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【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
123/166

第123話 英雄の本気(前編)

第二章は第26話からです。

第三章は第46話からです。

第四章は第66話からです。

第五章は第91話からです。

第六章は第113話からです。


では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみ下さい。

 イザベラの屋敷の大広間にて、エリーシャ達は心配していた。


「アルベルト様……大丈夫よね。」


(マズイの、これでは妾が悪者ではないか。)

「仕方ないの、様子を見てみるかえ?」


「え? そんな事出来るの!?」


 イザベラは渋々ながらに水晶玉を取り出すと机に置き、預言書とリンクさせるとアルベルトとルーズベルトが対峙している様子が映し出される。


「アルベルト様! 勇気纏ってる?」


 ー預言書の中ー


「受け取れ。」


 ルーズベルトはナイフを取り出すと俺に投げ渡し、自身も同じ形のナイフを取り出す。


「これは?」

(何だ? 妙にしっくり来る。)


「行くぞ。」


 そう言うとルーズベルトは一瞬にして間合いを詰めナイフを横薙ぎに振るが俺は咄嗟に身体が反応し手にしたナイフで防いでいた。


「フッ……、どうやら魂に染み付いた記録までは消えては無い様で安心した。」


「え?」


「だが、甘い!!」


 一瞬ルーズベルトは笑ったと思えば直ぐに険しい表情に変わり尋常じゃないナイフ裁きで攻撃してくるが、俺も勇気を纏ってるからかその速さにギリギリ対応出来てはいるが繰り出される一撃が重く互いのナイフから火花が散る。


「くっ!」

(速い、それに重い!!)


「どうした、防いでばかりでは俺には勝てんぞ? ふんっ!」


「うあっ! くっ!!」


 俺はルーズベルトの一瞬の隙を付いて攻撃をするが見抜かれていたのかルーズベルトが横薙ぎに振ったナイフで弾かれバランスを崩しかけた所にルーズベルトは回し蹴りを放ってきた。


「そこだ!!」


「せやっ! 態と見せた隙に騙されたな?」


「よし、躱せ……。」


「甘いと言ってるだろう。」


 回し蹴りを回避する為に後方へと飛び退き回し蹴りは躱す事ができたが、俺の考えている事を先読みでもしているのか足先から魔弾を放たれ、後方へと飛ばされるが俺はマナドレインで放たれた魔弾を吸収し直ぐにナイフを構えルーズベルトへと接近しようとした瞬間、ルーズベルトが掌を俺に向け巨大な魔弾を放っていた。


「うわっ!」

(危なかった、けど今ならいける!!)


 ルーズベルトの上空には投げたのかナイフが宙を舞っており、俺は魔弾を躱し真っ直ぐに接近するが自身の後方から魔力わ感じ左側へと咄嗟に飛ぶとルーズベルトへと向かって先程の魔弾が魔力のレーザーを放っていた。


(何だ今の!? 避けてなかったら確実に当たってた。)


「マナドレイン。」


(マナドレイン!? まさか、自分で放った魔弾を利用して魔力の温存まで考えて戦ってるのか!?)


 自身の放った魔弾から放出されるレーザーをマナドレインで吸収するとルーズベルトは魔弾を残したまま落ちて来たナイフを手に取ると再び俺と接近戦を始める。


「残念だ、想定以上に弱すぎる。」


「くっ、うあっ!!」

(流石に英雄と呼ばれるだけの事はある! 思っていた何倍も強い!!)


「俺の生きた時代の魔物は、こんなもんじゃねえぞ!!」


「あぐっ! はぁ……はぁ……。」

(他に何か手はないのか……英雄と戦える機会なんてそうない……このまま終わりたくない!!)


 ルーズベルトは攻撃の手を休め、俺を残念そうな瞳で心底呆れた表情を浮かべていた。


「せめて一撃だけでも俺に一矢報いる事が出来たなら未来を託そうと思ったが、この体たらくとはな。」


(ここまでか、けど何だ? この妙な感覚は?)


 俺は先程、ルーズベルトの魔弾から放たれたレーザーを躱した時に異様な感覚を覚えていた。


「諦めたか……それとも何か策でもあるのか?」


「すぅ……ふぅ……、諦めてはいない俺はこの感覚を信じる。」


 ルーズベルトの宙に浮いたままの魔弾が無数に分裂し、膨大な魔力を感じさせる。


(俺は今まで、一対一の勝負ばかりしてきた……けど今回は四方八方から攻撃が来るのは分かった。 もしこの感覚が俺の考えている通りなら、きっと勝機は来る!)


 ー大広間ー


 時間はイザベラが水晶玉で預言書の中を見える様にした時まで遡る。


「この片腕が無いのがルーズベルトじゃよ、若造に似ておるじゃろ?」


「アルベルト様、きっと勝てるわよね?」


「ん? 何か、アルベルトにナイフ渡しタゾ?」


「アルベルトって、ナイフなんて使ってた?」


「いや、アタシが前のパーティーに居た時は全然戦えなかったかラナ。」


「皆、アルベルトの戦いが始まったよ!」


 周囲の皆はアルベルトとルーズベルトの戦いが始まると一斉に水晶玉へと近付いた。 その戦いの様子から、アルベルトが防戦一方なのが分かる。


「アルベルトさん、勇気纏ってすが相手の方全く動じてませんね。」


「ねぇ、アルこれ勝てるの?」


「まあ妾から言える事は、控えめに言って勝てないじゃろな。」


「勝てるわよ!!」


 口々にルーズベルトとの力の差を見せ付けられ、皆アルベルトが負ける事を予測するがエリーシャだけはアルベルトの勝利を半泣きながらに叫んだ。


「何で皆アルベルト様が負けると思うの! だって、負けちゃったらアルベルト様の存在が消えるのよ! 私は絶対に嫌よ、別に強くなくても優しいアルベルト様が私は好きなのに! 別人になるかもしれないんだよ!!」


「「「「「「…………。」」」」」」


 エリーシャの必死な叫びに皆押し黙り、場が静まり返る。


「それに私には分かるわ、アルベルト様は諦めなんてしていない! あの眼を見れば誰にでも分かるはずよ!!」


「ふうむ、何だか場の空気が重いのう。 ま、妾も若造を最後まで見届けようかの。」


 そうアルベルトは諦めてはいない、エリーシャの言う様に最後まで戦い抜く意思を持ちルーズベルトの攻撃を先の先まで読み切り、一撃でも当てる事を考えていた。

何時も読んでくださり有難う御座います。

今回は少し短めになっております。

次回も不定期の投稿になります。

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