉ちゃんなの?」
「別に良いんじゃない、アンタはママと言うより姉の方がしっくり来るわよ?」
「アルベルトさん、頑張ってくださいね。 それと皆さんの分、お弁当作って来ました。」
「お、もうこんな時間だな。」
俺は一通り挨拶を済ませ闘技場の会場へと脚を運ぶと壁に寄りかかり腕を組むバゼラードの姿を見る。
「バゼラード、約束果たしに来てやったぞ。」
「ああ、だが勝つのは俺だ。」
今回は特別に大魔王ウルベノムと共闘し誕生した二人の最強どうしの対決を誰もが見たいと思っていたらしく予選などは無く互いに万全を期した状態での試合となる。
「今回は大魔王ウルベノムを名乗る魔物と死闘を繰り広げ、苦戦を強いられるも共闘し勝利を掴み世界を救った二人の試合が始まります!!」
「本気で行くぞ。」
「当たり前だ、手加減してみろ俺は一生貴様を恨むぞ!」
俺とバゼラードは互いに構え、試合の合図を待つ。
「では、両者! 試合始め!!」
沸き立つ閑静の中、俺とバゼラードは本気でぶつかり合い中々勝負がつかず最後は互いに頬にパンチを喰らい場外に落ち引き分けとなった。
「場外! 何と言う事でしょうか!? 両者まさかの場外、引き分けです!!」
「はー、やっぱ凄えよバゼラードお前もう俺を越えそうじゃないか。」
「ふん、よく言うあっさり強くなる癖によ!」
「で、また修行でもすんのか?」
「当然だろう、俺の目標は貴様を越える事なのだからな!」
そして俺はバゼラードと握手を交わし、試合が終わり皆が闘技場の外で俺を拍手で迎えた。
「やっぱりアルベルト様は凄いわ!」
「当然でしょう、救世主なのですから。」
「そんな事より、アンタに聴きたい事があるんだけど。」
「何だレニー聴きたい事って?」
「ところでさ、アンタ誰が一番好きな訳?」
「「「「!?」」」」
「あ、こりゃ修羅場確定ダナ。」
「そうね、アルベルト様は誰が好きなのか気になるわね。」
「私もアルベルト様の口からお聴きしたいですね。」
「パパ、勿論ママだよね?」
「私もアルベルトさんから聴きたいかな? だって見たでしょ?」
「あ、いや……その…………」
「さあ、誰が好きなのか応えなさいよ! さあさあさあ!!」
「な、何でこうなるんだあー!!」
「あ、逃ゲタ。」
「「「「「待ちなさい!!」」」」」
俺はその場から逃げ出し追い駆けられるが、こんな日常も悪くないなと思うのであった。
ー終ー
ここまで読んでくださり本当に有難う御座いました。
パロディやオマージュの描写を多々入れていますが楽しんで頂けたのなら幸いです。




