第15話 ニアミス・ドレスティ
第14話にて、違和感のある描写になってしまっていた事について大変お詫び申し上げます。
今回の話で辻褄合わせをしてますので、引き続き楽しんでいただけたなら幸いです。
俺達は祠から出ると、その世界に圧巻される。
木々は枯れ果て、大地は乾燥し空は雨雲で覆われており稲光がなっていて不気味さを感じた。
「何だか、凄く嫌な感じのするところですね…。」
「ああ、そうだな……ところでロクサーヌ王国で疑問に思った事があるんだが良いか?」
俺はロクサーヌ王国で疑問に思った事をエリーシャに訪ねる。
「何でしょう、アルベルト様?」
「俺さ、姫様の演説の時寝てたよな?」
「寝てたな、僕もアレは非常識だと思った。」
そう、疑問に思っている事は俺が寝てた事を城の関係者いわば兵士が姫様を守るように配置されていたにも関わらず演説が終わってから注意も罰則も無かった事だ。
「あの状況でさ、何で俺……無礼者扱いされなかったんだ?」
「そうだな、僕も思ったよ! でも何か兵士の人達ヤケに脂汗掻いてたな。」
スラストには、兜を被った兵士の顔色が悪く汗を掻いてたのが分かったらしい。
「え、そうなんですか? 私には分かりませんでした。」
「何か、裏が有りそうね。」
そんな会話をしながら、進んで行くと先に通った人達が倒したのだろうか……あちこちに魔物の死体が転がっている。
(流石に簡単にやられるような人はいないか。)
しばらく進むと洞窟が見えてきた。
洞窟の上を見てみると廃墟のような城が目に入る。
「この洞窟を通らないと行けないみたいだな。」
「アルベルト様、何だか真っ暗ですよ?」
「それなら、私にお任せ下さい!」
そう言うとアネットはバッグを漁り始めた、しばらくするとバッグから先の方に白い布の巻かれた木の棒を取り出した。
「じゃーん、こんな事もあろうかと松明を持ってきたんです!!」
「これなら、暗い洞窟で魔物に不意打ちされにくくなるな。」
そんなやりとりをしていると洞窟から男達の悲鳴が聞こえてきた。
「「うわああああーーー!!」」
「な、何だ!?」
洞窟から、鎧が溶かされた様にドロドロになった男達が命からがら逃げてくる。
「あ、あんた等…魔王討伐は諦めた方が良い!」
「そうだよ、俺達は大金欲しさに参加しただけだからな! 命の方が大事だ!!」
そう言うと二人の参加者は、一目散に逃げて行った。
「アルベルト様……、どうします?」
「あの感じ、ただ事じゃ無かったたな。」
「俺は、洞窟に誰か取り残されてるかもしれないし先へ進むよ…アネット、松明頼めるか?」
「はい! 勿論です!!」
俺達は洞窟の中へと入って行くと先に入った人だろうか見るも無惨な死に方をしている者が目に入る。
「うぷっ!」
「アネット、大丈夫か? 無理もないな、少し休むか?」
「ううん、ありがとう……大丈夫。」
「今のところ、先に行った人達のおかげで魔物は少ないし休みましょうか……アルベルト様も少し疲れたでしょ?」
「そうだな、少し休もう。」
近くに腰を掛けるのに丁度良い岩を見つけ、アネットの持つ松明をスラストが代わりに持つ。
「はぁ…はぁ…、ふぅ……。」
「大分落ち着いてきたみたいだな。」
「アルベルトさん、ちょっと良い?」
「何だ?」
アネットは、改めて息を整え俺の目を見て語る。
「その…、エリーシャさんの屋敷での事…なんだけど……。」
「ん、何かあったか?」
「あれ、アルベルトさんは悪くないから………ごめんなさい、それだけ。」
「そうか、もう大丈夫そうだが立てるか?」
俺は落ち着きを取り戻したアネットに手を差しのべる、アネットも差しのべた手を迷う事なくつかみ立ち上がる。
「ごめん、もう大丈夫です皆さん!」
アネットは、元気になりスラストに持たせていた松明を再び手にする。
「さぁ、進みましょう!」
洞窟の奥へと進むと見覚えのある人物が植物の魔物と戦っている。
「全く、面倒な相手ダナ!!」
ニアミスだ、植物の魔物の仕業だろうかニアミスの衣服が溶かされたかのように肌が露出している。
「アルベルトさん、どうします?」
「……アネットは、どうしたい?」
明らかに分の悪いニアミスを助けるかどうかでアネットは悩んでいたが意を決したのか助ける選択しる。
「ここで助けなかったら、あの人達と同じになります。」
「助けるんだな、分かった!」
その間、ニアミスは石ころを拾いながら植物の魔物に投げつけるが、あまり威力がなく苦戦していた。
「チッ! どうしろってンダ! あの粘液に触れたら溶かされちまウシ……。」
植物の魔物からの攻撃を避け続けたニアミスだが、さすがに疲労が溜まっていたようで足を滑らせる。
「しまっタ!!」
その隙を見逃さなまいと魔物はニアミスに触手を伸ばす。
「これでも喰らえ!!」
ニアミスにトドメを刺される前に植物の魔物に対して魔弾を放つ。
「植物相手なら、これだなフレイムアロー!!」
即座にスラストが、植物に対して有効な矢を魔力で造りだし魔物を射貫く。
「あ、アンタ達! 何で!?」
スラストの矢が直撃すると魔物はピギイィと音をたてて燃え尽きる。
「別に私は、貴方達の事を許したわけじゃありませんから!」
アネットは、そう言いながら再びスラストに松明を持たせバッグを漁ると中から服を取り出しニアミスに放り投げた。
「そんな格好で、うろつかれると迷惑だから…それでも着てなさい!!」
「わ、分かっタ……。」
ヤケにニアミスは、元気が無いように俺には感じた。
「なあ、ニアミス……お前何かあったのか? 他の奴等が見当たらないが?」
サイズがあわないのか服はヘソ出しルックになってしまっているニアミスは上手く俺と目を合わせようとしない。
「その…、何だ……助けてくれてありがトウ……それから、アルベルト…アネット…すまなカッタ……。」
「ふーん、一応謝れるんですね……でも、自分のした事が無くなるわけじゃありませんからね?」
どうやらアネットはニアミスを完全に許すことは出来ないようだ、それもそのはずアネットは龍の顎に命を脅かされた事があるから当然の反応だ。
「それで、ニアミスは何してるんだ? 王国指名勇者の責務は、どうした?」
「アタシとケニーは、龍の顎を辞めたよ…。」
ニアミスの言葉をいまいち理解出来なかった俺は、龍の顎が今どうなっているのか聞くことになる。
次回は魔王城の話になりますが、どう話を展開させますかね。




