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【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
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第11話 決戦マデルオーラ

今回は、人質にされた二人を助ける話です。

 水晶を通してアルベルト達の戦い振りを見て歓喜に震える魔物がいた、そうマデルオーラである


「ホーホッホッホッ! 素晴らしい!! まさか、わたくしの最高傑作を破壊するとは!!」


マデルオーラの近くには虚ろな目をしたエリーシャとアネットが突っ立っている。


「あ~わたくしの部下に欲しいね~あのアルベルトとかいう奴~、あっそ~だ!」


マデルオーラはエリーシャとアネットを見ながら呟く。


「この娘達を使えば簡単に手に入るじゃないで~すか~、くくくく。」


「それにしても、お馬鹿なエルフさ~んは水晶だけでなく、こんな手土産まで連れてくるとは思いませんでしたね~。 わたくしでは、あの村に入る事ができませ~んでしたからね~。」


ニタニタと嗤いながらマデルオーラは独り言を喋る。


そう、スラストはマデルオーラの目を直視してしまい操られ村に結界を張っていた水晶を舘へと持って行ってしまっていたのだ。


「さ~て魔王様の悲願の為に手に入れた膨大な魔力を有する、この水晶とわたくしの人を操る能力が合わさればロクサーヌ王国で開かれる国王会議で全ての国の王を操り、世界を牛耳ってみせましょ~ぞ!!」


「ホーホッホッホッ! ホーホッホッホッ!!」


一方その頃、舘の地下にて


「何か奴を倒す良い案でも思い付いたのか?」


「まあな…確実ってわけじゃないが、やってみる価値は有ると思う。」


そのような会話をしながら中りを見渡すと先程までゴーレムが邪魔で見えなかったが階段がある事に気付いた。


「お、あそこから上の階に行けそうだな。」


「魔物が待ち伏せしてる可能性もあるし慎重に行こう。」


俺達は薄暗い階段を上がって行くと初めにマデルオーラに会ったエントランスへとでてきた。


「不気味なくらい静かだな……。」


「魔物の気配もまるで感じないな……。」


何やら胸騒ぎがするが俺達は階段を見つけ二階へと上がって行く。


その先には豪華な装飾のされた扉が見える。


「この扉の先にマデルオーラが……。」


「そうだろうね……二人が無事なら良いけど…。」


俺達は意を決して扉を開くとそこはバルコニーとなっていた。

そしてバルコニーの中央にはマデルオーラが背中を見せており、左右には相変わらず虚ろな目をしたエリーシャとアネットが立っていた。


「ホーホッホッホッ! よくぞ、来てくれま~したね~? てっきり自分の命可愛さに逃げ出したのではな~いのかと思っていたの~にね~。」


マデルオーラの言葉に少し苛立つが俺は平常心を保ちながら、質問をする。


「マデルオーラ…確かに俺達はお前の最高傑作とやらを破壊し勝利した……約束通りエリーシャとアネットを解放してもらおうか?」


それを聞いたマデルオーラは振り返り耳に手を当て俺が何を言っているのか聞こえなかったような素振りをする。


「はあ~? 約束~そんな約束した覚えはな~いのですがね~。」


「貴様!!」


スラストはマデルオーラに矢を射ろうとするがエリーシャを盾にされ、しぶしぶ弓を下ろす。


「ホーホッホッホッ! 良いのですよ? わたくしを攻撃したければ攻撃しても? ま~…人質がどうなってもよろしいのであ~ればねぇ?」


「くっ! すまないアルベルト…僕には、この状況に対する打開策が思い浮かばない。」


するとマデルオーラはエリーシャとアネットの頭へ掌を向け両手からは魔法陣が展開される。


「な、何をする気だ!?」


「ホーホッホッホッ! 簡単な事ですよ~、どちらか一人だけなら助けてさしあげましょ~か~?」


俺は、その提案に応えられず時間だけが過ぎていく。


(駄目だ…二人の内一人しか助けないなんて選択……出来る訳がない。)


「仕方ありませ~んね、では~こうしましょう~アナタ…わたくしの目を見なさい。」


「だ、駄目だ! アルベルト! 奴の目をみては!!」


「邪魔しないでくださ~いよ、エルフさ~ん……バレていないとでも~? アナタ達、わたくしの目を直視しないようにしてるじゃな~いですか~。」


マデルオーラは愉快そうに俺達を嘲笑いながらエリーシャとアネットを交互にみる。

まるで、どちらかを見せしめにせんとばかりに。


「あ~、もう待てませんね~…こっちの地味な娘から始末しましょうか~。」


アネットに向いた掌の魔法陣が光り出す。

明らかにアネットを見せしめにする気だ。


「ま、待て! 分かった、言う事を聞く!」


「ほぅ……。」


「だから……、二人を解放しろ。」


「アルベルト……。」


悔しいが、今はマデルオーラの言う事を聞き隙を見て二人を解放する事を考える。


「ホーホッホッホッ! 早速で~すが、わたくしの目を見てもら~いましょうか!」


今までマデルオーラをまともに見ていなかったが、その姿は紫色のローブを羽織りミイラのように痩せこけ、普通の人間ならば白目の部分は黒く瞳は黄色い。


「スラスト…!後は頼む。」


俺がマデルオーラを見据えてると、その瞳は不気味に光り出した。


「うっ!?」


「そんな…、アルベルトまで!!」


アルベルトの目は、操られた二人と同様に虚ろで口が半開きになっている。


「ホーホッホッホッ! 最高の気分で~すね~最強のコマが手に入ったので~すから! さあ~こちらへいらっしゃい!!」


そう言うとアルベルトは歩み始める、マデルオーラもアルベルトへと近づきながら語る。


「アナタには感謝してもしきれませんよ~お馬鹿なエルフさ~ん…十分利用させて頂きま~したからアナタだけは助けて差し上げましょう。」


「ふ、巫山戯るな! その二人を解放する約束だろ!!」


スラストは約束を守らないマデルオーラに対して怒りを顕わにする。


「わたくしが、約束なんて守るわけな~いでしょ~? この娘達は後でじっくりと実験台として利用させてもらいま~すから。」


マデルオーラはスラストと話しながらアルベルトの目と鼻の先まで近づくと互いに歩みを止める。


「ホーホッホッホッ! そうだ、まずは手始めにあの村から滅ぼして見ましょうか~!」


「なっ! や、止めろ! 止めてくれ!!」


スラストは絶望した顔でマデルオーラに懇願する。


「ホーホッホッホッ! 良いですね~、わたくしアナタの事は嫌いじゃな~いですよ? 中々に見応えのある絶望した顔をしま~すからね~。」


悔しそうに涙するスラストの顔は絶望に歪んでいる。

だが、その時マデルオーラは間違いなく油断していた。


「マジックアーマー。」


「ホッ?」


俺は油断しているマデルオーラに対してマジックアーマーを発動し、左手で鳩尾を殴り上げる。


「ぐはぁっ!?」


その瞬間、エリーシャとアネットはマデルオーラの術が解けたのか何時もの顔に戻るが、状況を理解出来ないのか二人して戸惑っている。


「エリーシャ! アネット! 俺とスラストでコイツの相手をするから、エリーシャはアネットを守りながら水晶を頼む!」


「え? えーと?」


「な、何? 水晶?」


俺の言葉を理解するのに少しばかり時間がかかったが、早急に水晶へと二人は走り出す。


「ぐぅ……、何故だ! 何故効かない!?」


マデルオーラは今の一撃に何と耐えていたのだ。


「悪いな俺は別にあんたの目を直視してないからな、因みに知ってるか? 人には周辺視野という視界全体を見る能力が有るからな。」


それを聞いたマデルオーラは怒り心頭になり、両腕を高く上げ水晶の周りに骨の魔物を出現させる。


「き、貴様ぁ! よくも、このわたくしを謀りおったなぁ!

全員皆殺しにしてくれるわー!!」

次回は、マデルオーラとの戦闘になります。

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