1話~転生してすぐに~
皆さん、久しぶりです。
僕は、織原 葉月。名前で女の子に間違われるが、僕は男だ。
ついさっき、神様の手違いによって死んでしまい、そのお詫び―本当は神様の目的のために―として僕は二度目の生を貰った。
この世界を"救うため"に、記憶を保持して更に力を貰った。
「わ…の赤……ん」ん? 声が聞こえる。
どうやら、僕は産まれたみたいだ。
僕は目を開く。
うん。見える。産まれたばかりは見えないって誰かが言っていたぞ?
「ここどこぉ?」うん、喋れるけど舌足らずな言葉になってしまった。
「っ!」驚いている母親らしき人。
「おかあしゃん? どうしたの?」
「っ! 喋れるのかい? とりあえず、飲んでね」
母親らしき人―本物の母親なのだが―は、僕におっぱいを飲めと言っているように感じた。
恥ずかしいと思いつつも赤ちゃんなので、僕は飲んだ。
食事も終わった事だし、魔法で5歳ぐらいに成長しよう。
魔法の使い方は神様に魂に刻んだみたいで、こんなもんなんだっていう感じで僕は使える。
使い方はすごく簡単で、術式を唱えるか効果をイメージするだけだ。
僕は魔力を使いながら5歳の姿をイメージした。
その身体が光った。使ったのは初めてだけど成功したみたいだ。
今の僕の状態だけど、お母さんに抱かれている。
「え~と、お母さんだよね?」
お母さんは、いきなり成長した僕を見て驚いているようだ。
当たり前だろうけど。
「僕の名前は? それと父さんは?」
「葉月……。お父さんはね…私たちを守るために」
辛そうな顔をして母さんは言う。……状況把握完了。
葉月かぁ。この名前、親しみが合ったんだよね。
神様、同じ名前にしてくれてありがとう。
と、僕は少し現実逃避をする。……おっと、挨拶を忘れてた。
「そうなんだ…これからよろしくね。お母さん」と無邪気な笑みを浮かべる。
「魔法も使えるなんてびっくりしたわ。でもさすが私たちの息子だわ」
やっぱり転生してるって事、バレない様にしないといけないんだっけ?
(お主の好きにしなさい)と神様の助言が来た…ような気がした。
「突然だけど、お母さんは転生って信じる?」
「信じてるわ」そうか、なら言ってしまおう。
「僕は、転生者なんだ。だから前世の…記憶を持ってるし神様にも会った」
母さんは驚いてたけど、それでも私たちの息子よと言ってくれた。
「疲れたから、眠るね」とお母さんに言って、元の姿に戻ってから睡魔に身を委ねた。
「赤子は産まれたのか。雪乃。やっと君の子供を養子にできるぞっ! 感謝するぞ、尚希!」
僕は、こいつの感情と記憶を視た。こいつが僕の父さんを殺したのか。
僕は、5歳ぐらいに魔法で成長した。
こいつは驚いている。
「お前...いや糞がぁ~僕の父さんを殺したのかっ!!」
僕は、保有魔力の内一握りの魔力を糞に放った。
「っ!」糞は気絶した。
そして、今あった事の記憶を操作(削除)して、一応安全なところに転送した。
「葉月。」
「魔力を放出しただけだよ?」
「記憶操作も使ったでしょ?」
さすが、お母さんだ。
「うん……」と僕は言うと、元の姿に戻った。
お母さんは何も言わずに僕を抱きしめてくれた。
僕はその温かさを感じて眠った。
~翌朝?~
「ふぁ…よく寝た」僕は10歳の姿になった。
「お母さん、おはよう」僕は寝ているお母さんに微笑んで、朝食を作りに台所に行った。
~調理中~
「ん~、まぁこんなもんかな?」
お母さんを起こすか。
調理の筆写がないって? めんどくさいから省略だ!!
僕はお母さんの寝ている布団に近づき「朝ごはんできたよ?」
「朝食を作りに行ってたの?」
「うん。早く来てね冷めちゃうから」僕はそれだけ言うと台所に戻った。
「じゃ、お母さんも席についたことだし。「いただきます」」
~~食事中~~
「ご馳走様。料理も作れるなんてすごいね」
~食事終了~
「そんなことないよ。独り暮らしだったし」
あ、言ってしまった。まぁ、いいか?
「葉月もしかして、前世の記憶とか持っているの?」
「まぁ、そうゆうことになるかな~?」
「そうなのね」
「お母さん...聞きたい?」僕の死も言わないといけないのかな。
「話したいなら、聞きたいな」母さんは聞きたいのか。
僕は少しだけ考えて「いいよ」と言った。
僕がただ”僕”という存在がどんな物かを教えたいだけなのかもしれないけど。
「僕は違う世界に居たんだ。そしてある日…僕にして見れば昨日なんだけど…神様のミスによって僕。織原葉月は死んでしまった。
そして気づいたら、目の前に神様が居て神様から力と転生……二度目の生を受けてこの世界にやってきたの。それが僕という存在」
大分、省いたけど重要なところは言ったしいいかな。
僕が喋り終えると母さんが僕を抱きしめてくれた。
「お母さん?」
「葉月。大変だったのね」
「うん。でも今はお母さんが居るから」
母さんは僕を離した。うぅ……。離さないでよ。…こほんと僕は心の中で咳払いをする。
「葉月。この家はもう危ないから出て行きましょ」僕は母さんの言った意味をすぐに理解した。
昨日のような人間がこれから沢山来て、それから逃げると。
「うん、わかった。重要な物は僕の空間魔法に入れて置くね」
「ええ、2時間後でいいかしら?」
「うん、いいよ!」
僕は重要そうな物を個人空間にしまった。
「お母さん、終わったよ。」
「ありがと。葉月は元の姿に戻ってね」
「うん、わかった。あっこれ首にかけておいてね」僕は十字架のネックレスをお母さんに手渡した。
「ええ、分かったわ」と言い母さんは首にかけた。
今、あげた十字架のネックレスは僕が創造で造ったやつだ。
能力は、攻撃魔法と物理攻撃の無力化に、僕との念話。それに僕の個人空間へのアクセス権。――チートだね。
「じゃ、戻るね」と言い僕は元の姿に戻った。
元の姿に戻ると母さんが僕を抱いて歩き出した。
周りの景色は木、木、木だった。つまり森?
『ここって、森?』お母さんは一瞬驚いたがすぐに普通の顔に戻った。
『そうよ。魔物がいるから気をつけないとね』
魔物っているの?いや、魔法も使えるから当たり前か?
ギャー!ギャー!
うわ、さっそく来たんじゃね?
「魔物だわ」お母さんなんで平然と出来るんですか?
もう目の前にいるよ…。
何がって? ――――地獄の門番といわれているケロベロスが。
『そうこう言ってるうちに現れたね』僕は魔法で空に浮かび変身魔法で10歳の姿になった。
僕はケロベロスに近づいた。
なぜかお座りをするケロベロス。
『お前が主か?』ケロベロスだよね?
「どうゆうこと?」
『そのまんまの意味だ』
「僕は主ではない…?」
『どっちなんだ?』
お母さんは心配そうに僕を見ている。
「まぁ、主でいいや」
「わかった。とりあえず乗れ」
「うん、お母さんも乗って」
お母さんはうなずきケロベロスの背に乗る。
僕もケロベロスの背に乗った。
「とりあえず、人気のないところに」
「了解した、主」
僕は元の姿に戻り、寝た。
10/23 おかしい部分を修正。