第1章 第7話 神纏と神流
半巨人の振り下ろすこん棒は寺の縁側を直撃した。
小さなクレーターのように陥没した穴には3人の遺体は転がってはいなかった
3人は庭のほうに避けると
「レオ、貴方は敵の前に出て撹乱をして」
「あいよ」
「カインは私と一緒に後方から魔術で敵を攻撃」
「了解」
「じゃあ各自敵の攻撃に当たらないようにあれは一撃必殺の攻撃よ」
「「分かったよ」」
3人が臨戦態勢に入り叫んだ
「「「【神纏】【神流】」」」
同時に叫ぶと三人の周りの空間が歪み今までなかったものが現れる
魔力を持つか弱い人類が他の種族に対抗するために編み出した
人類だけが使える戦う道具
神纏それは外界外的から自身を守る防具
神流それは自身の力を限界まで引き出しあらゆる障害を打ち砕く武器
どちらも一つとして同じものがなく自身の潜在能力を引き出し自身の力に合わせて進化する最高の宝具
ミアの指示どうり三人は半巨人と戦い始めていた
しかし、無尽蔵の体力と力を誇る半巨人に対して3人はまだ実力不足だった
数分もすると肩で息をし始め敵の攻撃がかすり始めた頼りであるカインの魔法攻撃もこん棒で搔き消され
たまにあたってもかすり傷一つつけられずにいた
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一方、退却中のシルトとミアは・・・
「やっぱりだめだこのままいくなんて3人を置いてはいけない」
振り返って歩き出そうとするとシロに手をつかまれた
「貴方が行っても何もできませんよ」
シロの言葉が心に突き刺さる
「それにもう遅いです」
シロの言葉にシルトは耳を疑った
「シロそれはどういうことだ」
シロは口を閉ざした
「シロ命令だ説明しろ」
シルトが怒鳴った普段怒る事の無いシルトの怒声は迫力が違った
「あの三人では下級とはいえ半巨人を倒すことは不可能でしょう・・・」
シルトはそれ以上怒りを外に出すことなく凛とした雰囲気を出していた
「シロ今すぐ手を離せコレは命令だ」
とても静かだ一転の曇りも無い声で呟いた
「できませんたとえ貴方の命令でもまだ覚醒していない貴方を」
すると
「もう一度いう放せ」
根気負けしてシロが手を離すとシルトは今きた道を戻りだした
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敵の攻撃におされ気味になりダメージの大きいレオを後退させて三人で魔術攻撃をしていた
「さすがに魔力が・・・」
「俺も体力が・・・」
レオとカインの弱気の声を聞いて喝を入れるミア、しかし三人とも限界ギリギリだった
予想以上にすばやい敵の動きに逃げることもできずに防戦一方になっていた。
「ぐっ!!」
そして敵の動きがカインの脇腹をかすりほとんど行動不能の状態にした
「水よ我に従い堅牢な壁となれ 水術捌式 氷晶壁」
ミアが心配して防御呪文を唱え
「大丈夫か!?」
レオはカインの前で壁になった
ミアはほぼすべての魔力を使い切り
カインは移動できるような状態ではなく
レオも逃げ切るほどの体力がなくなっていた
ミアの術で何とかしのいでいたが2発3発とこん棒の攻撃を受け続けるうちに
氷の壁にも細かいヒビが入り始めそして5発目で完全に砕けてしまった
これど終わりだと言わんばかりにこん棒を振り下ろした・・・