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最強の登頂者〜名を持たぬ異能は、百階層の頂へ至る〜  作者: アヌア


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1/6

01話 認識不能

はるか昔、1000年前。

人々は大地に聳え立つ塔を発見した。

塔の内部は常識を超えた世界で、人知を超えた力『異能』を得ることができた。

異能は塔の中でしか目覚めず、1人に1つの異能しか与えられなかった。剣を操る力、炎を生み出す力、未来を視る力など、その種類は無数に存在する。

人々は富や名声、そしてさらなる力を求めて塔に挑み、塔を登る者たちはいつしか『クライマー』と呼ばれるようになった。

ユウは、そんな世界に生きる1人の少年だ。


「今日も1人で何をしているの?」

話しかけてきた奴は唯一の生き残りの家族であり俺の双子の妹、ユミだ。

「ずっと本ばっか読んで!そんなことしてる暇あったら塔に行って異能を授かってきてよ!」

相変わらずうるさい奴だ。

「別に俺は無能として生きているのも悪くないと思うがな」

「よくないでしょ!!!」

そう。俺は18歳にしてまだ異能を授かっていない。基本異能を授かるのは6歳くらいの時だ。大体の奴らは親からの期待で塔に連れて行かれる。だが俺らの両親は別にそんな感じでもなく

「行きたければ行かせてやる」

と言っていた。俺は面倒だったので行かなかった。ユミも俺につられて行かなかった。

だが、俺達が10歳の時。

"上の人間"の命令によって塔に登り、バグによって殺された。そして俺たちは孤児院に引き取られそこで過ごすようになった。

「ママとパパがいないからって!ちゃんとしてよ!」

「別に俺の勝手だ。お前はお前が行きたいから塔に行って異能を授かったんだろう」

ユミは15歳の頃に塔に行き異能を授かった。周りの人間が異能持ちであることに危機感を感じて行ったのだろう。ユミの異能は『強化』という。まあ簡単に言えば自分の身体能力を高くしたりすることができる。しかもその異能を他人に使えば他人の身体能力も高くしたりできるらしい。まあまあ当たりなのだろうか。

一方俺は面倒くさく孤児院でダラダラ過ごしていた。院長にも

「君はもう少し真面目に生きてくれた方が両親も喜んでくれるはずだろうに…」

と言われる始末だ。

「お兄ちゃんも早く塔に行くよ!塔を登ってママとパパを探そう!」

「…面倒だ。」

「なんでよ!」

「こうやってダラダラ過ごしていた方が楽だろう?」

「そんなことない!!お兄ちゃんはママとパパが心配じゃないの?!」

「心配だな」

「じゃあなんで!!!」

「…」

ユミは両親が死んだことを知らない。

俺たちの両親は強い異能を授かっていた。

母は『風神(アイオロス)

父は『海神(ポセイドン)

どっちも最強格の異能だった。異能で最強格とされるのがよく知られる神話などで登場する神をモチーフにした異能だったりする。例外は勿論存在するが大体は最強格だ。

「お兄ちゃんが異能を持ってないだけで私まで陰口言われるの嫌なの!!早く塔に行って!」

「そうか、わかった」

「え?」

仕方ない、そろそろ潮時だろう。


「おお、これはこれは、ソンさんの息子じゃないか。何年振りかね」

「久しぶりです。」

俺は孤児院を出て塔に来た。こいつの名前はランス。見た目はとんでもなく歳をとってそうだが俺の父の同期らしい。大体40代くらいだろうか。塔の入り口の門番をしている。

「異能を授かりに来た」

「やっと来たんやなぁ。おーいカイ!案内してやれ」

塔の中から赤い瞳をした人間が出てきた。

「…」

「君がソンさんの息子か」

「そうですね」

「俺はカイだ。君は?」

「俺の名前はユウです」

「ユウ。そうか、じゃあついてきてくれ案内してやる」

懐かしさを感じるな。


塔の1階層、元々は弱い塔の生き物が生息する地帯だったが時代の流れによって人間により支配されている。

どうやら現時点では24層までは全て人間に支配されているみたいだ。

「ここ1階層では異能を授かることができる。ここにある異能機に体を入れてくれ。」

異能機、異能を授けてくれる機械らしい。本来異能は塔によってランダムに与えられるのだが、この異能機はそれを完全に人の力で与えることができる機械だ。近代の技術にはびっくりだな。

ちなみにこの異能機で2回異能を授かろうとすると大抵の人間は負荷が強すぎて死んでしまうみたいだ。

「入りますね。」

「それじゃあ始めるぞ」

カイがボタンを押した瞬間。

体に何かが流れ込むのを感じた。

だが、数秒経ったその時


《ERROR ERROR ERROR》


「なんだ?」

カイが異変を感じ、安全バーを下げ、異能機の電源を落とす。

「ユウ。君もしかして異能を持ってる?」

「いや、持ってないです。初めて来たので」

「そりゃそうか…じゃあ君は…」

カイが考えたのち

「ついてきて」

そう言った。


数分歩き、エレベーターのようなものの前まで来た。

「これは塔の層を行き来できるエレベーターだ。今のところ24階層までの階層ならどこにでも行ける。」

「すごいですね」

「だが今回行くのは15階層だ。さあ、乗れ」

エレベーターのドアが開き、俺たちは乗った。

15階層…数年前のクライマー達はその階層は分岐点と呼んでいた。なぜかというと…

「ついたぞ」

空気感が変わった。

そう、15階層、昔は普通のボスの階層だった。

だが、6年ほど前に突然塔にバグが起きた。その時90階層まで登っていたクライマーの捜索隊がいた。だが、その90階層まで登っていたクライマーの捜索隊が原因不明の全滅をした。その全滅と同時に15階層にいた人間も原因不明の全滅をした。そして突然15階層のボスが変わった。しかもそのボスの強さは塔でも3本指に入る程の強さ。

そう、ここ15階層、バグが起こったあとのボスは悪魔の王『ルシフェリオス』だった。

本来悪魔種は塔の60階層から登場するはずだった。だが、その原因不明のバグにより悪魔種、しかもその王であるルシフェリオスが15階層のボスとして現れてしまった。他の階層も調べられたみたいだがバグが起こったのは15階層のみという。

「お前はよくこの階層で歩くことができるな」

「そんなに変ですか?」

「そうだな…」

本来ルシフェリオスは最強格の異能を持っているクライマーを10人ほど集まれば倒せるくらいだった。

だが、10人集まろうが20人集まろうがルシフェリオスは倒せなかった。

それは何故か。

「この未知のデバフがこの階層にありながらお前はよく異能を授かっていない状態で平気に歩けるな」

そう、ルシフェリオスを倒せなかったのはデバフと呼ばれるものがこの15階層に付与されたからだ。デバフは塔の50階層から追加されるものでそれは各階層で様々だ。速度低下、重力増加、武器禁止、隻腕化などと色々とある。

だが、大抵のデバフなら最強格のクライマーなら倒せたはずだった。最強格の異能であればこのデバフはほとんど意味を成さなかったからだ。倒せなかったのにはこのデバフの内容にあった。

見ればこの階層のデバフは『悪魔の呪い』であった。

「ユウ、お前は悪魔の呪いに耐性でもあるのか。」

「わからないです。」

悪魔の呪い、その呪いの効果は異能の弱体化、身体能力の弱体化、幻覚だった。

これが最強格のクライマー達を苦しめた。

そう、俺の両親もこのバグによって現れたルシフェリオスによって殺された。

15階層の中央付近に人影と異能機があった。

それに俺とカイは近付いていた。

「博士、来ました。」

「カイ…まさか40年ぶりに…?」

博士と呼ばれた奴の声が震えていた。

「そうなんですね。俺にはわからないですけど。」

「君…名前は?」

「ユウです」

「さあ、この異能機に入れ」

「わかりました」

俺は言われるがままにこの異能機に入った。

何故ここに異能機があるかと言うとこの15階層のルシフェリオスを倒したクライマー。そいつがなんと神格の異能を手に入れたと言う。神格の異能…それは500年前に塔を制覇したたった1人の男、エリュシオンのみが持つ異能の種類であった。まさに本物の神のような力だったみたいだ。

このバグ階層では最強格以上の異能を授かることができるかもしれないという。

1階層でエラーを出した者がここで異能を授かるみたいだ。話を聞くに俺以外にも40年前にいたみたいだ。

「さあ、始めるぞ。ユウ。40年ぶりの大快挙と行こうじゃないか!」

カイと博士と呼ばれる人間が守る中。俺は異能を授かろうとしていた。


黒い火花が散った。

「なん…だと…?」

「博士、どうしました」

「カイ、見てみろ…この異能名。」

「なになに…は?」

俺が異能機から出てきて2人が俺を見つめる。

「ユウ、こっちに来てみろ。」

「なんですか」

俺がそう言いながら2人の元に行き、

「これは…一体…」

俺が異能機の異能名の欄を見るとそこには


《⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎》


と書かれていた。

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