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【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
124/166

第124話 英雄の本気(後編)

第二章は第26話からです。

第三章は第46話からです。

第四章は第66話からです。

第五章は第91話からです。

第六章は第113話からです。


では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみ下さい。

 ルーズベルトは無数に魔力の玉を分裂させ、俺の四方八方へと展開させると一斉にレーザーを放出させる。


「まだ抗うか諦めるかは、お前が決めろ。」


「諦める訳無いだろ!!」


 俺はレーザーが発射されたタイミングでルーズベルトへ接近し、再びナイフでの弾き合いになる。


「これならどうだ!」


 先程のルーズベルトと同様に俺はナイフだけの攻撃だけでなく蹴りをいれながら足先から魔弾を放ち当てようとするが、見抜かれているのかルーズベルトは後退しながらマナドレインで魔弾を吸収する。


「幾ら俺の真似事をした所で意味は無いぞ?」


「マナドレイ……、うわああああっ

!?」


 そう言うとルーズベルトは、ナイフを上空へと投げ俺に掌を向け魔弾を放つのを確認し俺も放たれた魔弾をマナドレインで吸収しようとしたが魔弾が手に触れる前に爆発し、その爆風で吹き飛ばされてしまう。


「マナドレインは魔力が触れなければ吸収出来ない事ぐらい予想はつくはずなのだがな。」


「ぐっ、まだだ!」

(まだ、他にも使える魔法はあるはずだ!)


 爆風で吹き飛ばされが俺は直ぐに立ち上がり、ルーズベルトへと向かおうとするが真横の魔弾からレーザーが放出される。


「!?」

(躱せない! マナドレイン、いや吸収出来る許容量を超えてる! 一か八か!!)


「パニッシュ!! ぐっ、くっ……はあっ!!」


 俺は放たれたレーザーが吸収出来ない程の魔力を感じると両手を翳しパニッシュを唱え無理矢理軌道を変え難を逃れる。


「ほぅ……、だが一時凌ぎに過ぎんな。」


「はぁ……はぁ……、うわっ! 危ねえっ!!」


 レーザーの軌道を変えたのは良いが、軌道上に何時の間にか魔弾が回転しながら宙を舞っており、レーザーは回転する魔弾に当たると軌道を変え、よく周りを見ると同じ様に回転する魔弾があちこちに鎮座していた。


「これなら!」

(魔弾を放って勢いを殺すしかない!!)


 俺は宙に浮く回転する魔弾により軌道を変えながら襲って来るレーザーへ魔弾を放ち相殺しようと試みるが、レーザーそのものにもマナドレインの魔法が掛かっているのかレーザーが太くなり躱しづらくなってしまった。


「冗談だろ!? こうなったら、マナドレイン!!」


「そう上手くいくかな? 敵はその隙を見逃さんぞ!!」


「!?」


 マナドレインで太くなったレーザーを両手で受け止めながら魔力を吸収するが、その隙を見逃すまいとルーズベルトは手にしたナイフで俺に斬りかかろうとする。


「そこだ! パニッシュ!!」


「…………。」


 俺はマナドレインで受け止めていたレーザーをルーズベルトが接近するのを予測し、パニッシュを唱えレーザーを利用し軌道をルーズベルトへと変えて攻撃する。


「はぁはぁ……、やったか……。」


「考えが甘い、お前はどうやら魔法に頼らなければ俺には勝てないと思っているのか?」


「なっ!?」


 ルーズベルトは掌を向けレーザーをマナドレインで完全に吸収していた。 それだけではなく、今まで激しい動きを繰り返しているにも関わらず全く息を切らしてすらいなかった。


「魔法にばかり頼れば痛い目を見る事を教えてやろう。」


「うっ! 何だ、今の!?」


 突如ルーズベルトの眼が怪しく光り、何か身体に違和感を覚える。


「これで、お前は魔法を使えなくなった。 さあ、どうする?」


「えっ? な、本当に魔弾が放てない!?」


 俺はルーズベルトの言葉で魔弾を放とうとするも放てず、魔法が使えなくなった事を実感する。


「大半の魔法使いの弱点さ、魔法にばかり頼れば肉体的な強さは無いものに等しくなる。 せめて、最後くらいは全力で潰させてもらう。 でないと、お前も納得出来ないだろ?」


 そう言うとルーズベルトは手にしたナイフを収め、今度は左肩から魔力で腕を形作り二つの小石を両手に持つとカチンと音を鳴らした瞬間、ルーズベルトの両手に炎が纏われる。


火炎遊戯かえんゆうぎ!!」


(もう少し、もう少しなんだ! この感覚さえ掴めれば!)


 ルーズベルトは小石をしまい再びナイフを右手に持ち、出現させた魔力の左腕を突き出すと炎が俺目掛けて真っ直ぐ飛んで来た。


「うわっ!」

(この感覚、来る!!)


 俺は炎で見えなくなった位置からルーズベルトの魔弾からレーザーが放出される感覚を肌で感じルーズベルトへと接近する。


「うおおおおおおおおっ!!」


「来るか。」


 その感覚に狂いは無く、俺が走り出すと炎の視覚となっている箇所からレーザーが飛んで来た。


(今なら分かる! 何処から攻撃が来るのか、相手がどう反応するのか!!)


「覚醒したか、良いだろう付きやってやろう!」


 ルーズベルトは左腕の炎で魔弾を隠しながら後退し、俺のナイフを捌いていく。 そして、視覚となっている箇所から俺を追いかける様にして横に一線に炎を貫通しレーザーが次々と放たれ、放たれた方向には魔力を吸収する為か魔弾が設置されていた。


(この土壇場で俺の動きに付いて来るか。)


「でえやああああっ!!」


 俺はルーズベルトの一瞬の隙を付き、ナイフを弾き飛ばし横薙ぎにナイフを振ると、ようやくルーズベルトに一撃を与える事が出来た。


「はぁ……はぁ……。」


 一撃を与える事でルーズベルトからは炎の腕と無数の魔弾が消え一人語り始める。


「フッ、人と言うのは成長するものだな。 俺の役目もこれで終わりか。」


「勝った……のか……?」


「良いだろう、未来はお前に託そう。 だが、その感覚忘れるなよ? 魔法は万能ではない、最も力になるのは魔力の量よりもその魔力をどう使うかの知恵の方が大切なのだ。」


「今回の事で良く分かった、俺はどうやら魔力が使えなくなった時にどうすれば良いか一瞬分からなくなった。 けど、貴方と戦えて俺は誇りに思う。」


「フッ、なら俺の魂と記憶……未来を託す!」


 ルーズベルトは青白い魂の球体になると俺の中へと入り、その英雄の記憶を俺は全て受け継いだ。

何時も読んでくださり有難う御座います。

今回は早めに後編を書きました。

次回も不定期投稿になります。

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