まえがき
terra.WORLD Series7作目にお越し下さり、ありがとうございます。
最愛・最愛の人を意味するタイトルを掲げ、前作「COYOTE」では語られなかった、ステファンとホリーに起きた出来事、アクセル発見後に触れていきます。
代表作「大海の冒険者」(全編完結済み)に大きく繋がる1作であり、ある冒険者の背景が、1本のルートとして仕上がる形になっています。
本作は、前作「COYOTE」のアンサー作です。そのため、前作からのご訪問を推奨いたします。
本作も「生物の闇」が大きなテーマになっています。その上で、「狩猟の世界」と「夫婦愛」を歯車にしています。
医療従事者の視点、警察の視点。熊害の怖さ。それによる精神不安。その症状に対する精神科医の見解・アドバイス。記者・メディア関係者の出方。世間が夫婦にもたらしたもの。
前作の主人公アクセルの失踪をキッカケに、ホリーやその関係者、世間はどう変わったのか。
たくさんの人物の行動を絡め、夫婦の壮絶なドラマを、代表作に向かいながら語ります。
加えて、アクセルの姉キャシーが大学で受けた、野生動物保護調査員ホリーによる講義内容。狩猟の歴史を通して、人間を見ていきます。
ボーカルを失ったバンドの再スタートを切ろうと立ち上がったリーダーは、ホリーにどんな気持ちを伝えたのかにも、少しだけ触れています。
そして、ステファン自身に起きた最悪の出来事――彼のシルバーコヨーテ化はどんな風だったのか。その背後で、彼に関わる人達はどんな努力をし、どの様な捜査が行われていたのか。彼がアクセルと出会ってからの心境も含め、その人生を語ります。
あとがきには、本作執筆における裏話的なアレコレ。そして初めて「terra. WORLD Series」と掲げている長編作品について、触れています。
もしご興味がございましたら、最後までご覧頂けますと幸いです。
本作の目次は、夫婦の人生の流れを「バラの開花の行程」で表し、それを英訳したものです。
開花していくほど事態が重くなり、散りゆく事でやっと安心できる。そんな展開になっています。
作中に登場する動植物も、1つの楽しみになればと思います。
始まりは、「土」の怒りから。
そこから何が生まれ、何が人々に広まっていったのでしょうか。
行ってらっしゃいませ。