短冊の挿話〜dream comes true〜
ボクは冒険に出かけた。
夢を叶えるために。
夢を叶えたら、死んだってかまわない。
男のロマンなんだ、これは。
ボクはとっても力持ちだ。
自分の何倍もの荷物だって運べちゃうんだよ。
それに、どんなに遠くに出かけても、迷子になったりはしないんだ。
みんなでそろぞろ歩いていくからなんだけどね。
それにね、ボクが主役の物語もあるんだよ。
その物語では、きりぎりすの奴らが反面教師、ボクが見本なんだ。
言い得て妙だよね。
ボクらの夢は、四葉のクローバーを見つけること。
簡単だって思うやつもいるかもしれないけど、
それはそれは壮大な夢なんだよ。
四葉のクローバーを見つけたら、英雄になれる。
ね、大きな夢だろ?
ある日、ボクは女王さまにもみんなにもわからないように
旅に出た。
とりあえずまっすぐに歩いてみて、たどり着いたのが赤い屋根のおうちだった。
とりあえず中に入ってみたんだ。そしたらね…
あったんだよ、四葉のクローバーが!
こんなに簡単に見つかるなんて、ボクはなんて運がいいんだろう!
それで、しおりにしてあるそれを何とかして運びだそうと思って
近くに寄った。なんせ力持ちだからね。
ずっと考えてそこにいたら、ちいさな女の子が部屋にはいってきた。
そして。
これは運命のいたずらっていうのかな。
女の子はボクに気づかずに。
ノートをパタンと閉じて。
上におもちゃを乗せちゃったんだ。