第15話:二本目の掲載、そして違和感
二本目の返事は、一本目より早く来た。
そして結果は――掲載。
しかも今度は、前回より少し大きな扱いだった。
「また載ったの!?」
母が封筒の中身を見て声を上げる。
「……うん」
恒一自身も、少し驚いていた。
通るとは思っていた。
だが予想より反応が早い。
しかも、編集部の手紙にはこうあった。
⸻
前回のご投稿も印象に残っておりました。
今後も継続してお送りいただければ幸いです。
⸻
(覚えられたか)
ここが大きい。
単発で通るより、名前を覚えられるほうがずっと重要だ。
この先、継続して投稿するならなおさらだ。
だが嬉しさと同時に、恒一は小さな違和感も覚えていた。
掲載された文章の内容。
そこには、未来の流れを少しだけ先取りした視点がある。
もし、これを読んだ誰かが動いたらどうなる?
自分の一言で、わずかでも何かが変わる可能性はないのか。
(気にしすぎか?)
たぶん、今はまだ影響は小さい。
読者投稿の片隅だ。
世の中を動かすほどの力はない。
だがゼロではない。
それが、少しだけ引っかかった。
夜、布団に入ってからも、その考えは消えなかった。
未来を知っている。
だから勝てる。
その前提は間違っていない。
だが、自分が動けば未来も少しずつ変わる。
ならどこまでが“使える未来”なのか。
(気をつける必要はあるな)
大きな流れ――バブルや崩壊のようなものは、個人一人では簡単に変わらないだろう。
だが身近な人間の人生なら、少しの言葉で変わるかもしれない。
それは武器であり、怖さでもあった。
「……まあ、今は稼ぐか」
結局、最後はそこに戻る。
慎重にはなる。
だが止まる理由にはならない。
むしろ、だからこそ雑に動かないようにするべきだ。
翌日、学校で担任が言った。
「高瀬、また載ったんだってな。すごいじゃないか」
クラスがざわつく。
「また!?」
「本当にすごくね?」
(そろそろ調整が要るな)
嬉しい。
だが目立ちすぎる。
ここから先は、“すごい子”で止めるか、“浮いた子”になるかの分かれ道だ。
恒一は静かにそう感じていた。
今まで読み専だったけどこんなストリートをもっと読みたいと思ったけどないから書いてみました
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