第131話 ギーン
第二章は第26話からです。
第三章は第46話からです。
第四章は第66話からです。
第五章は第91話からです。
第六章は第113話からです。
では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみ下さい。
アクナヴィーテと対峙する俺は消えた皆の場所は把握しており、イザベラとラクシーをそれぞれ仲間の方へと向かわせる為、一人でアクナヴィーテとの戦闘に挑む。
「イザベラは東のエリーシャ達の所に加勢しに行ってくれ、ラクシーは西のアスティオ達の方を頼む。」
「お主、まさか一人で奴と戦うつもりか?」
「ああ、俺はどうしてもアイツが許せない!」
「しかし妾の見立てでは……いやよそう、死ぬでないぞ?」
そう言うとイザベラは宙に浮きエリーシャ達の気配のする方へと飛んでいった。
「アルベルト、そいつはアルエッタの魂を使って何か良くない事をしようとしているはずだよ! 必ず、魂の場所を突き止めて!!」
「ああ、分かってるアスティオ達を頼む!」
ラクシーは、そう言い残すとアスティオ達の気配のする方へと飛んで行く。
「おやおや、随分ナメられたものですねぇ折角3対1のハンデを差し上げてあげたというのに。」
「必要ねーよ、お前なんか俺一人で十分だ!」
その頃、東側のエリーシャ達はアクナヴィーテの左右に居た一人の竜人族と対峙していた。
「さぁて、オレの方は誰が最初に相手してくれるんだ?」
「エリーシャ様、お下がりください。 ここは私が。」
「メイドさんか、悪くないオレの名はギーン可愛がってやろう。」
「いや、ここはアタシが先手を撃たせてもらウヨ!」
エリーシャを庇い、後ろに下げたメルダの前にニアミスがギーンに対して構える。
ギーンは呆れた顔で自分の金髪を指先でクルクルとイジリながらエリーシャ達の身体を舐め回す様に見ていた。
(あー、良いねこの娘達スタイル良いし皆オレの物にしたいねー。)
「ねえ、さっきから私達の事嫌らしい目で見てませんか? この人。」
「本当ね、なんか気持ち悪いわね。」
「んな事はどうでも良い、邪魔するなら倒せば良いだけダロ? ふんっ!!」
「弱いね、君。」
「なっ!?」
嫌らしい目付きのギーンにニアミスは飛びかかり顔面を拳で殴ろうとするが片手で受け止められ、もう片方の手で胸を揉まれる。
「なるほど、Dに近いCと言ったところか。」
「「「「へ、変態だああああ!!」」」」
「こんの!」
「おっと。」
「しまっ……!?」
ギーンの迷いの無い動きを見たエリーシャ、メルダ、アネット、レニーはマジモンの変態を見て叫び、ニアミスは手を振り払い回し蹴りを繰り出すも脚を掴まれ、その状態のまま今度は尻を触られる。
「これは中々に引き締まった美尻だ! 触り心地も悪くない!! おろ?」
「ニアミス様から離れなさい、変態が!!」
「悪い助かッタ!」
メルダはニアミスにセクハラをするギーンに魔糸を使い上空へと上げ地面に叩き付ける。
「んー、オレはマゾじゃないんだけどなー。 でも君はエスっ気が強いね嫌いじゃないよ? そう言うの。」
「まるでダメージを受けていませんね。」
「ねえ、アンタ達さ……思ったんだけどコイツ倒さなくても良いんじゃない?」
「それはどう言う意味でしょう?」
「倒せないなら閉じ込めておけば良いって事よ、こんかふうにね!」
ギーンを観察していたレニーは今のメンバーでは倒す事が出来無いと悟り、バリアでギーンを閉じ込め自由を奪う。
「これは!?」
「凄いわ! これなら、メルダ達があの変態にセクハラされなくて済む!!」
「くっ、考えたな……だがオレのセクハラを甘く見てもらっちゃ困るぜ?」
「あの人、この期に及んでまだセクハラする気みたいですよ!?」
変態の発言に呆れるアネットだが、ギーンの瞳が不気味に光り妙な違和感が全身を襲う。
「今のは、何なんですかね?」
「どうしたのよ、私のバリアがあるからもうセクハラはできない筈よ?」
「くく、バカめ! オレには透視能力が有るんだよ、君達の服の下など丸見えだぜ!」
「え、て事はコイツ私達の裸見てるの!? 気持ち悪っ!!」
「誤解しないでもらいたいね、オレは下着を見ているだけさ! 当ててやろうか? そこの眼鏡っ娘は水色と白の縞パンを穿いているな。」
アネットはギーンに穿いている下着を当てられ、あまりの気持ち悪さにゾッとし後退る。
「ホント気持ち悪い奴ね、死ねば良いのに……。」
「他の女の下着も当ててやろう、次はそこの巨乳ちゃんだ!」
「な、何……?」
「いくらなんでも純白は狙い過ぎじゃねーのか?」
「はわ、はわわわわ!?」
「エリーシャ様! よくもエリーシャ様を辱めてくれましたね!! レニー様バリアを解いてください、アイツをブチ転がします!!」
「気持ちは分かるけど落ち着きなさい! 折角動きを封じたのに解除できる訳ないでしょ!!」
次にギーンは純白のパンツを言い当てエリーシャは真っ赤な顔で後退り、メルダはエリーシャが辱めを受けた事に怒り心頭になりレニーにバリアの解除を促すが却下される。
「ははは、どうよオレのセクハラ術は? 最高だろ、次はメイドさんにするかな!」
「くっ……。」
「ぶほあっ……!?」
「ど、どうされたのでしょう? いきなり鼻血吹き出してふらつきましたよ?」
(な、な、な、なんという事だ……こんな、あり得ない!?)
メルダの下着を見たギーンは、この世の物とも思えない物を見た様に動揺すると鼻血を吹き出し手で鼻を押さえている。
(バカな、メイドさんの下着……ガーターベルトではないか! しかも黒だと、あの童貞を瞬殺してきた伝説の下着を穿いているとは……竜人族のオレでなきゃ即死だった!)
「何か、長考してるケド……アイツ何を見たんだ?」
「そんな事はどうでも良いでしょ、それよりもこの女の敵をどう料理するか考えないと。」
「そうだっタナ、アタシの身体を弄んだンダ。 それなりの制裁は加えないトナ!」
ニアミス達はバリアに閉じ込めた女の敵にどう制裁を加えるかを話し合い、試行錯誤する事になった。
何時も読んでくださり有難う御座います。
次回も不定期投稿になります。




