第1章 第10話 刻印と竜殺者
シルトが退院して家に帰ろうとすると近所のヒトの視線がいつもと違うような気がした
(なんか奇異の視線で見られているような)
気になったシルトは刻印が刻まれてからお見舞いに来ることもなくなったミアの住んでいる寮を訪ねることにした
トントン
ミアが住んでいる寮は女子寮なので許可なく入ると大変なことになる
(前に無断で入った男がきっかり半殺しにされたしね)
しばらくすると寮の管理人さんが出てきたので用件を行って入れてもらおうとすると」
「ミアなら最近蔵でむかしの文献とか資料を読み漁っているわよ」
「蔵ですか・・・・」
寺の蔵は許可なく一般人が立ち入れるところではないのであった
「また出直してきますミアさんが変えって来たらシルトが来ていたと伝えてくれませんか」
一礼して立ち去ろうとすると
「君が巨人を倒したって言うシルト君かい?」
管理人さんははシルトの腕を掴みながら尋ねてきた管理人さんの大きな声で寮に住む巫女さんたちが集まってきた
「あの子がシルト君なんだって」
「えぇあの噂の?」
「らしいよ」
「巨人を倒したっていう?」
「私が聞いた話じゃ10体くらい巨人が居たらしいけど」
「うっそ~」
噂に尾びれと鱗と内臓まで付いて広がっていた
困りきったシルトは管理人さんに事の顛末を説明した
必死になって説明していると周りの巫女さん達が「可愛い~」といっているのが聞こえてきた
「それに無我夢中であんまり覚えてないんですよ」
困りきったシルトが帰ろうとすると巫女さんたちが集まってシルトを質問攻めにしていた
誰か助けてーーーーーシルトの心の叫びは虚しく消え去った
しばらくして心身共に疲労しきったシルトの前にミアが現れ強引に腕を握ると強引に部屋に引き込んだ
「ふぅ…シルト、貴方は退院したばかりだから知らないかもしれないけど私たちはこの前の事件のせいでちょっとした有名人なのだから私も朝早くから蔵に篭って夜遅くまで本を呼んでいるの」
「まさかちょっと入院している間にこんなことになっているなんて・・・」
思いのほかめんどくさいことに巻き込まれたな~とシルトは後悔した
「ところでミア蔵で何を調べていたの?」
質問攻めにされた原因について尋ねてみた
「貴方の右腕の刻印について調べてたの魔術の使えなかった貴方じゃ分からないかもしれないけどそんな刻印が出るのは普通じゃないわ」
「それはいったいどういうこと?」
「刻印というものはその者の魔術資質を記号的に現したものなのこの大陸の4大魔術系統でもその他の系統果ては一代限りの突然変異のような系統でも刻印はあわられる」
4大魔術 大陸を東西南北に分けてその地方で主に使われる魔術形式で東方魔術や西方魔術などと呼ばれる
また刻印はそのものの魔術の根幹を表し炎系が得意ならば炎を模した刻印が現れれる動物が現れる場合その動物を召喚できる
「そして魔術陣の基本形である円が刻印として現れた場合より円に近いほうが優秀な魔術師といわれているわ」
そしてシルトの刻印には7つの円と2匹の龍…
「私も巫女として多くの刻印を見てきたけどそんな刻印見たこと無いわ」
「そんなすごいのかな?」
「見慣れない刻印だから蔵で調べてみたのそしたらすごいことが分かったわ」
「すごいこと?」
シルトが尋ねると
「あなた刻印と酷似した刻印を持っているヒトが過去に居たの」
その人は白と黒の竜の刻印を持ち人類史上最も強い竜殺者にして2匹の竜を召喚して使役した最強の竜使い