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【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
114/166

第114話 ラクシーラビット

第二章は第26話からです。

第三章は第46話からです。

第四章は第66話からです。

第五章は第91話からです。

第六章は第113話からです。


では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみ下さい。

 アクナヴィーテが姿を消すと先程までの重い空気が無くなりスラストとトレーシィは、ホッとしたのか力が抜けその場に座り込んだ。


「「やっと、どっか行った。」」


「メルダ無事だったのね!」


「ええ、ご心配おかけして申し訳ありません。」


「…………。」


「アスティオ王子、どうかしたのか?」


 アスティオ王子は、じっとラクシドールの抜け殻を見ており俺もその方向を見てみると明らかに何者かの気配がする事に気付く。


「!!」


「気付いたか。」


「ああ、まだ何か人形に宿ってる感じがする……。」


「アルベルト様、それって……。」


「エリーシャ、メルダを頼む……。」


 俺達は気配のする方を見ているとラクシドールの抜け殻が収縮を始め、二頭身くらいの大きさに変わっていく。


「ぷっはあー! やっと自由になったー!」


「おい貴様……。」


「はいはーい、ボクに質も……ぎゃああああ!!」


 アスティオは二頭身の姿になったラクシドールの首筋に剣を突き立てながら質問する。


「さっきの奴は何処に行った?」


「あわ、あわわわ…………さ、さっきのが何処行ったのかなんて知らないよ!!」


「次の質問だ、貴様は何者だ?」


「ボクはラクシーラビット! フッ……愛と平和の使者さ。」


 ラクシーラビットが、そう言った瞬間アスティオは無言で首筋を剣で軽くゾリッと削る。


「ちょっ……まっ! ちょっと待って、待ってくださいお願いします! 何でもしますから!!」


「あ、アスティオ王子そのくらいにしてくれないか。 俺も聞きたい事が有るし……。」


「…………分かった、コイツの処分は取り敢えず保留にしておく。」


 アスティオ王子は苦虫を噛み潰した様な顔をしながら剣を鞘に納めた。


「そ、それでボクに聞きたい事って?」


「ラクシドールと戦ってる時に俺に誰か記憶の様な物を見せたのはお前か?」


「うん、そうだよ……あの時までボクは意思だけしか持って無かったからね。」


「そうか……。」

(つまり、ラクシドールは悪い奴じゃないって事を伝えたかったって訳だな。)


「ねえ、良かったらだけどボクに力を貸してくれないかな?」


「力を貸せだと? 貴様が何者かは知らんが……」


「アスティオ王子の気持ちは分かるけど、俺はラクシーラビットに借りが有るから力を貸すよ。」


 アスティオ王子は、まだラクシーラビットを疑っている様だが俺にはラクシーラビットに見せられた記憶で我に返る事が出来た恩が有る為、力を貸す事にした。


「チッ……仕方ないか、アルベルトがソイツを連れてくのは構わないが俺も同行させてもらうからな! ラクシドールの人を苛立たせるやり口をよく知ってるし。」


「有難う、ボク絶対にアクナヴィーテからアルエッタの魂だけでも自由にしてみせるよ!」


「さてと、取り敢えず他の皆のところへ帰るとするか。」


 俺達はラクシーラビットを仲間に加えサーカスのテント型の建物から出ると、そこにはレニーとシェスカ姫が立っていた。


「やっと出て来たわね。」


「アルベルトさん! 中で何が有ったのですか、皆さん疲弊しきっておられる様に見えますわ!?」


「ああ、ちょっとな……それより何で二人がここに?」


「決まってるでしょ、アンタ達が心配だから残りの皆で来てあげたのよ感謝しなさいよね!」


「皆って事はニアミスとアネットも来てるのか? 姿が見えないが……。」


「こっちも大変でして、ウサギの魔物に襲われて離れ離れにされてしまいましたわ。」


「何だって! 二人は無事なのか!?」


「問題無いんじゃない? アネットの方はニアミスが助けに行ったし。」


 外に居たシェスカ姫とレニーから他の二人も来ている事を聞いた俺はテレパシーを使い二人の居る位置を把握し、皆で向かう事にした。

 どうやら二人共無事な様だが、先程から一切その場から動く気配が無くミラーハウスへと移動して二人と合流すると心配するニアミスと脚の折れているアネットを発見する。


「アネット! 大丈夫、脚折れてるじゃない!!」


「皆さん、あはは脚以外は大丈夫です……。」


「そうだ、回復薬は?」


「全部使いきっタガ、痛みを和らげるくらいが限界ダナ。」


 エリーシャが二人に慌てて駆け寄り、応急処置を施しているかを訪ねアネットのマジックバッグから解毒薬を取り出すと顔色の悪いメルダに飲ませる。


「ごめん、アネット……先にメルダの毒から治すわね!」


「え、うん……。」


「メルダ、これを飲んだら……。」


「分かっています、アネット様の脚を私の魔糸を使って元の状態へ戻します。」


 メルダはエリーシャから手渡された解毒薬を飲み干すと顔色が良くなり、早急にアネットの折れた脚を元に戻す為に魔糸を使い作業に取り掛かる。


「アネットの事はメルダに任せるとして、アスティオ王子……俺達に同行するって言ったけど国はどうするんだ?」


「国は今回の事も有るし、爺やと話して民主国家にしようと思う。」


「アル、民主国家って?」


「ああ、王様の一存で全て決まる訳じゃなく国民からどうすれば国が良くなっていくのかを話し合い全員が納得する形で政策が進む国の事だったと思う。」


「少し、ズレてる気がするが大体そんなところだ。」


 アスティオ王子はラクシドールの騒動で国家転覆しかねない状況まで追い詰められている事も有り民主国家にする様だ。


「それは良いね、ところで何時までアスティオ王子はラクシーラビットを抱えてるの? 心配なら僕が持っておくよ。」


「まあ良いか、コイツが何かしでかさない様に持っていたが正直邪魔だったしな……持つのは良いが絶対に目を離すなよ?」


「わ、分かってるよ。」


 スラストはアスティオ王子からラクシーラビットを手渡され、抱き抱える。


(本当にぬいぐるみなんだ、結構触り心地良いな。)


「ん……、何だかスラスト嬉しそうな顔してるな。」


「だね、でも何かラクシーラビットの方は嫌がってる様に見えるけど。」


(おい止めろボクはホモじゃない! ボクに胸を擦り付けるな!!)


 ラクシーラビットはスラストを男だと勘違いしており、抱き締められる事に抵抗している姿を見ながらアスティオ王子は、スラストに預けた方が悪さをしなさそうと思うのであった。

何時も読んでくださり有難う御座います。


最近は中々書く時間が無くなり投稿が遅くなってしまいましたが楽しんで頂けたのなら幸いです。


次回も投稿は不定期です。

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