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昭和に逆行した俺、バブル前に仕込んで億万長者になる  作者: 柿の木


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第41話:流れを作るということ

昼休みのチャイムが鳴る前から、恒一は机の上を整理していた。


紙を三種類。


簡単なもの。

標準のもの。

詳しいもの。


それぞれを分けて、取り出しやすい位置に置く。


「……こんなもんか」


小さく呟く。


昨日決めたルール。


時間を決める。

順番を決める。

数を決める。


それを実際に回す。


今日が、その最初だ。


チャイムが鳴る。


同時に、何人かが近づいてくる。


「今日もいい?」


「ああ」


「順番あるんだよな」


「ある」


簡単に説明する。


昨日使ってない人優先。

今日はこの数まで。


それだけ。


前日よりも、明らかにスムーズだった。


無駄なやり取りが減っている。


「じゃあ俺後で」


「俺も」


自然と流れができる。


(……回るな)


そう思う。


決めたルールが機能している。


一人に紙を渡す。


簡単なもの。


「これでいい?」


「うん」


すぐに読み始める。


もう一人には、標準のものを渡す。


昨日の時点で、少し理解が早かった相手だ。


(……分けるのも効いてるな)


全員に同じものを渡すより、明らかに反応がいい。


無駄が少ない。


だが、問題はすぐに出てきた。


「これ、違うって言われた」


一人がそう言って戻ってくる。


「何が?」


「先生に見せたら、“もう少し書きなさい”って」


「どこ?」


見せてもらう。


確かに、少し短い。


中心だけに絞りすぎている。


「……削りすぎだな」


小さく呟く。


簡単なものは、入りとしてはいい。

だが、それだけだと足りない場面がある。


「これ、最初にこれ書いて、そのあと一つだけ足せ」


「足す?」


「理由でもいいし、様子でもいい」


「なるほど」


相手はその場で書き足す。


数分後、戻ってくる。


「通った」


「それでいい」


そのやり取りを見ながら、恒一は考える。


(これ、紙だけじゃ足りないな)


最低限は伝えられる。

だが、状況によっては補足が必要になる。


つまり――


「導線、か」


小さく呟く。


紙で基本を渡す。

足りない部分は、直接補足する。


その流れを作る。


それが必要だ。


別の子がやってくる。


「これ、コピーした」


「ああ」


「でもさ、これ見ただけだと、どこまで書けばいいかわかんない」


「どの部分?」


「ここ」


やはり同じポイント。


「……ここに一行足すか」


紙を受け取り、その場で書き足す。


“少しだけ具体的に書く”


それだけ。


「これでどう?」


「……ああ、わかる」


その反応を見て、確信する。


(補助がいるな)


完全に紙だけで完結させるのは無理だ。


だが、それでいい。


全部を一枚に詰め込むと、逆に重くなる。


なら、分ける。


基本と補助。


その二段構え。


昼休みの終わり頃、紙はほぼなくなっていた。


「また明日ある?」


「ああ」


「頼むわ」


その言葉を聞きながら、恒一は軽く頷く。


(需要は安定してきたな)


問題は、どう回すかだ。


放課後、家に帰る。


机に向かい、今日の流れを整理する。


ノートに書く。


・紙だけでは足りない場面あり

・補助が必要

・導線を作る


ペンを止める。


そのあと、少し考えて書き足す。


「一枚で完結させない」


これが重要だった。


前世では、よくやっていた失敗だ。


全部を一つにまとめようとする。

結果、重くなって使われない。


今は違う。


分ける。


軽くする。


その分、流れで補う。


「……次はこれだな」


新しい紙を作り始める。


今度は、“補助用”。


よくある失敗と、その対処。


・短すぎる

・わかりにくい

・途中で止まる


それぞれに、一行だけ対策を書く。


「これくらいでいい」


詰め込みすぎない。


必要なときに使うものだからだ。


三種類の基本。

一枚の補助。


合計四枚。


机に並べる。


「……形になってきたな」


自然にそう思う。


最初は、その場の対応だった。


今は違う。


仕組みとして動き始めている。


夜、原稿に向かう。


今日のテーマは明確だ。


“流れを作る”


紙だけでは足りない。

だが、補助を入れることで回る。


その構造を文章にする。


書きながら、自然と整理される。


どこで切るか。

どこで残すか。


前よりも迷いが少ない。


「……これでいい」


書き終える。


前よりも一段、構造がはっきりしている。


ただの体験ではない。

流れとして読める。


封筒に入れる。


今回は迷わない。


外に出る。


ポストの前に立つ。


(これも見られる)


その感覚が、もう当たり前になっている。


投函する。


音がする。


それで十分だ。


家に戻り、布団に入る。


目を閉じると、今日の流れが浮かぶ。


広がる。

ズレる。

補う。

回す。


その循環が、少しずつ安定してきている。


「……悪くない」


そう呟く。


まだ小さい。


だが、確実に動いている。


そして、その動きは外にも繋がっている。


見ているかどうかは関係ない。


見られている前提で動く。


それだけで、精度は上がる。


「……次は」


小さく考える。


広げるか。

深くするか。

それとも、もう一段整えるか。


選択肢が増えている。


それ自体が、進んでいる証拠だった。


目を閉じる。


流れは作れた。


あとは、それをどこまで伸ばすか。


その段階に、確実に入っていた。

私の2作目

「神様転生したはずが赤ん坊の自分に転生していた件」

この作品は一言で言うと神様に笑われた男が世界を笑えなくするです。(自分でも導入で笑ってしまいました)

良かったらどうぞよろしくお願いします

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