第1話 無能な魔法使いは追放される
ざまぁ系の作品に挑戦しようと思い書き始めてみました。
「アルベルト・ブラウン、お前を追放する!!」
突然の追放宣言をSランクパーティー“龍の顎”のリーダー、クレメンス・バッカーニアから言い渡される。
「ちょっと待って、いきなり追放って!?」
俺の名はアルベルト・ブラウン、何処にでもいるような魔法使いだ…ただ他の魔法使いと違うところと言えば無属性魔法しか使えないといったところだ。
「当然ダロ? だってアンタ、戦闘で役に立って無いじゃなイカ!」
白い髪をポニーテールにした褐色肌で格闘家の女性、ニアミス・ドレスティが不機嫌そうに語る。
「役に立って無いって、一応魔法で支援してきたじゃないか!?」
今まで何度も魔物の狙いを自身へと移して支援してきた事を言うが、他のメンバーも俺に不満があるように口調を強めて言ってきた。
「あれが支援? ふざけるのも大概にしたら! 魔物に狙われやすくなっただけで役に立って無いでしょ!!」
緑色のショートカットをした髪に白いローブを身に纏い青い瞳をした回復術士のケニー・シルヴァンテからも不満な声が漏れる。
「でも、俺は今まで荷物持ちや料理を作ってきたじゃないか!」
必死に今までパーティーに貢献してきた事を伝えるが皆聞く耳を持とうとしていない。
「この際ハッキリ言わせてもらう、無属性魔法が珍しいから役に立つと思っていたが全く使えねぇじゃねえか!?
これ以上、俺達の活動の邪魔すんじゃねえよ…ゴミが!!」
荷物を俺から引っ手繰るとニアミスとケニーを連れて、その場から離れようとする。
「待って! 今日の分のお金貰ってないよ!」
そう、冒険者ギルドで受けた依頼の報酬は山分けにする決まりがパーティーには有ったが今回は渡されていないのだ。
「あ? そういや、まだだったな! 今までの礼だ…しっかり受け取りな!!」
そう言うとクレメンスはアルベルトの顔を殴った。
何をされたか、理解できなかったが頬の痛みで少し時間が経って殴られた事に気付く。
「痛っ! な、何するんだ!?」
「何って、今までの礼だよ役立たずが!!」
他の仲間の女性陣も笑みを浮かべながら、ゴミを見る目で俺を見ていた。
「リーダー、まだまだアルベルトがパーティーに迷惑をかけた分には至らないダロ?」
「そうだよねぇ? 無属性魔法しか使えないゴミなんて私達のパーティーにはいらないものねぇ。」
俺は、リーダーのクレメンスに殴られ続け、やがて気絶した。
「はっ! このくらいで許してやるか! 行くぞお前ら!!」
「あら、これくらいで許すなんて優しいわぁ。」
「ホントこいつにはウンザリしてたンダ、日も暮れてきたし速く宿屋に行こうかリーダー。」
こうして、俺はSランクパーティー龍の顎を追放された。
「うっ…、体中が痛い…俺が何をしたっていうんだ。」
目を覚ました頃には辺りは暗く、夜になっていた。
俺はなけなしの金を持っている事を思い出し、ポケットを漁るが何も無かった。
「無い…!? 何で…まさか、金も盗られた?」
雨がぽつぽつと降り始め、俺は殴られた傷の痛みに耐えながら雨風を凌げる寝床となりそうな場所を探す。
町中に路地の隙間を見つけ、その間を通るとフードを被った人物が待っていた。
「お待ちしておりました、アルベルト様。」
「?」
俺は、この人物に見覚えが無く声も分からない。
「この世界を救えるのは貴方様だけです、どうぞこちらへ。」
フードを被った人物は着いてくる様に促す。
(何だか怪しいが、着いていくしかなさそうだな。)
怪しいとは思ってはいるが宿屋に泊まるにも食事を取るにも金がいるのは理解している。
着いていくと大きな屋敷が見えてきた。
「こちらへ、貴方様に最高のもてなしと食事を与えましょう。」
屋敷の門が開き中へ入ると玄関には大勢のメイド達が頭を下げ出迎えてくれた。
「お帰りなさいませ、ご主人様。」
すると先程、道案内をした人が俺の目の前でフードを上げると美しい青い髪と澄んだ青い目が現れる。
「何なりとお申し付け下さい、救世主様。」
どうやら、救世主様と言うのは俺の事らしい。
「人違いじゃないかな?」
「いいえ、世界の命運を変える唯一の存在が貴方様であることが予言の書に記されていましたから間違いありません…アルベルト・ブラウン様。」
「そう、なんだ…。」
(あれ? 俺名乗ったっけ? まあ、いいか。)
見て下さって有り難う御座います。
よろしければ、作品への評価や感想など
気軽にお願いします。