第120話 カジノ(追放側視点)
第二章は第26話からです。
第三章は第46話からです。
第四章は第66話からです。
第五章は第91話からです。
第六章は第113話からです。
では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみ下さい。
アルベルト達がパラディオーネ王国へ入る少し前、クレメンスは唇に違和感を感じ、鏡を見て唇が晴れタラコ唇になっている事に驚く。
「はんじゃーほりゃああああ!?」
(何じゃーこりゃああああ!?)
「ひっへぇ、ヒリヒリひゅる。」
(痛ってぇ、ヒリヒリする。)
クレメンスは腫れた唇をあまり触らない様にし、気分転換の為にカジノへと向う事にした。
「ふぇっふはうほへ。」
(チェックアウトで。)
「ぶふっ、はい……チェックアウトですね。 くくっ、鍵をお返しください。」
(感じ悪い宿屋だな、二度と泊まるかこんなトコ!!)
苛立ちながらもクレメンスはチェックアウトを済ませ、宿屋の外に出て体を伸ばし欠伸をする。
「ふぁ〜はふいは……ひほうはふぁいはふはっふぁふん、ひょうははんはふぁふいふぇるふぁほひふぇへーふぁ。 ん?」
(ふぁ〜寒いな……昨日が最悪だった分、今日は何だか付いてるかも知れねーな。 ん?)
不意にクレメンスはパラディオーネ王国の入口の方から雪玉が転がって来るのを確認するが寝起きだたせいもあるのか理解が追いつく前に転がる雪玉に巻き込まれてしまう。
「へあぁっ!?」
クレメンスを巻き込まんだ雪玉は近くの大木へとぶつかり止まると雪玉の上部からクレメンスが顔をだす。
「ぶほっ! ふぁへら! ほんなほふぉひふぁはふは!! へふぁっ!?」
(ぶほっ! 誰だ! こんな事した奴は!! へあぁっ!!)
更なる雪玉がクレメンス目掛けて転がって来ており、二つ目の雪玉は一つ目の雪玉に当たるとバウンドしクレメンスの頭上に落ちると見事に雪だるまが完成した。
「今凄い音しなかった?」
「これじゃない?」
「おー、誰が作ったか知らないけど途中までしか出来てないし俺達で完成させようぜ!」
「「賛成!」」
大木の方へと子供達が近付きクレメンスが中に居る雪だるまに小石やバケツなどで飾り付けをしていく。
「よしっ、完成だ!」
「う〜ん、何か木の枝が中々刺さらなかったよね?」
「そうなんだよな、中に石でも入ってたのかな?」
子供達が雪だるまを完成させた後、アルベルト達が横ぎり姿が見えなくなった数分後、雪だるまからクレメンスが両手両足を出し異様な姿でカジノを目指す。
「うわっ! 何だ気持ち悪っ!! 雪だるまから人の手足が出てきたぞ!?」
「怖いよー、うわああああん!」
「落ち着け! お前らは俺の後ろに隠れろ! やい、化け物俺が相手してやる!!」
「駄目だよ、大人の人呼ぼうよ!!」
(クッソ、こんな事で死んでたまるか! 俺様はまだカジノで遊んですらいないんだぞ! 確か、雪玉が転がって来た方角からして今立っている向きは真っ直ぐ行くと出口だな……つまりカジノは右手の方角か。 よし行くぜ、待ってろよ大人の遊び場!!)
クレメンスは雪だるまから手足を出し子供達に恐怖を与えた後、方角を頼りにカジノへと向かった。
「おや、何かあったのかい?」
「おじさん、大変だよ! 雪だるまから突然手足が生えて街中に入って行ったんだ!」
「ひっぐ、えぐ……。」
「俺も見たぞ、絶対魔物だよアレ!」
「魔物? 魔物が街中に入って来たら入口の警報がなるから分かると思うが? 夢でも見たんじゃないのか?」
「「本当だってば!!」」
子供達は近くの大人に見たまんま雪だるまから手足が生えて街中に移動した話しを伝えるが信じてもらえず、不貞腐れ子供達は自分達で雪だるまを同じ様に作り手足が生えるのを待つが大人の人は困った顔をしながら見間違いだと指摘する。
「見てろよ、絶対手足が生えて来るから!」
「もう、5分経つよ? 見間違えたのだろう、あんまり大人をからかうものじゃないよ?」
「本当なのにぃ!」
その頃、クレメンスは雪だるま姿で壁にぶつかりながら、カジノの方向へと近付いて行き着いた頃には壁にぶつかって来たせいか雪が剥がれ落ち頭にはバケツを被った状態でカジノの入口に立っていた。
(ふう……ふう……、着いた……これが念願のカジノか。 なんて眩しくて豪華な配色してるんだ! ん、おっ! 誰か出てきたぞ? おいおいおい、あんな笑顔で金数えながら出てきたって事は相当儲かったな?)
クレメンスはカジノから金を数えながら出てきた人を見て、内心ワクワクドキドキしながらカジノへと入る。
「ふ、ふへえー。」
(す、凄えー。)
中は広々としており、ルーレットやスロットにポーカーなど色々なギャンブルが出来る場所が並んでいる。
「ようこそいらっしゃいました、当店は初めてになりますね?」
「ん、はあふぉうふぁは。」
(ん、ああそうだな。)
「当店で遊んで頂く前に唇の腫れ、及び凍傷を治させて頂きます。」
「ひふらは?」
(幾らだ?)
「サービスですのでお代は要りません。 少し滲みますが、即効性の薬を使わせて頂きますね。」
カジノスタッフと思わしき人物はクレメンスに液体の薬を振りまくとみるみると傷が治っていった。
「おっ! 治った、唇の腫れも体の痛みも凄え良い薬だな! サービスも最高だぜ! あっ、そうだアクナヴィーテって奴から勾玉持ってく様に言われたんだが。」
「これは、確かにアクナヴィーテ様の勾玉ですね。 それは首から掛けて絶対に外さないでくださいね。」
「なんでだ?」
「当店で遊べば分かりますよ、但しその勾玉については他言無用でお願いします。」
「何だか良く分からねーが、分かった。 んで、早速どうやって遊べば良いんだ?」
「そうですね、当店ではアチラのカウンターでコインを購入し賭け金として使います。 隣の交換所では好きな物を増やしたコインで買う事が出来ますよ。」
「要は金で金を買う様なもんか。」
「そう取って頂いて構いません、初めてのお客様にはサービスでコイン10枚を差し上げます。 このコインは当店でしか使えないのでご注意ください。」
クレメンスはスタッフからコイン10枚を無料で手に入れ気持ち悪いくらいの笑みを浮かべ喜ぶ。
「あー、所で向こう側にもカウンターがある様だが?」
「あちら側ですか? 当店では融資もしてますので金銭に困った時は頼りに。」
「へー、そうかい俺様は借金する気はねーから必要ねーな。 この10枚を倍にしてやるぜ!!」
10枚のコインを使いクレメンスはカジノで目を輝かせながら早速遊ぶのであった。
何時も読んでくださり有難う御座います。
次回も不定期投稿になります。




