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【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
129/166

第129話 明晰夢

第二章は第26話からです。

第三章は第46話からです。

第四章は第66話からです。

第五章は第91話からです。

第六章は第113話からです。


では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみ下さい。

 俺は疲れが溜まっているのかマッサージチェアに座り眠ってしまっていたが、誰かが肩を揺さぶり目を開ける。


「アルベルト様、アルベルト様! こんなところで寝ると風邪引くわよ?」


「ちょっ! アンタ何起こしてんのよ!?」


「…………?」

(何だ、エリーシャもだけど他の皆も変な格好してる様な……夢だな。)


 どうやら変な夢を観てしまっている様だ、やけに身体が重く現実味のある夢で俺はエリーシャに肩を貸してもらい立ち上がると肌の触れる感触がリアルで話には聴いていた明晰夢だと考える。


「そこで寝かせておっても良かったんじゃがのぅ。」


「駄目よ、ちゃんとお布団で寝ないと!」


「はぁ、私も着いてくわ。 アンタどさくさに紛れてアルベルトに何するか分からないし。」


「何よ! 私はただアルベルト様と同じお布団で寝ようとしてるだけじゃない!」


「やっぱ変な事しようとしてんじゃないのよ! アンタを見張らないといけないし私も同じ部屋で寝かせてもらうわ!」


 明晰夢でも、変わらずエリーシャとレニーは喧嘩をし煩く客室に入れられると俺はベッドに寝かされる。


「じゃあ電気消すけど、アルベルト様に変な事しないでよ?」


「する訳ないでしょ、アンタじゃあるまいし。」


「むぅ〜。」


 俺を挟み左側にエリーシャ、右側にレニーが添い寝をしている状態になっており二人の胸が押し付けられているのが分かる。


(こんな夢見るなんて欲求不満なのかな、俺……。)


 今見ている夢がリアル過ぎて現実ではないのかと疑ってしまうが、エリーシャのほぼ裸に近い格好を見るとこんなのを着るはずがなく夢だろうと確信する。


(う〜ん、やっと大人しくなったか現実でもこのくらいなら良かったんだけどなっ!?)

「むぐっ!?」


「うぇへへ〜、アルベルト様〜♡」


(何だ!? 息が出来ねえ!!)


「あっ!」


 急に引っ張られたかと思うと何か柔らかい物に顔が挟まり息苦しくなり、しばらくすると今度は反対側へと引っ張られる。


「ちょっと何するのよ! アルベルト様を返して!!」


「イヤよ、やっぱりアンタ変な事してるじゃない! 部屋から出て行けば?」


「何よ!」


「何やる気?」


(夢の中でも喧嘩するなよ……。)


 エリーシャとレニーはベッドに膝を付いた形で互いの頬を引っ張り合い、わーぎゃーと騒ぎ喧嘩をし俺は薄目を開け見ているとエリーシャの着ていた服?の様な物が解かれ素っ裸になってしまっているのを見てしまった。


「きゃあ!!」


「あわわわ、アンタ早くそれ戻しなさいよ!」


「わ、分かってるけどこれどうやって着たんだっけ?」


「知らないわよ! アルベルトが起きる前に部屋から出るわよ!」


「そ、そうね!」


「ところでアンタ、アルベルトと混浴したがってたのに裸見られるのは恥ずかしいわけ?」


「当たり前でしょ! バスタオル巻くつもりだたし。」


 エリーシャは布団を身体に巻きレニーと共に部屋から出て行くとガチャとドアの鍵が閉まる音がした。


(こんな明晰夢なら二度と見たくねぇ……。)


 翌朝、俺はベッドで目を覚ますと近くに何かリボンの様な物が残っておりイザベラからの嫌がらせではないかと考える。


「成程な、昨日の悪夢もあの人か。」


 俺は部屋から出ると屋敷のメイドから防寒着を手渡され、それに着替えると大広間へと案内される。


「あ、おはようアルベルト様!」


「ああ、皆おはよう。」


「では食事にするかの。」


「お、これカップラーメンか! 美味いんだよなコレ!」


 皆の席にはロブスターやら、フカヒレなどの高級食材を使用した豪勢な料理が並んでいるが、俺の席にだけは安くで買えるインスタントラーメンがぽつんと置かれていた。


「失礼致します、お湯を注ぎますね。」


「あの、イザベラさん何故アルベルト様だけカップラーメン?」


「別に俺は構わないぞ、昨日の奴よりはだいぶ好物だしな! ところで、勇気について聴きたい事があるんだが。」


「何かな?」


 俺はイザベラに勇気で何が出来るのかカップラーメンを三分間待っている間に質問する。


「勇気ってのは何が出来るんだ?」


「妾にも分からん……。」


「えぇ………。」


「というのは冗談じゃ、まあ簡単に言うと想いが強い分だけ強くなるぞい。」


「そうなのか、そんな気はしていたが。」


 会話をしているとあっというまに三分が経ち、俺はフォークでラーメンを食べる。


「シーフード味も結構美味いな!」


「イザベラ様! 失礼致します、パラディオーネ王様からの書簡が届いてます!!」


「む? 何用かの。」


 屋敷のメイドが物々しい表情でイザベラへ書簡を渡し、イザベラが書簡に目を通すと真剣な顔立ちになる。


「どうかしたのか?」


「うーむ、竜人族が妖しげな動きがある……か。」


 イザベラの屋敷に書簡が届く少し前、パラディオーネ城にて慌ただしく兵士が国王へと書簡を持ち読み上げていた。


「どうしたね、何があった?」


「国王陛下! 竜人族の郷より書簡が届いております!!」


「竜人族の郷から? 読み上げよ!」


「はっ! 現王女ウルディ様より、一部の竜人族による暴動にて竜人族に伝わる秘宝が盗まれ万が一を考慮し避難されたし! との事です!!」


「その様な事が、あい分かった! 国民へと避難勧告を急げ!」


「了解しました!!」


 兵士は他の兵士にも報告し、国民全員に避難勧告をしに行くところをシェスカ姫達とすれ違う。


「何だ、慌てて何かあったのか?」


「コチラに見向きもしないで走って行きましたわね。」


「おい、何があった?」


 メービルが兵士に訪ねると何やら竜人族の郷から秘宝が盗まれ、危険な状態であると説明される。


 そして、イザベラの屋敷では書簡に書かれている名前にイザベラは冷や汗を流し有り得ないと叫んでいた。


「馬鹿な!? 有り得ぬ!!」


「どうかしたのか?」


「アクナヴィーテが生きておるじゃと!?」

何時も読んでくださり有難う御座います。

次回も不定期投稿になります。

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