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【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
153/166

第153話 封印の秘術

第二章は第26話からです。

第三章は第46話からです。

第四章は第66話からです。

第五章は第91話からです。

第六章は第113話からです。

最終章は第136話からです。


では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみ下さい。

ーエリーシャ、レニー、イザベラ視点ー


「もう、終わりですかねぇ?」


「そんな訳ないじゃろがい! すばしっこい貴様に追いつくには我が竜神族特有の竜気を使うしかないのでな。」


「今は勇気と言いましたか、どうぞご自由に。」


 イザベラは呼吸を整え、ある妄想を始める。


「瞑想ですかねぇ? 隙だらけですが待っていて差し上げますよ。 ん?」


「ふへ、ふへへ、ぐへへへへ……。」


 急に不気味な笑みを浮かべるイザベラにアクナヴィーテは眉を顰め困惑する。


「気持ちの悪い方ですねぇ。 何を考えているのか、おや?」


「漲って来たああああ!!」


「なるほど、竜神族特有のパワーアップというやつですか。」


「そうじゃ竜気は思いが強ければ強い程、力が湧き上がるのじゃ!!」


 そう、イザベラはアネットのマジックバッグに忍ばせたエプロンを裸で来ているのを妄想し望む日常生活を想像していたのである。


「ほう、確かに強くはなってますかねぇ。 ですが、その程度では私を倒せはしませんねぇ。」


「試してみるかえ?」


「お好きにどうぞ。」


「“槍突貫やりとっかん”!!」


 槍の先端に竜気を集中させアクナヴィーテに強力な突きを繰り出しすとアクナヴィーテは諸に腹部に受けるが貫くまではいかず岩山へと飛びぶつかると山が崩れていく。


「どうじゃ、やったかの?」


「凄い威力ね、あれなら倒せたんじゃないかしら?」


「いいえ、まだみたいよ。」


 ガラガラと崩れ落ちる落石により土埃が立ち込める中、その煙には邪竜の姿に変わったアクナヴィーテのシルエットが現れる。


「今のは中々に効きましたよ? ですが、貴方程度ではこれが限界と言う事ですよ。」


「ぬぅ、ならばこの姿ならどうじゃ!!」


 イザベラは二足歩行の竜の姿に変わり、竜気も10倍近く跳ね上がる。


「ほう、これならまだ楽しませてくれそうですねぇ。」


たわけ、これで終いじゃ! “ドラゴニックバースト”!! でやああああああああ!!」


 全身に竜気を纏わせたイザベラは凄まじい速度でアクナヴィーテへと接近し穿った槍で眉間を攻撃する。


「な、なんて力なの!? こっちにまで衝撃が伝わって来る!! でも、流石のあいつもこれで倒れるでしょ。」


「無理ね……。」


「ねえ、さっきからアンタ卑屈すぎない? おしてるってのに!」


「よく見て、イザベラは本気の技を使ってるのにアクナヴィーテは…………全く動じてないじゃない! これで勝てる訳ないでしょ?」


「ぐぬぬぬぬぬぬ!!」


「どうしましたあ? これで終いではなかったのですかねぇ?」


「うそ……でしょ…………。」


 アクナヴィーテはイザベラの渾身の一撃をものともしておらず余裕の笑みを浮かべていた。


「レニー、サポートお願い。」


「ちょっと!? エリーシャあんた何する気よ?」


「アクナヴィーテは私が倒すわ、“マジックアーマー”!」


 エリーシャはある程度イザベラとアクナヴィーテに近付くと血の滲んだ両手を合わせ身体強化の魔法を唱える。


ーアルベルト視点ー


「どうしましたぁ? 動きが止まってみえますねぇ。」


(くそ、さっきから全然当たらねえ!!)


 俺はウルベノムに攻撃を繰り返すが、当たる寸前に妙な距離感の変化によりスレスレで外れている。


「さっきの魔族よりは反応速度が速いだけで全く攻撃が当たりませんねぇ。 どうです、魔法を使ってみては? 使えるとは思えませんがねぇ!」


(こいつ態と煽ってるな。)


「そろそろ全力を見せて差し上げましょうかねぇ?」


「!?」


 ウルベノムが両手を広げると至る場所から黒く発光する魔法陣が出現し、狙いを俺に定めている。


「安心なさい、まともに当てるつもりはありませんからねぇ。 “ブラック・ヘルバースト”!!」


 そうウルベノムが唱えた瞬間上空からは“ブラックサンダー”と“ブラックファイア”が降り注ぎ、四方八方からは“ブラックアイスニードル”が放たれる。


「うわあああああ!!」


 必死に躱そうとするが威力も変身前と違い何倍にも濃縮されたかの様なマナを感じ、その場で耐えるが全て外しているにも関わらず、その衝撃だけで地盤は崩れて俺は地面に埋もれる。


「おやおや、この程度の力で終わってしまいましたかぁ?」


 ウルベノムは尻尾を使い地面を掘り返し、その頭蓋骨の様な部分で俺の脚を噛み地面から引き摺り上げられる。


「かはっ…………。」


「まだ生きてるみたいですねぇ、さぁて本当の地獄はこれからですよ。」


(なんつー化け物だよ……。)


 その時、岩石がウルベノムに直撃しその方向に視線を向けると満身創痍のバゼラードが立っていた。


「バ……ゼ……ラー……ド……。」


「はぁ……、来いよ……俺はまだ……戦えるぞ!!」


「ククク、良かったですねぇ休憩の時間が来ましたよ?」


「うぉあっ!!」


 バゼラードは再び邪気を纏った姿に変わり、ウルベノムと対峙するとウルベノムは尻尾で俺を岩肌へと投げ飛ばす。


(ど、どうする? 魔法は使えない、この力でも勝機を感じない、他に出来る事は……。)


 俺の脳裏には“封印の秘術”が浮かび、ウルベノムがバゼラードと戦っている間に不意を付いて封印する事を考える。


「良いでしょう、何処からでもどうぞ無駄ですが。」


「舐めるなあ!!」


 バゼラードが殴りかかるも少し身体をずらすだけでウルベノムは回避し、上空へと上昇していく。


「いい加減当ててみてはどうです? そうだ、当たって差し上げましょうかねぇ?」


「ふざけやがって! これでどうだ!! な、何っ!?」


 バゼラードの渾身の力でウルベノムの鳩尾の目玉に当たるが全く動じておらずバゼラードはウルベノムに捕まってしまう。


「次は私の番ですかねぇ、手加減してあげますから簡単に死なないでくださいねぇ?」


「ぐああああ!! ぐっ、があ!!」


 ウルベノムは黒い魔糸をバゼラードに引っ付け人差し指で弾き伸びた魔糸が縮む反動で戻って来るバゼラードを何度も指で弾き始めると纏っていた邪気が解け元の姿へと戻ってしまっていた。


(ここからならウルベノムには見えてない筈だな、マナを必要としないこの技で封印してやる! 封印の秘術!!)


 俺はウルベノムの視界から外れた場所まで移動し封印の秘術を発動すると両手から光が放たれ真っ直ぐウルベノムへと向かう。


「ククク、やはりそう来ますよねぇ。」


「!?」


「その手には乗りませんよ!!」


「しまった!!」


「ぐあっ、な、何だこれは!?」


 ウルベノムに放った封印の秘術にバゼラードを身代わりにされてしまう。


「残念でしたねぇ、これで私を封印する術も無くなりましたよ?」


(どうする、バゼラードを封印して直ぐに封印を解くか? いや、ウルベノムがそれを許すと思えない……なら一か八か賭けてみるか!)


「うおああああああああ!!」


 俺は封印の秘術の当たったバゼラードを自身にぶつける事で無理矢理にでも解除しようとしたがやろうとしていた事とは違う事が起きた。


「「ん、何が起きた?」」


「何が起きたか知らんが見た目が変わっただけですねぇ、コチラから仕掛けさせて……!?」


 ウルベノムは俺とバゼラードが合体した姿の者へと近付くが身体を仰け反らせ何が起きたのか分からずにいた。


「「おっと悪い、虫かと思って払い除けちまったぜ」」


「な、何もしてないでしょう!? それに貴様は何者です?」


「「フッ、そんなに知りたきゃ教えてやるよ……この俺が、敗北って奴をな!!」」


 バゼラードと合体し“バゼベルト”となった俺達はウルベノムへと指差し勝利宣言をした。

何時も読んでくださり有難う御座います。

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