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【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
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第100話 壊れた石版

第二章は第26話からです。

第三章は第46話からです。

第四章は第66話からです。

第五章は第91話からです。


では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみ下さい。

 ヴァレンス城にて兵士に囲まれるも何やら魔力で死体を動かしている様に感じ、俺とエリーシャは兵士の懐に潜り込みパニッシュの魔法で魔力を解放させ動かなくしていく。


「「パニッシュ!!」」


「流石ですね、アルベルト様もエリーシャ様も相手の動きを見ていらっしゃいます。」


「ぐっ……。」


 メルダは残りの兵士を魔糸で床に貼り付け、動きを封じながら周囲を見渡すとヴァレンス王と両手に持った剣で戦っている姿が目に映る。


「君も分かってると思うけど、王様倒した所でボクにダメージなんて与えられないよ?」


「うるさい! オレは、国を守らないといけないんだ!」


「分からないなぁ、この国はボクのおかげでこんなに平和なのに何で守る必要が有るの?」


「お前は分かっていない! このまま国に大人達が居なくなると子供達はどうやって生きていくんだ! いつか、死ぬ事になるぞ!!」


「ぷっ、くく………良いんじゃないかな? だってさ、それって醜い大人にならずに死ねるって事でしょ! 最高に幸せな事じゃないか!!」


「何だと!?」


 ヴァレンス王の口から、アスティオ王子はとんでもない台詞が吐き捨てられた事に驚愕し、丁度俺達も全ての兵士達を戦闘不能状態にした事で耳を傾ける。


「別に良いじゃん、けど君いい加減しつこいし遊ぶのにも飽きてきちゃったからボクが直々に相手してあげるよ。 場所は遊園地の中央に有るサーカスのテント、だけど鍵を四つ集めないと開かないから頑張ってね〜ケケケけ!!」


 そう言うとヴァレンス王は、その場に倒れ込みピクリとも動かなくなった。


「父上! くっ……、やはり息をしていないか……。」


「こちらの兵士の方々も同様、息をしていませんね。」


「…………、酷い事をするな。 確か遊園地に居るって言ってたな。」


「アルベルト様、確かスラストとトレーシィも来てるから捜して合流しましょうか。」


「ちょっと待ってくれ、無論オレも行くがその前に城で守っている石版が無事か確認させてくれ。」


 俺達が遊園地に向かおうとするもアスティオ王子に止められ、石版という単語に反応した俺はアスティオ王子と共に宝物庫まで向う事となった。


「無事なら良いねだが……。」


「もし、その石版が封印の秘術なら俺は覚えないとな。」


「これは、酷い有様ですね。」


「荒らされてるわね。」


「そんな!? こんな事って!!」


「どうしたんだ?」


「石版が破壊されてる!」


「何だって!?」


 宝物庫の床には、破壊されたと思われる石版の欠片が飛び散っている様に見えアスティオ王子の表情も青くなっている。


「くそっ、ここまでするのか! 仕方ない、せめて父上を利用した魔物だけでも倒さねば!」


「やっぱり駄目か……触れても何時もの様に魔法が覚えられない……。」


「アルベルト様、今は私達で出来る事をしましょう。」


「そうだな、四つの鍵を集めないとな。」


 数日程時間を遡り、お化け屋敷にて幽体離脱してしまったクレメンスは出口にて透けた身体で意識を取り戻す。


「はっ! 何だよ、コイツ脅かしやがって!! 趣味の悪い造り物だなったく……こんな所、さっさとオサラバするぞガキ共! ん、おいどうした?」


 クレメンスが振り向くと慌てた姿の子供二人と誰かが泡を吹いて倒れているのが分かる。


「おいオッサン大丈夫か!? おいったら!!」


「駄目だ息してねぇ、こうなったら心臓マッサージで蘇生させるしかねえ!」


「心臓マッサージって俺達子供の力でか?」


「やるしかないだろ! 人の命が掛かってんだぞ!!」


「何だ、誰か倒れてやがんな……しかし良く見ると中々男前じゃあないか。 しかし心臓マッサージか……俺様が代わりにやってやろう!」


 そう言って子供の肩に手を置こうとするとスカッと手がすり抜けてしまった。


「何だ今の? まさか、最後のアトラクションって……ガキ共の身体が霊体にでもなる魔法がかけられているのか!?」

(いやまさかな、よく考えると中に入った瞬間から妙な感じは有ったな……つまりガキ共は元々死んでいたと過程できるかもしれん、ならばお化け屋敷に俺様を連れてこさせ自分達が幽霊だという事を分かって欲しくて俺様に付きまとっていたのか。)


「良いか、さっき言った様に俺とお前で交互にジャンプして心臓の辺りに肘鉄をかます!」


「分かってる、もうそれしか方法無いもんな大人の人少な過ぎて呼びに行く時間も無さそうだし!」


 クレメンスは意味不明な思考を巡らせてる間に子供達はクレメンスを蘇生させる為の心臓マッサージを高く跳んだ後の落下を利用し肘鉄を交互に与える事により子供ならではの蘇生術を始めた。


「行くぞ、せーの! おらぁっ!! 次!」


「あいよっ! うらあっ!!」


「あだっ!? 痛でええ!? 何だ急に、心臓の辺りが痛みだしたぞ?」


 するとどうだろうか、クレメンスの肉体に子供達が刺激を与えると同時に半透明のクレメンスにも刺激を与えられた箇所に痛みが走る。


「ちょっ! 痛いから止めろ! てか何だ、俺様の身体が男前に吸い寄せられて行く?」


「腕痛くなってきた!」


「それくらい我慢しろ、俺だって足腰限界近いんだからさ!」


「うおわああああ! 吸い込まれるうううう!!」


 こうして、子供達のおかげで蘇生したクレメンスが最初に見たのは高く跳んだ子供が鳩尾に肘鉄をくらわせる光景だった。


「うぅっ……何だよ今のって!?」


「オッサン死ぬなああああ!」


「ぐええええっ!! げほっ、ごほっ!!」


「良かった、オッサンが息を吹き返したぞ!」


「何しやがんだガキ共! 俺様に何か怨みでもあんのか!?」


 その後、子供達とクレメンスは遊園地内の比較的安全なアトラクションを周る事になり駄目な大人クレメンスはミラーハウスで迷子になったり観覧車のゴンドラから落ちかけたりと二人の子供達に多大な迷惑をかけ続けるのであった。

何時も読んでくださり有難う御座います。


もう100話に到達しました。

残り10話で第五章は終わります。

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