第1章 第11話 疾風と彌煉
ミアの寮からの帰り道シルトはミアの話を思い出していた
竜殺者竜を殺しその力を手に入れたもの・・・
御伽話や英雄伝など数多くの本や口伝などで語り継がれ知らないものは居ないほど有名な存在
「竜殺者かまさかそんなすごい人の刻印が出るなんて」
しかし、竜殺者と魔術師では決定的な違いがある
竜殺者は竜を殺し後天的に刻印を手に入れるそれは竜は下級種でも魔法を使うからであり竜殺者は人類とは異なる魔術形式を持つ
そんなことを考えながら歩いていると前からシロが走ってきた
「どうしたのシロ?」
僕を見つけるとシロは血相を変えてこういった
「逃げますよ主シルト」
「はい?」
いきなりのことで反応が遅れる
シュン
大気が切り裂かれる音と共に後ろにあった木が倒れる
「始めまして星剣の主にして星の王シルト様」
白いマントを羽織った男が話しかけてきた
「誰ですかあなたは」
シルトは後ずさりながら尋ねた
「ほぅこの状況で私の名を尋ねるということは相当自信家か冥土の土産がほしいと見える」
なんかわけの分からないこと行っているなと思っていると
「私の名前はトゥワイス 貴方を殺すものです」
言い終わるとトゥワイスはマントの中から身の丈の倍はあるであろう大剣を取り出した
ちょっとそれどこから出したんだっという考えを心の奥底にしまった
「それではさようなら星の王」
トゥワイスが大剣を振るとそこから発生した不可視の風の刃がシルトの身体を切り裂こうと迫ってくる
しかし、風の刃はシルトに届くことはなく目の前に居たシロの魔術防壁にかき消された
しかしトゥワイスは次々と不可視の刃を発生させ8発目で防壁ごとシロを吹き飛ばした
急いでシルトがシロの元に駆け寄るとシロはシルトに小さな声で
「に…げて…ください…しると」
言い終わるとシロは力尽きたかのようにぐったりとして気絶した
「おや?殺し損ねましたか」
トゥワイスは珍しいものを見るような目でシルトたちを見つめていたが
その声はシルトには届いていなかった
シロを寝かせるとシルトはすっと立ち上がりトゥワイスを睨みつけていた
そして小さな声で呟いた
「【神流・疾風】」
腕輪が白く輝くとシルトの手には碧色の大鎌がにぎられていた
トゥワイスは目を輝かせながら尋ねてきた
「美しいそれが星剣の別形態ですか」
しかし、シルトはその問に答えることなく一瞬にしてトゥワイスとの距離を縮め首を切り落とそうと鎌を振り下ろした
「すばらしい瞬動をその年で使いこなすとは」
知るとの振り落とした鎌はトゥワイスの体に触れることなく彼の剣に止められた
「そしてこの切れ味私の愛剣・彌煉でなければ剣ごとこの首落されていたでしょう」
シルトはトゥワイスから離れては近づいて切るという攻撃を繰り返していたがそのすべてがトゥワイスと彌煉にはじき返されてしまう
「貴方の攻撃はとても速くて正確だ並のものなら一撃で倒せるでしょう半巨人とか」
その言葉にシルトが反応した
「ふふふ知ってますよ奴をココに入れたのは私の雇い主ですから」
心を呼んだかのように話すトゥワイスの言葉にシルトは
「貴様を倒して雇い主を教えてもらおうか」
「フフフ楽しくなって来ましたが今のままでは私に勝つのは不可能ですよ」
「ならばその剣ごとお前をぶった切る!!」
解説
戦闘中シルトの性格が変わるのは戦闘力の低いシルトを守るため
星剣の防衛本能によって好戦的な性格に変貌しています
シルトの戦闘力が上がれば素のままで戦える様になります