第125話 邪聖剣グラムセイバー
第二章は第26話からです。
第三章は第46話からです。
第四章は第66話からです。
第五章は第91話からです。
第六章は第113話からです。
では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみ下さい。
アルベルト達とは別にアスティオ、シェスカ姫、ドメストはパラディオーネ城へと赴いていた。
「アスティオ王子!? それにシェスカ姫様まで、パラディオーネ王国へどの様なご用件で御座いますでしょうか!!」
「取り敢えず落ち着いてくれ、オレもパラディオーネ王へのアポ無しで訪れて失礼な事をしている自覚はある。」
「そうですわね、ワタクシも同じですわ。」
「で、では直ぐにでも国王陛下との謁見を取り付けますので暫しお待ちを!」
そう言うと兵士は国王へとヴァレンス王国の王子とロクサーヌ王国の姫が来ている事を報告しに向かった。
「アスティオ王子、シェスカ姫、私は邪魔にならぬ様此処で待たせてもらおう。」
「ああ、そうしてくれ疲れもあるだろうから休憩室で休ませてもらえば良い。」
「では、しばらく休ませてもらおう。」
「お待たせしました! 直ぐにでも面会したいと申し出ているので、どうぞこちらへ!」
「では、ドメストさんワタクシ達は行きますわね。」
アスティオとシェスカ姫はドメストに一例し、兵士に連れられパラディオーネ王国の謁見の間へと招待された。
「国王陛下、お連れしました!」
「うむ、下がって良いぞ。」
「はっ!」
兵士はパラディオーネ王の一言に一例し、後ろへとさがる。
「久しいわね、アスティオ王子にシェスカ姫。 何年ぶりかしら?」
「女王様、久方ぶりです。」
「ワタクシも昔、数回お会いしましたけど何年ぐらい前かは忘れましたわ。」
「ふふ、お二人共元気そうで何よりです。」
「母上、父上から二人に話しがあるのでは?」
「あら、そうねメービルの言う通りね。」
パラディオーネ王国の女王様が長々と世間話に入ろうとした為か近くに居たパラディオーネ王国の王子メービルに止められる。
「メービルも久しいな。」
「久しいですわね。」
「ああ、久しいな……俺と話すのは後にして先ずは父上の話しを聴いてくれ。」
「コホン、では本題から入ってもらえるかの? アポも無しに来たからには、それなりに理由があるのであろう。」
パラディオーネ王は咳払いをすると真剣な眼差しでアスティオ王子と目を合わせた。 アスティオ王子は今までのヴァレンス王国で起きた出来事を事細かく詳細を伝えた。
「なんと! その様な事が、ここ最近になってヴァレンス王国の情報が無かったのはその為か!」
「はい、なので二度とこの様な事が起こらぬ様パラディオーネ王国の様に民主国家へとしたくお力添えを求めに来ました。」
「良かろう、ワシの国での民主主義のやり方を見ていくが良い、とはいえ国民の求める声を聴いて周っておるのは国の町長じゃがな。 後で話しをつけておこう。」
「有難う御座います。」
「して、シェスカ姫は何用かの?」
「え!? えーと、ワタクシはとくに……。」
特段パラディオーネ王に何か用件が有る訳でもないシェスカ姫は急に話を振られて焦りを見せる。
「あらあら、何も用件が無いみたいね……どうしましょう。」
「うーむ、ワシとしても何かしら用件が有るものと考えておったからのお。」
「父上、母上、シェスカ姫には我が国に残るアレを進呈されては如何でしょうか?」
「む、アレとは?」
「“邪聖剣グラムセイバー”かつて大魔王ウルベノムとの戦いに“剣姫マーベル”が使われた聖剣の事です。」
「おう、アレか! すっかり忘れておったわい! メービル、直ぐに用意しなさい。」
「了解しました!」
メービルは後方にある扉に入り、邪聖剣グラムセイバーを取りに行き数分後、紺色の剣を両手に抱えシェスカ姫の前に差し出した。
「これを。」
「えっ!? 良いのですか!? ワタクシにこんな大層な物を!!」
「構わぬ、我が国にあっても宝の持ち腐れじゃからの。 それにシェスカ姫は昔から剣姫に憧れておったじゃろう? シェスカ姫ならば、剣姫マーベル同様に闇の力を撥ね退ける事が出来よう。」
「邪聖剣グラムセイバー……、そう言う事でしたら有り難く頂戴いたしますわね。」
シェスカ姫は邪聖剣グラムセイバーを授かり、高鳴る気持ちを押さえつつ背中に携える。
「あらあら、様になっているわね。」
「そうじゃな、二人共長旅で疲れたじゃろう。 客間で済まぬが泊まって行くが良い。 メービル、後の事は任せたぞ?」
「はい父上! 着いて来ると良い客間の場所まで案内しよう。」
シェスカ姫達はメービル王子に連れられ、客間へと到着し、部屋に入るとドメストがスクワットをしていた。
「9997,9998,9999,10000っと!!」
「ど、ドメスト?」
「はぁはぁ、アスティオ王子にシェスカ姫……それにメービル王子も!? 申し訳ありません、筋トレに熱中していて気づかなくて本当に申し訳ない。」
「いや、それは良いんだが何で休憩してないんだ?」
「イシュタッド王国のドメストか、脳筋だと聴いていたが今ので完全に理解したよ。」
「ドメストさん、凄い汗だくですわよ? それでは休息にならないのでは?」
「ご心配なく、今日のメニューはこなしましたので私はこれからひとっ風呂浴びて来ます。」
全身から吹き出たであろう汗で身体中がテカっているドメストはタンクトップ姿で風呂場へと向かって行った。
「なんか、凄いのを見た気がするな。」
「オレもイシュタッド王国の兵士が異常なまでに筋肉質なのかアレ見て納得したよ。」
「そうですわね、ワタクシもドメストさんを見習ってもっと力を付けませんといけませんわね。」
その言葉にアスティオとメービルが反応し、全身ムキムキなシェスカ姫を想像し思った以上の怪物になる事を示唆し止める。
「「いや、シェスカ姫は今のままで十分だよ!」」
「でも、ワタクシもあんな風に。」
「「ならなくて良いから!!」」
こうして、シェスカ姫達はパラディオーネ城へと泊まる事になった。
何時も読んでくださり有難う御座います。
次回も不定期投稿になります。




