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喫茶店物語〜ブレイクタイム〜




「ねぇ、なんで王都なんて来たんだい」


大通りにあったカフェでキャラメルマキアートキャラメルマシマシを飲む彼女に僕は思わず尋ねた。

ちなみに僕はブラックコーヒー。

キリッとブラックコーヒーだ。

男だからね、男はカフェではキリッとブラックコーヒーを飲まなくちゃいけないんだよ。

それは男女平等が叫ばれたって守らなくちゃいけない流儀みたいなものだ。

たとえ連れている女性や友人が甘い甘い美味そうなカロリーの高そうな美味しそうなものを飲んでいたって、そこは曲げちゃいけない。

ああ、なんて僕はイケメンなのだろう。

ブラックコーヒーの美味しさとか知らないけれどブラック飲んでる僕格好良いな。

自然と顔もキリッとするんじゃないか。

今の僕の容姿、めちゃくちゃ格好いいんじゃないか。


「なんとなく、ですわね」


細指を交えてテーブルに肘をついた彼女は折り重なった指の上に顎を置いてそっぽを向いてしまった。

つんと尖った鼻が印象的な整った横顔に憂うような長いまつげがサマになる。

僕もすかさず微笑してブラックコーヒーを一口啜ってやった。

はたから見たらこの空間、凄くサマになってるだろうな。

雰囲気ありまくりって感じなんだろうな。ふんふん。


「にやにやして気持ち悪いですわよ」


目だけこちらに向けた彼女に一蹴された。

どこがだ。

素晴らしい微笑みを気持ち悪いだなんて価値観狂っているんじゃないか。馬鹿なのか。

まつげで世界が全部五割増しで暗く酷く見えているんじゃないか。

君こそその長いまつげゲジゲジみたいで気持ち悪いぞ。

言い過ぎた、僕は落ち着くためにコーヒーを一口啜ろうとしたがその黒い水面にうつる自分があまりにも不細工で閉口せざるをえなかった。

二つの意味の苦さに顔を歪める僕を見る彼女の顔が不思議と微笑んでいるように見える。いや、本当に僕を見ているのか怪しい。

僕の後ろを見え微笑んでいるのか。

一体誰に対してだろう。思わず僕は体を捻って後ろを向いた。

それと同時に


「ねぇ、あの人なんていいんじゃないかしら」


と、声がする。


「何に?」


「仲間に」





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