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【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
150/166

第150話 魔力暴走

第二章は第26話からです。

第三章は第46話からです。

第四章は第66話からです。

第五章は第91話からです。

第六章は第113話からです。

最終章は第136話からです。


では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみ下さい。

 寿命を犠牲にしたスラストの身体が宙に浮き始め、莫大な魔力が背中から放出されるのを見たジャミールは、その魔力量に絶句していた。


「うぅぅ………ぅぅぁあああ!!」


「な……、……何する気!? こ、こんな事が有り得ると言うの? …………ウルベノム様の魔力量のニ、いや三倍……まだ増えるって言うの? あ、有り得ない!」


「ぅぅぁあああああああああ!!」


 増量し続ける魔力量にジャミールは恐怖を覚え後退り、スラストの髪は異様に長くなり顔の傷や腫れは徐々に回復していき身体が巨大化し、その際に胸が大きく膨らみ腰はくびれ脚はスラッとした長く美しいものに変わっていくと暴走した魔力で頭に神々しい輪っかが出来る。


「な、何よ……何なのよ……。」


「はあ……………………待たせたね?」


「あ……、あぁ………………。」


「どうしたのかなさっきまでの威勢は? それとも今の僕の姿に見惚れてたのかい?」


(はっ!)

「今何て言った……? 見惚れる……? 誰が、ワタシがお前に見惚れたと言ったのか!?」


「違った? さっきから全然動かないからさ。」


「ち、調子に乗るなよたかがエルフの分際で!!」


 ジャミールはスラストの“見惚れた”と言う言葉に反応し額に青筋が何本もでき、最大限まで魔力を集中させた魔弾をスラスト目掛けて放つ。


「ふぅん…………。」


「アッハッハッハッ! 所詮エルフはエルフよ、巨大化した事で的が広がっただけだ! この魔弾で貫けない訳がない!!」


「避けるまでもないね。」


「強がりを言うな! 幾ら魔力量が大いと言っても全く効かない訳じゃないだろう?」


 魔弾がスラストに直撃すると大きく爆発し辺りを煙に覆い尽くされる。


「は、はは……何よ、やっぱり見掛け倒しじゃない! あれ程の魔弾を受けて無事なはずが」


「今、何かしたかい?」


「う、嘘でしょ!? ワタシの全力が全く効かないなんて……。」


 煙が晴れるとそこには無傷のスラストが動じずにいた。


「君は僕の同胞を苦しめた、だからせめてもの慈悲で苦しまずに終わらせてあげる。 僕は君と違って優しいからね。」


 スラストは巨大な弓と矢を出現させジャミールに向かい狙いを定める。


「じ、冗談じゃないわ……あんなの喰らったら一溜りも無いじゃない! さっきまでとの力の差が一瞬で変わるなんて有り得ない!! さっさとくたばりなさい!!」


「残念だけど、君にはもう勝ち目は無いよ。 サヨナラ、“超弩級砲矢・アルテミス”!!」


 連続で最大限まで魔力を高めた魔弾をスラストに何発も両手で交互に投げ飛ばし直撃させるが全く効いておらず弦を引く手をスラストが離すとその威力のせいか周囲の岩や地面が削られ宙に浮いていき、ジャミールは全ての魔力で受け止めようとする。


「こ、こんな……こんなもの………こんなぁ………ぎ、ぎゃああああああああ!!」


 しばらくはスラストの矢を受け止めていたジャミールだったが魔力量に押し負かされ一瞬にして光に飲み込まれて消滅していった。


「やっと、僕の手でジャミールを倒したんだ……。 うっ!?」

(流石に限界か……。)


 心臓の鼓動が大きくドクンと響くとスラストは地面に脚を付かせ元の姿に戻り倒れ込む。


「し、しばらく……動けそうに……ないや………。」


 その場で動けなくなったスラストはゆっくりと目を閉じ休息に入る。


ーアルベルト視点ー


(バゼラード、やっぱ生きてたのか……けどなんで俺を助けたんだ?)


「また一人、愚か者が増えましたか。 まあ良いでしょう、これで一対一でやり合えますからねぇ?」


 もう一体のウルベノムはバゼラードと対峙しており、完全に相手を見縊っている。


「フッ、今から面白いモノを見せてやるよ。」


「面白いモノ? フフフ……どうせ筋肉達磨の変身でも披露するのでしょう、魔族の事は随分と昔から知ってるのですがねぇ。」


「あんなパワーばかり上がるのと一緒にするな、貴様程度では勝つ事すら難しいだろうな。 見せてやるよ、この俺が見つけた魔族の更なる高みの変身をな! はああああっ!!」


 バゼラードが全身に力を入れると邪気を発生させ身に纏いうと紅い眼が黄色く変わり黒い髪は逆立ち紅く変色していく。


「「な、なんだ! この凄まじいエネルギーは!?」」


(前に戦った時の何倍も強くなってないか、アイツ!?)


「はああああっ!! くくく、待たせたな……丁度この姿で戦う相手を捜してたとこだったんだ。 一瞬で勝負かたが着いても恨むなよ?」


「ほう、それで? ただ、眼と髪の色が変わっただけではないですか……あまり私を舐めるなよ…………! ごはっ!?」


「今何か言ったか?」


 ウルベノムはバゼラードに殴りかかった瞬間、残像を残したバゼラードが思い切りウルベノムの腹部を殴っていた。


「ぐっ、調子に……乗るぐわああっ!!」


「遅えよ、もっと歯応えが有ると思ってたんだがな。」


 腹部に拳を埋めながらバゼラードの耳打ちに苛立つウルベノムは左手に魔力を集中するが、その瞬時にバゼラードは拳を開き魔弾を放つと地面に落ちた衝撃で魔弾がドーム状の爆発を起こす。


「チッ、奴を先に片付ける必要がありそうですねぇ。」


「おっと待ちな! お前の相手は俺だろ?」


「フン、雑魚が……そんなに死にたきゃ望み通り先に始末してやりますよ!!」


 もう一体のウルベノムがバゼラードに向かおうとするのを俺は咄嗟に尻尾を掴み阻止すると明らかに焦った様子で俺に魔弾を放ってくるが慌てているのか当たっても先程までとは威力が低く痛みを感じない。


「はは、どうやら焦って力が入らない様だな! このまま押し切らせてもらうぞ!!」


「舐めやがって、貴様程度が大魔王であるこの私に勝てるかあっ!!」


 ウルベノムが殴りかかって来るが払い除け、蹴り飛ばすと俺を見て驚愕した表情を浮かべる。


(なんだ、こいつは!? まさか、徐々に強くなっているのか!?)


「さ、続き始めようか!」

何時も読んでくださり有難う御座います。

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