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天然令嬢、初めてのお友達ができる

令嬢がヒロインざまぁする小説が面白くて自分でも書いてみました。しかし積極的に行動してヒロインを貶める活動的な令嬢とは違い、自分でも気づかないうちにヒロインから自分に矢印を軌道修正する天然令嬢を目指して書きますのでクレームは受け付けません!!10話以内に終わると思います・・・たぶん。

初めまして。(わたくし)の名前はクラリーチェ・アストロフ、アストロフ侯爵家の一人娘です。実は私、お友達というものがおりませんで・・・その事を嘆いてお父様に相談したら、なら学校に行ってみないかと言われました。国運営の王立学園には貴族や一般の家庭の子供が色々と学ぶために通っているそうです。本来ならば私も通うべきなのでは?とも思ったのですが家庭教師の方からも同じものを学ぶことができましたからお父様は行く必要はないと判断なさったようです。折角沢山の方と知り合えるのですから、お友達になってくださる奇特な方がいらっしゃるとよいのだけれど・・・




「クラリーチェ・アストロフです。学校というものは初めてで、分からないことばかりですが仲良くしていただけたら嬉しいですわ」


編入試験というものを無事に合格して、私は今、同じクラスになる方々の前で挨拶をします。お父様ににっこり微笑んでいれば大丈夫だと言われたので言葉の最後ににっこりと笑みを浮かべました。あら?皆様お顔が真っ赤ですわ。もうすぐ夏ですものね、きっと暑くなってしまったのでしょうね。先生に促されて私は窓際寄りの空いている席に腰を降ろします。ああ、私と変わらぬ年齢の方がこんなにいらっしゃるなんて夢のようです。こういう時はどちらから声をかけるものなのかしら・・・?




「アストロフさん」

「はい?」


休み時間になると一人の女の子が話しかけてくれました。その方は随分と愛らしいお顔をしています。


「私はアリッサ・ディストリーよ」

「アリッサさん?」


ディストリー家は確か子爵家でしたわね。でも私の知っている限りディストリー家には娘はいないはずでは?


「私は養女なの。もとは孤児院にいたのをお義父様が見初めて娘に迎えてくれたのよ」

「まあそうでしたの!とても素敵なお話ですわ」

「・・・・・・」


彼女はきっと素晴らしいものをお持ちなのね。こんなに可愛い方なのですもの。


「良かったらお友達にならない?知らない場所でさぞ心細いでしょう?」

「宜しいのですか?嬉しいですわ!私、初めてお友達が出来ました!よろしくお願いしますねアリッサさん!私のことはクラリーチェとお呼びくださいませ!」

「え、ええ・・・宜しくねクラリーチェ」



やりましたわお父様。私、転校初日にしてもうお友達ができました!この調子で沢山の方とお友達になりたいと思いますわ!






**************



アリッサ視点



私はアリッサ・ディストリー。もとは孤児院育ちだったけどつい先日ディストリー家の養女になったばかりなの。どうやってお義父様の目に留まったかって?ふふっ、実は私は転生者なの。前の私はどこにでもいる冴えない女子校生だったわ。だからゲームや小説ばかりに夢中になっていた。その夢中になったものの一つにこの世界があったわけ。孤児院育ちの女の子が一夜にして子爵家令嬢になって数多の美形と恋に落ちる。その内容はとても甘美でもし生まれ変わるなら絶対にこの物語のヒロインになりたいと思っていたの。そうしたら見事私はヒロインとして転生した。ストーリー通り私は養女として迎えられ物語の基盤である王立学園に入学した。そこで出会った攻略者達に日々愛を囁かれて幸福の絶頂を迎えていた私のもとへ突然イレギュラーが現れた。それがクラリーチェ・アストロフだ。



クラリーチェ・アストロフという人物はこの物語には登場しない。確か最後の隠しキャラであるアストロフ家の義息の姉という設定はあるけど物語自体に関わらないし隠しキャラと出会う前にどこかに嫁いでいるはずだ。その彼女が何故ここにいるのか・・・予期せぬ事態に混乱しながらも、これはチャンスだと思った。彼女を足掛かりに最後の攻略キャラを私のものにしようと。そう考えた私は直ぐに行動を起こした。



友達が出来たと喜ぶ彼女を、私は内心で嘲笑った。貴女はただの捨て駒よ。貴女の役目は私に最後の攻略者を提供することだけなんですからね。






しかし私はこの時既に後悔してもしきれない失敗を犯していたのだ。そう、彼女を友人にしてしまったことこそ、私のハーレムが崩れ去る元凶そのもの。この時の私はそのことに気付かず心の中で高笑いをしていたのだった。



自称ヒロインの性格の悪さを出せていたらいいのですが・・・まあ彼女の目立った活躍は一旦ここまで。ちょいちょい噛ませ犬的には出しますけどね。

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