8話~姫様(アストリア)が、僕の○○に加わりました~
クライマックスが目前! 葉月の運命は如何に!?
どのぐらい飛んだのだろうか…。ごめんなさい嘘です。数分で城に着きました。
僕は、直ぐに悪魔召喚をした部屋に向かった。部屋を開けると女の子が倒れていました。
身体を触って儀式が数分前で僕は、ほっとする。――まだ蘇生が出来るっ!
まず、魔法で肉体と魂の結束を元の状態に戻して人工呼吸と心臓マッサージを始めた。
女の子が、咳をして呼吸をして心臓が再び動き出した。第一段階は終了。
僕は自分の魔力を女の子にあげて精神を補強する。
女の子はうっ…と呻き声をあげて瞼をゆっくりと開いた。まだ眼の焦点があっていないけれど完了。
僕は、女の子が気付くまで頭を撫でていた。
「んっ…。あれ…私はなぜ? っ! 神…様?」
「気が付いたんだね。でも、魂が完全にくっついていないからまだ動いちゃダメだよ」
「はい。私は……悪…魔召喚…の代償に……」女の子は震えていた。
「もう、大丈夫だよ。僕が付いているから」と言いながら女の子を抱きしめ頭を撫でる。
「は…い」と女の子は言って、泣き出してしまった。
しばらくして、泣きやむと女の子は頬を朱色に染めていた。
「アストリア・フランシーズ。15歳です」
アストリアって15歳なんだあ。歳の割に身体の成長が。胸が大きいし、くびれも…。あっ、眼もきれいだなあ。翡翠色で。
って、僕どんどん変態的な思考になってきたんじゃ!?
「あ、あのっ…!」
「ごめん、ちょっと考えことしてました。僕は葉月、10歳。よろしくお願いします」
「敬語は不必要ですわよ、葉月? 貴方は私を助けてくれた殿方…なのですから」となぜか、上目遣いで頬を朱色に染められて言われた。
「姫様が言うのでしたら」と僕はニコッと笑顔で言う。
姫様はぷうと頬を膨らませ唇を尖らせて、僕の顔に近づける。
「葉月様、名前で呼んでくださいませ」
「アストリアさん。ここは危険だから僕の家に行きましょう」
「はい。…それと、葉月様。呼び捨てで構いませんよ」
僕は、アストリアさん…アストリアを抱いて窓から空に飛び出した。
家が見えてきました。もう少しで到着するのですが…帰りたくない。だって、家の中からダークオーラが発せられているんだもん。
「あの、降りないんですか?」
「降りるよ」と言いながらも、僕はなるべく時間を延ばすべくゆっくりと降りていく。あれれ? 音を立ててないのに、家から奏ちゃんが出てきたよ。
しかもこっちを見た瞬間に、顔を怖くさせた。
僕、なにかした? 何もしていない……と思う。
地面に着地すると、羽根を小さくさせて、アストリアを離した。――その時のアストリアの顔の変化は見なかった事にしておく。
「はづちゃん…。女の子を連れて一体、何をしてきたの?」奏ちゃんは声音を低くして言ってる…。
「助けにいってました」
アストリアはこっちに近づいて、僕の腕に抱きつく。
「なっ!? 葉月から離れなさいよっ!」
「あら。葉月様は私の命の恩人なのですわよ。……それに貴女には相応しくありません!」
その言葉を聞いた奏ちゃんは怒りで身体を震わせて何かをこらえようとしていた。
「私の恋人から離れなさいっ!」奏ちゃんの左手が光り出して、光弾をアストリアに向け放つ。
アストリアは僕を後ろに下がれせて―僕は効かないけれど…―バリアを張る。
「"光"ですか。王族しか使えない筈なのに…まぁ、いいですわ。【アストリア・フランシーズ】に向けて放つなんて、分かってるんですか?」
――そう、アストリアはこの国の姫なのだ。王族に攻撃するなんて反逆罪だ。
「知らないわよっ! でも、葉月は…わ、私の男なのよっ!」
アストリアは微笑んで、僕の顔に近づいてきて―――キスをして、奏ちゃんの居る方へ戻っていく。
「な、なんて事してんのよっ。アストリア!」
光弾がさっきより増えてるし。そろそろ止めた方がいいかな。アストリアは蘇生したばっかりだし…。
僕は飛んで奏ちゃんとアストリアの間に割って入って、それと同時に二人の魔法を片手で消す。
「ダメだよ。…アストリアは蘇生したばっかりなんだから」
奏ちゃんは鼻を鳴らすと、助かったわねと言って僕の家に入り、アストリアは、葉月様が言うんでしたら…と言って僕に抱きつく。
夕陽が綺麗だなあ。と僕は現実逃避をしながら家に入った。
色々あって、肉体と精神が疲れた僕は夕食を食べないでベッドで寝ていた。――と言っても肉体は疲れていないのだが…。
実は、最近…前から気になっていたんだけどこれって本の世界じゃないよね。と思っているとドアの方から気配がして、ギギギとドアが開く音が聞こえる。
僕は目を開いて入ってきた人を確認する。―――気配を調べれば判るのだけど、眠っている僕はその事に気付かない。
「アストリア?」目を擦りながら、入ってきた人物の名前を言う。
「はい。…葉月様。夜伽に来ました」
アストリアの恰好は、どこから持ってきたのか知らないけれど、ネグリジェを着ていた。
――布が薄いのか、微妙に透けているような…。
そんな事を考えているとアストリアはもう目の前に居た。
「失礼しますわ」と言ってベッドに入ってくる。
ちょっと! 当たってるんですけどっ。柔らかい物が。
「ふふふ。当てているのですわよ」アウトリアはそう言うと、妖艶な笑みを浮かべた。
不覚にも僕は、ドキッとときめいてしてしまう。―――でも、これを奏ちゃんに見られてたらやばい!
「アストリア? 止めてもらえると…嬉しいな」
「私とでは、ダメなのですか?」寂しげな表情を見せるアストリア。
「そうじゃないけど」あぁ、もういいや。眠ろう…。
「おやすみ、アストリア」
「おやすみなさい、葉月様」アストリアは満足そうな顔をしながら眠りについた。
"朝"が来ることを怖れながら、眠りにつく僕であった。
どうも、宮原葉月です。8話が投稿される頃、僕は何をしているんでしょうね。
今回も、予約投稿しました。10月23日に予約しましたよ~♪
受験勉強があるため定期更新[第一弾]は終了と思われます。