からっぽ
朝起きて。
朝食を食べて。
身支度を済ませて。
家を出て。
電車に揺られて。
仕事をして。
昼食を食べて。
仕事をして。
残業をして。
終電に乗って。
家に帰って。
身支度を済ませて。
夕食を食べて。
シャワーを浴びて。
布団に潜ると、1日が終わる。
最近、何もない。
昔はもっと充実してた気がする。
尤も、その「昔」がいつのことだったか、思い出せないけど。
大事に味わったご飯の味は毎日違った。
今では同じ味を嚥下するだけ。
昼間の出来事は毎日違った。
今では「いつも通り」で済む。
夜に見る夢は毎日違った。
今ではもう夢も見ない。
毎日、明日が楽しみだった。
今では機械のように「今日」を繰り返している。
朝起きて。
朝食を食べて。
身支度を済ませて。
電車に揺られて。
仕事をして。
昼食を食べて。
仕事をして。
家に帰って。
身支度を済ませて。
夕食を食べて。
布団に潜ると、1日が終わる。
変わらない日常。
仕事も似たようなものばかり。
慣れとは恐ろしい。
朝起きて。
身支度を済ませて。
電車に揺られて。
仕事をして。
家に帰って。
身支度を済ませて。
布団に潜ると、1日が終わる。
「毎日」が、どんどん短くなっていく。
どんどん、からっぽになっていく。
朝起きて。
仕事をして。
布団に潜ると、1日が終わる。
すっからかん。
朝起きて。
布団に潜ると、1日が終わる。
朝起きて。
布団に潜ると、1日が終わる。
朝起きて。
布団に潜ると、1日が終わる。
朝起きて。
布団に潜ると、1日が終わる。
朝起きて。
布団に潜ると、1日が終わる。
朝起きて。
布団に潜ると、1日が終わる。
朝起きて。
布団に潜ると
…あれ?
仕事しなくても、何も変わらない…?
アラームを全て切った。
朝起きた。
電話が鳴っている。
ブロックした。
昼食を少しいいものにしてみた。
ドアのチャイムがうるさかった。
夕食は出前で済ませた。
悪い事の味がして、悪くない味だった。
何もしないまま、1日が終わった。
ちょっと、楽になった。
あーあ。
明日は、どうしよう。
通帳を開く。
給料、ボーナス、残業代。
行き場のない大金。
職場から、メールが来た。
ブロックしちゃえ。
社会的な存在意義も、すっからかん。
でも、だいじなものは、からっぽじゃなくなった、気がする。
明日は、おでかけしよ。




