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【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
115/166

第115話 氷漬けと竜人族の悪戯(追放側視点)

第二章は第26話からです。

第三章は第46話からです。

第四章は第66話からです。

第五章は第91話からです。

第六章は第113話からです。


では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみ下さい。

 パラディオーネ王国、そこは雪の降り積もる白銀の国と呼ばれる民主国家である。

 そんなパラディオーネ王国の広場にて騒ぎが起こっていた。


「ねえ、ママあれ何〜?」


「さぁねぇ、何で防寒対策もしないでこの国に来たのかしら?」


「自殺……って訳でも無さそうだな。」


「何の騒ぎだ!」


「あっ、兵士さん実は……。」


 広間に集まった野次馬達は広場の中央で氷漬けになっているクレメンスを指差し、何でこの様な状況になっているのかを話した。


「なるほど、確かに自殺志願者にしてはおかしな点があるか……この件は我々に任せてください。」


「頼みます、このまま放置する訳にもいきませんので。」


「了解しました、このカチンコチンの奴を荷馬車に乗せろ! 城内に入れたら暖炉で氷を溶かせ、死んでたら国籍を調べ家族を捜し出し早急に連絡の準備を進めろ! 良いな!!」


「「はっ!!」」


 兵士達はテキパキと両鼻から鼻水を流し白目を剥き氷漬けになっているクレメンスを荷馬車へと乗せると急いで城内に有る暖炉部屋へと連れて行った。

 そして、薪をくべらて火を付けた暖炉の近くに兵士達が慎重に氷漬けのクレメンスを置いた。


「設置完了しました!」


「後は、氷が溶けた後に身分を証明出来る物が有れば家族へ連絡する事が出来るが……。」


「広場で騒ぎになっていた氷像というのはソレの事かえ?」


「イザベラ様!? 何故ここへ?」


「うむ、何やら面白そうな事が起こってそうじゃからな! 城内に不法侵入してきた訳じゃ! カーカッカッカッ!!」


 兵士の後方からは、意気揚々とした声が聞こえ振り向くとそこには紅いロングヘアで後頭部からは二本の角が生えてはいるが左側の方は途中から砕けており、腰の辺りからは龍の様な尻尾が生えているが鱗の部分は薄い桃色になっている。


「あ、相変わらずですね……幾ら貴方が大魔王ウルベノム封印に力を貸した英雄の一人でも不謹慎な発言はお止めください。」


「んー、そう言われてものぉ妾に常識を求めるだけ無駄じゃぞ? 人間と竜人族では頭の出来が違うからのぉ! カーカッカッカッ!!」


(駄目だ、この人に何言っても通じる気がしない……。)


「おっ、そうじゃ!」


「今度は何を思いついたんですか?」


「いやいや、その氷漬けの奴の氷が溶けたら妾自ら便所へ招待してやろうと思っての。」


「便所って……、イザベラ様も女性どころか元竜人族の女王なんですから下品な言い回しは止めてくださいよ! それにこの人が生きてるかどうかはまだ分からないのですから!」


「そろそろかの。」


「そろそろ?」


「ぶわああああくしょん!! うぃ〜、ざっざみいいいい!」


 イザベラがそろそろと言ってまもなくして暖炉の前のクレメンスの氷が溶け盛大なクシャミが聞こえてきた。


「良かった、生きてたのですね!」


「んあ〜? 何だてめぇ、話しかけんじゃねえよ! 俺様は今冷えきった身体を温めるのに忙しいんだ気安く話しかけんなハゲ!!」


「ええっ!?」

(な、なんと言う暴言!? いや、しかし薄々髪の毛が減ってきているのは事実……それに彼も今の状況に混乱してるに違いない落ち着けばさっきの暴言を謝れる程に精神が回復するはずだ……ここはフレンドリーに会話を……。)


「お主、ゴリラ見たいな形状した顔付きじゃな? 主食はバナナかえ、動物園ではどんな芸を仕込まれておった?」


「うおおおおいぃっ!? 初対面の人に向かって失礼過ぎるだろっ!!」


 イザベラはクレメンスを動物園のゴリラに見立てた質問をした為に必死に兵士がクレメンスに頭を下げるが、先程から喋る素振りを見せずずっと腹部を擦っている。


「うぐぅっ……。」

(察しろよ、兵士の癖に俺様が何訴えてるかも分からんのか! 役立たずめ!)


「ど、どうされました?」


「妾が直々に案内してやるとするかのぉ。」


(こっちの女は、冴えてるじゃねえか……安心したら少し身が引っ込んだぜ……。)


「あぁ……、頼む……。」


「着いて参れ、妾のやらしさに感謝するのじゃな!」


「い……、いいから早く案内しろ! 間に合わなくなっても知らんぞ!」


(あちゃ〜、イザベラ様の暇潰しにされたか……可哀想にご愁傷様。)


 イザベラに連れられクレメンスは長い廊下を数分練り歩くが一向にトイレに着く気配が無い事に苛立ち始め、イザベラを問い詰める。


「お、おいテメェ……。」


「ん〜?」


「さっきから同じ所グルグル周ってんじゃねーか! トイレは何処だ、クソアマ!!」


「トイレ? 何の事じゃ?」


「ああ!? テメェがトイレに案内するっつったんだろ!!」


「妾は一言も便所に案内するなんて言っとらんが?」


「はぁっ!? 何だと、じゃあ何処にあんだよ!!」

(うぐっ! や、やべぇキレたら腹がギュルギュルなってる。)


「仕方ないのぉ、案内してやるかのホレ数メートル先にあるドアの先が便所じゃ。」


 ようやく、クレメンスはイザベラからトイレの場所を聞き出すがイザベラはニヤニヤしながらクレメンスをゆっくりとした歩幅で歩いて行く。


「早く行けええええ! 漏れるだろおおおお!!」


「あっ、ところで大かえ? 小かえ?」


 トイレのドアのところでイザベラが立ち止まりクレメンスの方へと振り向くと意味不明な質問を投げかける。


「退けええぇ!!」

(クソッ、トイレは目と鼻の先にあるのにクソアマが居るせいで入れねえし……もう我慢の限界だ! どうする、そうだ大声を出して音を掻き消す……これっきゃねえ!!)


「仕方ないのぉ、妾としてはもう少しギリギリのラインを攻めたかったのじゃがのぉ……ん?」


「ああああ……うううう……あああぁぁ………。」


(何じゃ急に?)


 クレメンスの額には脂汗がびっしりと吹き出ており呼吸を整えると一期に声を出し引っ込める作戦を取った。


「アッーーーー!!」


 しかし、この作戦はクレメンスの思いとは裏腹に急激に腹に力を入れたせいかブッチチブチチチ、ブリブリブリブリュリュリュリュリューと押し出されクレメンスのズボンの尻の部分はモッコリと膨らみ白い蒸気の様な物が上がっていた。


「ああああああああ!?」


 クレメンスは両目に涙を浮かべながらトイレへ入って行くのをイザベラは見ながら思った。


(悪い事したのぉ。)

クッソ汚くてすみません。

何時も読んでくださり有難う御座います。


次回も不定期になります。

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