天然令嬢、ヒロインと弟のバトルを傍観する
ブクマ、感想ありがとうございます。クラリーチェを可愛がっていただいて有り難いです。お陰様でまさかの日間2位・・・これからも天然令嬢クラリーチェを宜しくお願いします。
皆様おはようございます。本日は少しお天気が悪くて外で食べるのは諦めようと思います。実はあのアルフォードさんとお会いしてからすでに数日経過しているのですが、時々あの場所でご飯を一緒に食べたりしていたのです。男の人はよく食べると言いますが本当ですね。いつもよりもたくさん持っていったのにお昼休みが終わるときには空っぽです。
アルフォードさんについて分かったことは公爵家の嫡男だということと、私より1つ歳上だということ。あとはアリッサさんのお知り合いということでした。そういえばいつだったかアルフォードさんとアリッサさんが一緒にいるのを見たような気がします。アリッサさんは本当に交友関係が広くて羨ましいです。
「今日はカフェテラスで食べよう」
「あらリュート、今日は追いかけっこはしないのですか?」
いつもはお昼になると教室を駆け出していくリュートが珍しくいます。
「うん。あれにばっかり振り回されるとクラリーチェといる時間が減っちゃうからね」
「あらあら、じゃあ今日は一緒に食べましょう」
それからサリーンさんとチェルシーさんも誘ってカフェテラスへ向かいました。
「うわぁ!これすっごいね!美味しそう!!」
「クラリーチェの家の料理人が作ったの?」
「いえ、私が作りましたの・・・すみません」
私の言葉に驚く3人。そういえばリュートにも食べさせたことはありませんでしたね。今度お家で作って食べていただきましょう。
「食べていい?」
「はい!良かったら食べてください」
アルフォードさんのときもそうですが初めて食べてもらうときはとても緊張します。私は神妙な面持ちで皆様の様子を伺います。美味しくないと言われたらどうしましょう・・・
「うんまっ!私のお母さんのよりずっと美味しいし!」
「確かに美味しい。これ全部クラリーチェが?」
「クラリーチェは料理も出来たんだね。これからは家でも作ってよ」
どうやらお口に合ったようです。ほっと胸を撫で下ろしました。そこから歓談しながらお昼を食べていると、聞き知った声が聞こえてきます。
「リュートくーん!ここにいたんだぁ!」
「(ボソッ)五月蝿いのが来たよ」
リュート?またなにか言いました?お顔が険しいですよ?
「アリッサさんもお昼ですか?」
「ええ、皆がご馳走してくれるって言うからさ。ねぇリュート君、リュート君も私達と一緒に食べましょう?」
「僕は君と一緒に食べないし、もうクラリーチェの美味しい昼食を食べたからね」
アリッサさんはほとんど空になった籠を見てぷっと笑いました。
「まさかクラリーチェの手作り?侯爵家のお嬢様が料理人の真似事なんて、品位を疑われるわ」
その言葉に真っ先に反応したのがリュート、その後をサリーンさんとチェルシーさんが続きます。当の私はやっぱり変かしらと首を傾げます。ん?奥にいるのはアルフォードさんではないですか。アリッサさんとお友達だと言うのは本当だったのですね。まったく関係ないことを考えていると、リュート達が口論していました。
「君は本当に最低だね。僕のクラリーチェを傷つけることは赦さない。見た目と同じ中身も劣悪だよ君は」
「酷いわリュート君、本当のことを言っただけよ」
確かに貴族の娘が自ら料理なんて、きっと悪く言われますよね。でも数少ない趣味なので多目に見ていただきたいです。
「もう消えてくれない?君がいると気分が悪くなる」
「あん、リュート君たら照れてるのね。今日は大人しく退散してあげる。また一緒にご飯食べましょうね」
そう言ってアリッサさんは数名の男性を引き連れてカフェテラスから出ていきました。アルフォードさんが最後にちらっと私を見ていましたがどうかしたのでしょうか?
アリッサの性格の悪さがついに出てきました。怒り爆発なリュートはクラリーチェの為に戦います。次回はアルフォード視点でお送りします。