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【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
151/166

第151話 ラクシーの最後

第二章は第26話からです。

第三章は第46話からです。

第四章は第66話からです。

第五章は第91話からです。

第六章は第113話からです。

最終章は第136話からです。


では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみ下さい。

ーメルダ、アスティオ、ラクシー視点ー


「これでどうだ! “風魔烈斬ふうまれつざん”!!」


「一瞬でバラバラしましたね、……ですが。」


「うん、分かってるよ。」


 アスティオは巨大化したラクシドールに向かい斬撃の竜巻を放つと中の部品が風で吹き飛ぶが、しばらくすると元の状態に戻ってしまう。


「チッ、やっぱ駄目か。」


「どうします? 逃げますか?」


「逃げたところで、どうなるってんだ? 悪いがオレは一人でも戦うぞ!」


(さっき、バラバラになった時に赤い宝石がみえた。)

「ねえ、アスティオ! さっきの技、もう一回使える?」


「あ? 使えるが何だ!?」


「ボクがアレを食い止める! だから、必ず倒して!!」


「ラクシー様、貴方まさか!」


「よく分かんねーけど、作戦があるなら早くやりな!」


 元に戻ったラクシドールはアスティオ達に手で振り払う動作で襲いかかり、それを高く飛び回避しながらアスティオは隙を覗う。


「ん、なんだ?」


 ラクシドールは頭半分が上下に別れると、その隙間からガコンとガトリングガンが伸び、回転すると魔力で出来た弾が乱射される。


「アスティオ様! お下がり下さい!!」


「危なっ!!」


「いたたたた!! 何だよあれ! これじゃ近付けないよ!!」


 魔弾が連射された瞬間にラクシーは巨大な壁と化し、メルダは後ろからアスティオに下がる様に促すとアスティオは魔弾を弾きながらラクシーの後ろへと隠れる。


「大丈夫ですか?」


「ああ、なんとかな……だがあれじゃ近付けねーな。」


「ラクシー様にマナを贈り強化はしてますが、長くは持ちそうにありませんね。」


「ふ、二人共! あいつまた何かしてきそうだよ!!」


「何!?」


 ラクシドールは次に両手が分離し中から更にガトリングガンがジャキンと伸び、胴体の部分も頭部同様に開くと時計周りに回転を始め、頭部は逆回転をしながら全てのガトリングガンから魔弾が乱射され、外れた両手は空中に浮くとラクシーの後ろに回り込み五本の指先に空いた穴から黄色い魔力のエネルギーを集中させる。


「おい、嘘だろ!?」


「ラクシー様!!」


「わ、分かってる!!」


 充填が完了した指先からレーザーが放たれるとメルダとアスティオを庇う様にラクシーは身体をドーム状にしラクシドールのメチャクチャな攻撃を耐え凌ぐ。


「うぐぐ、何のこれしき!」


「なあ、お前さっきラクシドールを倒せる様な事言ってたよな?」


「え、うん……。」


「このままじゃ埓が開かねーから、一回で決めろよ。」


「アスティオ様、あの猛攻に突っ込まれる気ですか?」


「多少喰らっても、殺らないと殺られるだけだ! 行くぞ!」


「分かった、ボクも覚悟を決めないとね。」


 アスティオはラクシーの中から飛び出すと軽やかなステップを踏み残像で分身を作り出し、ラクシドールの猛攻を回避しながら近付いて行く。


「メルダさん、ボクが合図したら今の状態を解くから躱す事だけに集中して。」


「分かりました。」


「ここだ! 風魔烈斬!!」


「今だよ!!」


 アスティオはラクシドールの近くまで行くと風魔烈斬を放ち再びバラバラにし、その間に分離した両手からレーザーを放たれるが分身を作り回避する。


 バラバラになったラクシドールの本体から飛び出た赤い宝石に向かいラクシーはメルダの様に魔糸を飛ばし繋げるとラクシドールとラクシーは動かなくなる。


「動きが止まった?」


「ええ、ですがラクシー様も反応がなくなりました。」


「いや、油断するな! こいつまだ動くぞ!!」


「ああ、良かった……成功した……みたいだ…………。」


 元の状態に戻ったラクシドールからは敵意を感じず、その声はラクシーのものになっていた。


「お前ラクシーか?」


「うん、そうだよ……今そっちの……ボクには……アルエッタの……魂が入ってる。」


「ラクシー様、貴方まさか……!」


「時間が無い……早く……こいつを……抑えている間に……トドメをさすんだ!」


「分かった、遠慮はしないぞ……。」


「最後に……メルダさん……アルエッタに………幸せを……教えてあげて……。」


「当然です、人間には戻せませんがそれくらいは出来ます。」


「じゃあな、“煉獄破斬”(れんごくはざん)!!」


 ラクシドールと入れ替わったラクシーをアスティオは灼熱の炎を両手の剣に纏わせ振り下ろすとラクシドールは炎の熱でドロドロに溶けていき黒い塊になると残った両手も錆て地面に落ち粉々に砕け散った。


「なあ、ラクシーの言っていた事は本当か?」


「はい、確かに幼い子の魂を人形から感じます。 おそらくは記憶は無くなっているでしょうが。」


「そうか、いつかまたその子に会えると良いな。」


「アスティオ様?」


 ラクシーの最後にアスティオは見えないが笑顔で逝くのを見ており、再びラクシーとアルエッタの再開を願うのであった。

何時も読んでくださり有難う御座います。

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