7話~僕、正直になります!~
奏ちゃん。僕は奏ちゃんの事が――なんだっ!
皆さん、おはようございます。葉月です。
昨日の夜、母さんに抱きしめられた事は覚えているんですが……。その先は覚えてないんです。
なぜ、僕は自分の部屋で寝ているのか? 羽根は出たままなのか。
それに――――。
「どうして、母さんが寝ているの?」との僕の声で起こしてしまったのか、母さんがゆっくりと起きあがる。
「おはよう。葉月」
「うん。おはよう」――今日からが本番だ。
「僕、行ってくるね」と言い残して、空を飛ぶ。
彩華、ケロちゃん。皆のこと頼んだよ、と念話で伝えた。
すぐに、わかりました。気を付けてくださいね、と返ってきた。
僕は上を見上げる。―――穴。その先にあるのは天使と悪魔の戦場。
ここにも、既に何人かが降りてきている。ここも数日後には、戦場になるだろう。
ふと、後ろから気配を感じて振り返る。――そこに居たのは天使だった。
「ここを巻き込んではいけません!」僕は神から発する気を出しながら言う。
「神様。……ここは、滅びなければいけません。悪魔との戦いのついでとして」僕はこの一言にカチンとくる。
「じいさん。お願い聞いてあげるよ。…天使、覚悟してね?」と言うと天使の反応速度よりも上の速さで頬を殴った。
数日ぶりに個人空間にアクセスして、刀を虚空から出し右手で持って、消去魔法を刀に掛ける。―――対象は、天使!
僕は、天使の背後に行って、刀で一閃する。斬られた天使は、粒子になって消えていった。
僕は動かないで、ただ穴を見つめている………のではない。その先で"何が起きている"のかを見ているのだ。
―――数え切れないほど沢山の天使と悪魔がこっちに向かってきている…が次元を歪ませたため、すぐには来れないだろう。
僕は睨んでから、自分の家に戻った。――王都の人々達の視線を感じながら。
無事に家に着いた僕は、お風呂に入ってリラックスしようと思って、浴室に行って服を脱いだ。
肌は白くて、華奢な身体つきしかも微妙だがくびれが…。と自分の身体を見て、悲しくなってくる。
考えるのやめたっ。早く、お風呂に入って嫌な事を忘れよう。身体を軽く洗って湯船に浸かった。
癒されるう。と独り言をつぶやく。………って、気配が感じるのはなぜだろう。
ドアがガララと開いて、奏ちゃんがなぜか裸で入ってきた。
「奏ちゃん! どうして?」
「心配してたんだよ。何にも言わないで行っちゃうから…」拗ねているようで唇を尖らせていた。
「ごめんね。奏ちゃん、タオルで隠してっ!」僕は奏ちゃんの裸を見えないように、自分の顔を両手で隠して、更に羽根で見えなくする。
「…私のこと、嫌い? どうして、見てくれないの…?」声が震えている…。
僕は隠すのをやめて、湯船からあがって―その時に要所をタオルで隠す―奏ちゃんを抱きしめる。
「そんなことないよ。僕は奏ちゃんが好きなんだ。恥ずかしかったから…」
奏ちゃんの首筋からいい匂いがするなあ。あれ、僕どんどん変態的な思考に…。
奏ちゃんの頬が熱くなってる…。
僕は、抱きしめるのをやめる。奏ちゃんはハッ…と寂しげな表情をする。
「そんなカッコだと、風邪ひいちゃうよ。一緒に入ろうよ」と言って奏ちゃんの左手を握って、さあといった感じに湯船に連れていく。
僕と奏ちゃんは湯船の中で色んな話をした。――話をしている時の奏ちゃんは笑顔がすっごい可愛かった。僕はこの笑顔を守りたい。と思うと同時に胸の鼓動が早まる。
ドアが開いたと同時に、「「あらあら」」と弾んだ声が聞こえる。…母さんと奏ちゃんの母さんだ。
僕と奏ちゃんはこの声を聞いて、耳まで赤くして固まる。僕は羽根で奏ちゃんと僕を隠そうとする。
二人して、うふふ、と笑って若いって良いわね、と言ってリビングに戻って行く。
羽根をゆっくりと戻して、奏ちゃんと顔を合わせる。
「はづちゃん。どうしよう…」
「奏ちゃん。のぼせる前にあがろうか」と言って一緒に浴室から出て、服を着てから母さん達が居るリビングに行く。奏ちゃんと一緒にね。
僕は力を抑えてから、奏ちゃんの左手を握ってからリビングに入った。
…あれ、知らない人の気配がする。
「…どうゆうことですか?」僕は奏ちゃんを僕の後ろに行かせて両手で守り、更にバリアを張る。
「何の事?」…本当に分からないようだ。
ならば―――
「隠れてても無駄ですよ」と言いながら、母さんと奏ちゃん母にもバリアを張る。……はぁ、一気に臨戦状態だよ。
案の定、前から闇の矢が放たれるが、僕のバリアに拒まれて消滅してしまう。
これって、世界自体の修正力なのか? 僕は神様に頼まれたんだけどなあ。どうすれば、いいのかね。
…よく、考えてみるとこれって悪魔の仕業? そう考えると納得できる。と思考している時に、やっと敵が姿を現す。
悪魔だった。…でも、よく見てみると操られているのに等しかった。――特有の力が全く感じられないのだ。
僕の戦っている姿を見た、王族関係者が代償と引き換えに召喚したのだろう。
早く行かないと、間に合わなくなる。
「ごめん。用事が出来た」と言って、悪魔を触る…と同時に消えた。
僕は、空を飛んだ。―――城を目指して。
何かが足りない…。なんだろう?
思いだしたら、修正しよう。うん。
宮原葉月です。だんだんと終わりに近づいていましたね。
僕、頑張りますっ! …いつまで持つんでしょうね。