表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
昭和に逆行した俺、バブル前に仕込んで億万長者になる  作者: 柿の木


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/50

挿話⑫ 安定の先にあるもの

編集部の午後は、独特のざわつきを持っている。


電話のベルが鳴る。

誰かが急ぎ足で通り過ぎる。

紙の擦れる音と、低く交わされる会話。


その中で、中村宏太は机の上に置かれた封筒の束を前にしていた。


読者投稿。


雑誌の中では決して主役ではない。

だが、確実に“雑誌の温度”を作る場所。


中村は一通の封筒を手に取る。


見慣れた名前。


ペンネーム。


もう、探す必要もない。

自然と手が止まる。


「……来てるな」


封を切る。


紙を取り出し、視線を落とす。


数行読む。


そこで、すでに判断がつく。


(今回もいい)


大きく変わったわけではない。

劇的な進化でもない。


だが、確実に“外さない”。


それが何より強い。


文章は相変わらず素朴だ。

だが、無理がない。


前はどこかにあった“狙いすぎ”が消えている。

自然に読ませる。


読者投稿欄に必要な温度に、きちんと収まっている。


「……安定してきたな」


小さく呟く。


安定。


この言葉は、軽く見られがちだ。

だが編集部にとっては、何より価値がある。


一回だけ面白いものを書く人間はいくらでもいる。

だが、続けて一定以上のものを出せる人間は少ない。


それは才能ではなく、構造だ。


自分で修正している。

誌面を見ている。

通る形を覚えている。


そのすべてが、文章に出ている。


「またその子か?」


隣から声がかかる。


中村は顔を上げずに答える。


「はい」


「そんなにいいのか」


「いいですね」


短く言い切る。


渡す。


相手も読む。


数秒後、同じように頷いた。


「……外さないな」


その一言で十分だった。


評価は共有されている。


中村は原稿を机の上に戻しながら考える。


(ここから先だな)


安定している投稿者。


それはそれで価値がある。


だが、それだけで終わるかどうかは別だ。


このまま投稿欄で続けるのか。

それとも、別の場所へ出てくるのか。


それは本人次第だ。


だが少なくとも、このペンネームはもう“その他”ではない。


編集部の中で、ちゃんと認識されている。


それは、静かだが確実な一歩だった。

私の2作目

「神様転生したはずが赤ん坊の自分に転生していた件」

この作品は一言で言うと神様に笑われた男が世界を笑えなくするです。(自分でも導入で笑ってしまいました)

良かったらどうぞよろしくお願いします

感想や評価をお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ