博士と助手の中田くん2
何も言う事はあるまい。
「前の話みたいにうまいオチが作れると思ったか!? んな訳ねえだろ!!」
博士が叫んだ。
「博士。あのおやじギャクは別にうまくもなんともなかったですよ」
助手の中田くんがツッコんだ。
「いやあ、そんな事言わないでさあ。よっ! 流石! M‐1優勝できんじゃね!? とか言ってくれよお」
「博士。M‐1はもう終わってますよ」
「知ってるよ!!」
ここはとある場所にあるとある研究所である。
何を研究しているのかは全く分からない。
なので今回は人間の性について研究している事にする。
「事にするって……」
「博士!!」
「おおっ!?」
いつもクールな中田くんが突如叫んだ事ですこぶる驚いた博士。
「なんだなんだ俺はボケ役なんだからあまりツッコませないでくれよ」
中田君は血走った目でこう言った。
「実は中田くんと言うキャラクターは前回一人称を使ってなかったんです。元々男にするか女にするか迷っていてここは腹を括って男にするかと思っていたら後であ、一人称使わせてなかったどうしよう。となったらしいんですよ」
「おう……もう、何と言うか、そうか……」
色々言い過ぎてツッコむ事もできなくなってしまった博士だが、中田くんは気にせず続ける。
「と、言う訳で。今回は中田くんの性別をどっちか決めましょう。ちなみにリアルタイムで考えながら書いてます」
「なあこれ暇つぶしだよな」
核心に触れた博士の言葉は無視された。
さて、ではまず中田くんから。
「そうですね……中田くんはまず地の文と博士からの二人称が中田”くん”なんですよね。となると『男』である可能性が高くなってきますが、これでは性別を決める決定的な理由には成り得ませんね」
では、博士。
「え、これなんなの。これってこう言う感じに文句言ってたら何か言われる系のヤツだよね。何してんだよ早く答えろよみたいな『普通のノリの人がおかしい』みたいな流れになる系のヤツだよね」
「何々系のとか女子高生かッ!!」
「流石ツッコミ役の中田くんだあ」
では博士、どうぞ。
「あー、うん。まあ、俺としては萌えキャラが欲しいから中田くんロリ説推しで」
成る程……
「ソレだッ!!」
「中田くん絶対誰か乗り移ってるよな!? 作者とか作者とか作者とか!!」
「博士あなたはやはり天才だ博士と言われるだけはある」
「なあ中田くんお前はそれでいいのか? 後で後悔しないか……?」
「これはそう言うお話ですから後でどうとでもできます」
「そう言う事言っちゃう……? いや、もういいか……」
と言う訳で性別をすっ飛ばして中田くんはロリになったのでした。
「博士。どうです! 私幼女になりましたよ!!」
「お、おお……普通に可愛いな……まあ文字だけだと伝わらんと思うが……」
身長は平均的な身長の男性が立った時の腰の辺りだろうか。
きっとお気に入りなのだろう。シャンプーのいい香りがその黒くきめ細かい後ろで一つに束ねられた髪から漂い、触れただけで折れてしまいそうなくらいに華奢な体はラインを崩さず頭の先から足の先まで丁度いいバランスで整えられている様だ。
頭を撫でる時の気持ちよさそうな笑顔は、それを見る為なら世界を掛けた戦いを終わらせられるくらいの美しくも儚さを残しそれでいて無邪気でどうやって困らせてやろうかと言う悪戯っ子な面も黒い瞳の中に覗かせておりそれを引き立てる八重歯がまたキュートである。
彼女はまるで陽だまり、夢の中に出てきてもおかしくはない。彼女が歩くだけで僕の心も弾み、彼女の言葉一つ一つはコンサートホールに響く小さなトライアングルの音。それはきっとトランペットやコントラバスの音に隠れてしまうのかもしれない。それでも僕の耳には彼女は声ははっきりと聞こえる。彼女の声は天使の歌声、僕の中に響き渡る僕と彼女の壮大な狂詩曲。
もしサキュバスが現れるのなら化けるのは彼女の姿だろう。だが僕にとって彼女は一人だけ。掛け替えのない、たった一人の、ロリータ。
「最後のはなんだよそして長いよ!! 恐いよ!! 気持ち悪いよ!!」
「これ考えるのかなり頑張ったんですからね」