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天然令嬢、弟と一緒に登校する

前半はクラリーチェ視点で後半のちょっとだけリュート視点になります。

「うふふっ」

「なんだか嬉しそうだねクラリーチェ」

「当たり前です!今日からリュートも一緒に学校に行けるのですもの!」


皆様ごきげんよう。クラリーチェ・アストロフです。今日の私はとってもご機嫌です。だって今日から弟のリュートと一緒に学校に行けるのですから!憧れていたんです、姉弟で揃って学校に行くことに。ですから昨日は楽しみすぎてよく眠れませんでした。授業中に寝てしまわないか心配です。


「そうだ、僕クラリーチェと一緒のクラスだよ」

「あら、そうなのですか?」


確か私の方が1つ歳上だった気がするのですが・・・


「学力的にクラリーチェと同じ学年でも大丈夫だと言われたんだ。だったら僕はクラリーチェと一緒に居たいし、喜んでお願いした訳さ」

「そうなのですね!リュートは頭も良いのですね!」


姉としてとても誇りに思いますわ!そして私と一緒に居たいなんて・・・きっと家族の絆をもっと強くしたいのですね!私も同じ気持ちですわ!


「素晴らしい弟がいて私幸せですわ!」

「弟か・・・うん、まあ今はそういうことにしておいてよ」


あら?リュートが悄気ていますわ。なにかあったのでしょうか。なんでもないと言っていますし、きっと大丈夫ですよね。リュートは学校に着くと職員室に向かうと言うことなので玄関で別れました。私はそのまま自分の教室に向かいます。


「おはようございます」


教室に入り挨拶をするとあちらこちらから同じように返してくださります。だいぶ皆様とも親しくなって私的にはもうお友達になったのではないかと思うのです。着々とお友達が増えていって満足です。


「おはようクラリーチェ!」

「あ、おはようございますチェルシーさん」


キャラメル色の髪を揺らしてやった来たチェルシーさんは何故か顔がにやにやしています。折角の可愛いお顔が台無しです。


「見たよ、見ちゃったよぉ。クラリーチェも隅に置けないねぇ。あんな美形どこで見つけたのよ」

「なんのことでしょうか」


クラリーチェさんの言いたいことがさっぱりです。そこにサリーンさんがやって来て私に説明をしてくれました。


「さっき窓からクラリーチェと男子生徒が一緒に登校しているのを目撃したチェルシーがあれは誰かと聞いているのよ」

「成る程・・・彼はリュート・アストロフ、私の弟ですわ」



確かにリュートはとっても綺麗な男の子ですもの。チェルシーさんが気になるのは仕方ないことですわ。


「弟?クラリーチェ弟いたっけ?」

「先週、私用があるとチェルシーさんのお誘いをお断りしたでしょう?あのときにリュートが私の弟になったことを知らされたのです」

「確かクラリーチェの家には男の兄弟がいなかったものね。それを見越しての養子縁組ということね」

「さすがですわサリーンさん!」


サリーンはクラス委員をしているだけあって頭も良いのです。美人で頭も良いなんて羨ましいですね。


「弟もこのクラスなんです。是非仲良くしてあげてくださいね?」

「私もその弟君と仲良くなりたいわ」

「アリッサさん?」


突然アリッサさんが現れました。可笑しいですね、先程まで男の方とお話していたような気がするのですが・・・


「え、ええ・・・それは勿論、弟も早くお友達を増やしたいでしょうし」

「ふふっ、私がとーっても親切に色々教えてあげるわ。だから貴女はなにもしなくて宜しいのよ?」


それだけ言うとアリッサさんはまた別の男の方のもとに行ってしまいました。なんだったのでしょうか・・・



「彼女の目的が分かりやすすぎて失笑ものだわ」

「本当にね。まあクラリーチェの弟ならあの子の毒牙にかからないと思うけどね」


目的?毒牙?お2人の言っていることが分からず首をかしげていると予鈴が鳴りました。



暫くすると先生とリュートが教室に入ってきます。リュートを見て女の子達がざわついています。それはそうでしょう、リュートはとっても素敵ですからね!姉としてとても鼻高々な気持ちで見ているとふっとリュートと目が合いました。リュートは引き締めていた表情を一瞬だけ弛めるとすぐに元に戻します。やはり緊張しているのでしょう。私が皆様とリュートの架け橋とならなければ!



静かに決意表明をしていると、リュートが自己紹介を始めました。



「リュート・アストロフです、宜しく」


リュート、それだけですか?普段の貴方はもっとお喋りですよね?まさかのリュートの言動にきょとんとしている間にリュートは自分の席に行ってしまいました。そして休憩時間になると、リュートは私のところへ真っ直ぐやって来ました。


「クラリーチェとは席離れちゃったね」

「それは仕方ないことですわ。それよりもあの自己紹介はないですわ。もっとなにかあるでしょう?」


ここは姉として注意しておきましょう。


「僕はクラリーチェと一緒に居るためにここにいるんだ。他に興味なんてないよ」


しれっと悪気もなくリュートは言いました。どうしましょう、リュートが反抗期です。お父様、こんな時どうしたら良いのでしょうか・・・


「凄い弟だねクラリーチェ」

「チェルシーさん」


けらけら笑いながらやって来たチェルシーさんを恨めしげに見つめます。こっちは初めての反抗期にどうしたらいいか悩んでいますのに!


「クラリーチェの為にも、少しは周りと打ち解ける努力はしたほうがいいわよ?貴方が将来侯爵になったときにも困らないでしょうしね」

「サリーンさん」


わ、私が言わなければならないことを言ってくださってありがとうございます。


「クラリーチェ、この2人は?」

「私のお友達のサリーンさんとチェルシーさんです」


宜しくと言うお2人にリュートもお返事をします。少しは仲良くする気持ちになってくれたことに安堵します。


「クラリーチェ、私のことも紹介してよ!私はアリッサよ。仲良くしましょうね」


アリッサさん、とても積極的にお友達になろうと思ってくださるのは良いことなんですけど、リュートの顔がとても険しいです。


「申し訳ないけど、貴方と仲良くするつもりはないよ」

「なっ・・・!」


リュートの冷えた視線にアリッサさんだけではなく私達も固まります。一体どうしたのでしょうか。




*************


リュート視点



クラリーチェと同じクラスになれて、クラリーチェの友人だと言われる2人を紹介されて、クラリーチェの一部を知ることができて嬉しい気持ちになれていたのに、なんだこの女は。クラリーチェの友人と言っている割にまったくと言っていいほどクラリーチェへの交友度は低いしなによりこの女の目が明らかに僕だけに向かっている。言うならば獲物に狙いを定めたハイエナだな。見た目だってクラリーチェに比べてかなり見劣りするのになんだこの自信は。はっきり言って嫌悪感しか湧かない。クラリーチェが同じ空間にいなかったらどんな汚い言葉を使っていたか分からない。




ただはっきり分かることはある。それはこの女がクラリーチェにとって害悪にしかならないということだ。

リュート、アリッサが物凄く嫌いです。だってクラリーチェ信者だもの。そろそろ新キャラを登場させたい。

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[一言] リュート君が、早くも番犬として覚醒した!
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