自称ヒロインの憤慨
今回はアリッサ視点です。少しだけ残りの攻略者が出演しています。
私、アリッサ・ディストリーはイライラしていた。
「どうしてリュート君もアルフォードもいないのよ!」
リュート君は私の気を引きたい為につれない態度をとるから仕方ないとしても、私の取り巻きであるアルフォードまでいないなんておかしいわ!つい最近までは長い休憩時間になれば私に会いにやって来て私への好意をアピールしていたのに、最後にアルフォードと話した時にはあまり目も合わさず用事があるからと何処かへ走っていってしまった。
次期侯爵のリュート君は頭も顔も良く金銭面でも裕福だから勿論侍らせておきたいし、アルフォードは更に上の次期公爵。端整な顔に少し強引なところが更に私の好みなのよね。勿論他のみんなも私の家より家督が上だったり才能があったり美形だったりで好きなんだけどあの2人は別格なのよ。だから絶対に手に入れておきたいのに!!
「アルフォードなんて放っておけばいいではないですか。アリッサには私がいるんですから」
「俺としては恋敵が減って有難いけどね」
「ふふっ、2人ともありがとう。でもきっとアルフォードは私のところに帰ってくると思うの。あんなに好きだって言ってくれたんですもの」
そうよ。アルフォードはヒロインである私が好きなのよ。きっとこれは恋の駆け引きなんだわ。そんなことをしなくてもちゃんと好きでいてあげるのに。そう考えると沈んでいた気持ちは浮上して私の顔に笑顔が戻った。
ならば安心と私は難攻不落のリュート君をどう落とそうか考え始めた。じっと私を見つめる2人の視線の意味にも気付かないで・・・
勘違いヒロインってこんな感じですかね。自称ヒロイン、自分で残りの攻略者の心を離れさせてます。ある意味天才。