第1章 第6話 半巨人と神纏
平和な日常に突如として現れる半巨人
亡者たちの叫びのような声を発しながら
振り下ろされるこん棒は三人めがけて振り下ろされた
全員が足音のする方向に注目するとそ鳥居の上にヒトの顔のようなものが上下に動いてた・・・
「おい・・・あれヒトの顔だよな・・・生首か?」
信じられない様子のレオンにカインが
「いや・・・動いているし生きてるんじゃないか?」
こちらも自分の目を疑っているようだった
二人だけでなくシロ以外この場にいる全員が自分の見ている光景が信じられなかった。
「あれは半巨人族です」
全員に聞こえる声でシロが言った
「半巨人族ってあの亜人種の?」
その言葉にミアが問いかけた
「亜人は居住区の中には入れるはずがありません。それに居住区の結界が破られたら寺の巫女である私が分からないはずがないでしょう」
居住区の結界、普段はまったく気に止めないものであるが結界のおかげで居住区の外から来る害獣や亜人種から居住区が守られている。 そしてその結界を維持しているのが寺でありその中に住んでいる巫女がはる結界が破られた場合真っ先に巫女が感知するはずなのである
「可能性は3つ、一つ目は何らかの術により結界内への侵入 二つ目は結界に感知していない隙間がある三つ目は結界内部に侵入に協力したものが要ることです」
ミアが説明している間にも半巨人は接近してきて後数歩のところで止った
「オオオオオオオオオオオオオ……」
聞くに堪えない低い声が半巨人の口から発せられた地の底から響く亡者たちの叫びのような声
「人語を話さない…下級亜人種か」
半巨人の声を聞いてシロが呟いた
「しかし主がまだ覚醒していないこの状態では圧倒的に不利だ・・・私もまだ不完全だ」
機械の様に無機質な声だとシルトは感じた
「シルト様此処は一時退却しましょう今のままでは全滅必至です」
「え…でも」
戸惑うシルトそんなシルトを見てカインが叫んだ
「その子の言うとおりだ早く行け【神纏】《カムイ》も使えないお前が居ても足出まいなだけだ」
シロに引っ張られてシルトが走りだす
「みんなを置いては行けないよ」
戻ろうとするシルトにシロは
「あの少年の言うとおりです 今のシルト様がいっても邪魔になるだけです」
シロのその言葉に黙ってシルトは走り出した
「レオカッコイイ」
「ミア、レオをおだてないさてこいつどうしようか」
小ばかにするミアを制しながらカインが行った
「どうするもこうするもやるしかないでしょう」
レオが言い終わると同時に半巨人の持っていたこん棒が三人めがけて振り下ろされた・・・