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天然令嬢、擬似天使に出会う

ロッシュ視点で登場した最後の攻略者ナルガ登場です。

「君がロッシュの言ってた小鳥ちゃんかなぁ?」

「小鳥?私は人ですよ?」


私の前に現れたのは銀色の髪の綺麗な男の人でした。この日はサリーンさん、チェルシーさんと一緒に前々から約束していた人気のカフェへ訪れたのです。甘いケーキと匂い立つ紅茶が食欲と話に華を咲かせます。


「最近のクラリーチェの周りはとっても賑やかになったよね」

「そうですか?」

「自覚はないのね。貴女の弟君を筆頭に公爵家嫡男や図書室の君・・・とても話題性に富んだ人達よ」

「あのアリッサが侍らせてた人達だしね。弟君は入らないけど」


そう言えば、アルフォードさんもロッシュさんも、アリッサさんと一緒に居たのですよね。最近はそれも見ることはなくなったのですけど。アルフォードさんはよくお昼をご一緒します。ロッシュさんは図書室で物語についてお互いの見解を話し合います。リュートは弟ですからほとんど一緒ですね。



「なんかね、アリッサが徘徊して公爵様達を探してるんだって。でも見つからないし上手く撒かれてるからイライラしてるのよ。顔凄いことになってたもん」


ぱくっとケーキを頬張りながらチェルシーさんは楽しそうにお話しされます。サリーンさんは綺麗な作法で紅茶を飲まれます。


「ちやほやされていたのだから当然かもしれないわね。1人に絞っていればいいものを、全員に好意を露にするなんて非常識よ。あ、ここにいたわね。その手の感情なしで接してしまったが為に好意を寄せられている子が」


サリーンとチェルシーさんが私に視線を集中させます。私の顔になにかついているのでしょうか。気になって顔を隈無く触ってみますがなにも着いていなくて安心しました。


「うん、クラリーチェは安定のおとぼけさんだね!いいよ、そのまま何も知らないでいたらいいよ!」

「私達は困らないしね」


私、誉められているのでしょうか・・・





サリーンさん達との楽しい一時が終わり、私は迎えの馬車を店先で待っていました。歩いて帰れると言ったのですが危ないからとお父様とリュートに反対されたのです。待っている間は時間があったので目に見える人達を監察していました。賑やかな野菜売りのおばさんや松明を自在に操る曲芸師、仲良く手を繋いで走る小さな兄弟・・・見ているととても楽しくて待っていることすら忘れるほどでした。



「ねえねえ、君みたいな可愛い女の子がこんなところで1人は危ないよ?」

「ふぇ?」


突然声を掛けられて吃驚した私は変な声をあげてしまいました。とても恥ずかしくて下を向いてしまいましたが、追い討ちをかけるようにさらに声をかけられて振り向かないわけにもいかず仕方なく顔をあげました。まず最初に惹かれたのは綺麗な銀色の髪でした。太陽の光を浴びてきらきらと輝く銀色に一瞬にして心を鷲掴みにされたのです。天使がいるとしたらきっと彼のように綺麗な銀の髪を持っているのだとそう思いました。


「あれ?もしかして君が・・・」


天使さんが銀の髪を靡かせています。私のことをしっているのでしょうか。


「やっぱりそうだ!ロッシュが言っていた小鳥ちゃんだね。うん、ロッシュの言ってた通りとても魅力的な小鳥ちゃんだ」

「あの、私は小鳥ではないです」


どうやらこの天使さんはロッシュさんのお知り合いのようです。ロッシュさんは私のことを一体なんと説明したのでしょうか。


「喩えとして言っただけだよ。小鳥のように可愛くて籠に閉じ込めちゃいたいってことだよ」

「監禁は犯罪ですよ?」


ロッシュさんのお知り合いの天使さんは危険な方のようです。私の言葉にきょとんとしましたが次の瞬間大きな声で笑いだしました。



「くっははははは!!君面白いねっ!!」


お腹を抱えて笑う天使さんにお腹の中がむかむかとするのは気のせいでしょうか。




天使さんの印象が、良いものにならなかったのはこのせいだと思いました。





クラリーチェのナルガへの印象はがっくりと落ちました。残念!

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