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第2話 あっとという間に合う…

 一ノ瀬ムスビに想いを寄せて一年弱──俺は生まれて初めて失恋を経験した。



 今は、失望と後悔が胸に渦巻いている。


 優柔不断な俺にしては良く頑張った方だと思うけれど……学校に登校するまでの足取りは非常に重たいものとなった。



 二年一組の教室の扉を開き、溜息を溢しながら入室する。と、同時に誰かが言った。



「あ、来た来た」



 そんな声に、ふと顔を上げてみれば、既に登校している十数人の男女が俺を見ていることに気付く。



 な、何だ……?



 困惑して立ち止まっている俺に、ある女子生徒が言う。



「篠宮君。こっち来て!! 早く早く」


「え?」



 手招き……。



 困惑は変わらず、しかし、取り敢えずそれに従って教卓の近くまで行ってみる。



「え、何……?」



 今は六月上旬。


 進級して日が浅い、こともないが殆ど喋ったことがないクラスメイトもそこそこに居て、


 彼ら、彼女らは妙にニヤニヤしながら、こんなことを言い始める。



「昨日、ムスビちゃんに告白したんだって?」


「え、本当なの!?」


「お前スゲェよな。勇気あるわ」


「どういうふうに告ったの?」


「一ノ瀬さんって、これで何回目?」



 耳を疑った。


 どうしてコイツら、一ノ瀬さんに告白したことを知っているんだ!?



「……えっ、何で知ってるの」



 思わず、そう口にしてしまい、



「きゃああ、やっぱりその反応本当なんだ!!」


「ムスビちゃんは何て言ってた!?」


「でも振られたんだよなぁ。ま、気にするなよ」



 女子生徒達は手を取り合って大はしゃぎ、男子生徒は讃えるように俺を見ている。


 

 目眩がするほどの茫然自失に陥り、何とか凡ゆる可能性を頭の中で探っていると、


 ある一人の生徒が口にする。



「メリーゼの言った通りだね」



 え……メ、メリーゼ!?



 騒がしい生徒達に紛れていたメイド服の美少女が、生徒達に囲まれていた。


 俺を真っ直ぐ見つめ、笑っている。



「──っ」



 コ、コイツ……っ。


 も、もしかして全員に喋ったのか!?



 いいや、どう考えても噂の発生源はコイツしか居ないじゃないか。


 

 確信した俺が睨み付けるも、メリーゼは目を細めて口角を更に吊り上げた。



 な、何なんだよ。コイツ……。



 沢山の冷やかしの言葉が今も尚続いている。耳を塞ぎたくなるような、目障りなそれらに、俺はこの場を後にする。



 昨日わざわざ約束まで取り付けたというのに、まさかあっという間に破ってしまうなんて……。

 

 ここまで反抗的な行動をメリーゼが取ったことは今までに無かった筈だが、


 昨日何となく感じていた違和感……。


 このロボット、何かがおかしい。




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