1話
勢いで書いていくので投稿は不定期になる上、ちょくちょく勝手に改稿します。それでもよろしければぜひ読んでいただければ嬉しいです。
未だ若者特有の病気が治らない高校生、田中菜々美、十六歳!明日は待ちに待ったあのゲームの正式サービス開始の日なのだ!
現在ゲーム業界で大盛り上がりのVRゲーム、その中でもMMOジャンルで大きな注目を集めているゲームが間もなくサービス開始されるのだ。その名も「Be god」。このゲームの世界には神至の迷宮というものがあり、これを踏破すれば神の世界へ至れるという設定がある。魔物溢れる世界で戦い、いつかその迷宮を踏破することをコンセプトにしたゲームなのである。
高校一年生としての一年間を締めくくる春休みの二日目、昨日届いたゲーム専用の筐体の中に入りゲームを起動する。開始時間である午前0時まではまだ少々時間があるのだが、事前にキャラクタークリエイトが可能なため、開始までキャラクタークリエイトをじっくりと行って待つことにしたのだ。
ゲームを起動して直後、自然と瞼が落ちて意識も沈んでいく。そうして気がつけば全体が真っ白な不思議空間に立っていた。そしてそこには私の体が映し出されたホログラムと何かが書かれているパネルがある。ホログラムは私のキャラクターの容姿を映し出したものでパネルはこれからステータスなどの設定を行うためのものだ。ただ現実ではありえない空間にいながらも、特別大きく心動かせることはない。なんてったって私は事前にベータテストをプレイしていたベータ組、滞りなくチャチャッと設定を行ってやるのだ!
「こんにちは~。プレイヤーさん」
「ぬおおぅっ!びっくりしたぁ・・・」
突然声がかけられて声のした方を見てみれば、羽の生えた小さな人型生物がいた。いわゆる妖精さんみたいな見た目をしている。
「あらためて、こんにちわ~。私はプレイヤーさんが滞りなくキャラクタークリエイトをするためのガイドさんで~す!」
「ああ。そうなんだ、よろしく。びっくりしたよ。ベータ版にはガイドさんはいなかったから」
「あはは、ベータ版で苦情がいくつかあって私みたいなガイドがはいることになったんですよ~。ということでキャラクタークリエイトはじめましょう」
「うむ」
そうしてガイド妖精に促されてパネルの元へ向かう。パネルを操作してこれから、名前、種族、ステータス、スキル、容姿の設定を行っていくのだ。
まずはキャラクターネーム。これはベータ版のときと同じくマギ・クロックワンドとする。なんとなくかっこいいなって思って名付けた。結構お気に入りだ。
そして次は・・・陣営の選択だ。このゲームは大きく三つの陣営に分かれており、それを選択するのだ。これによって選べる種族や初期リスポーン地点などが変わってくる。選択できる陣営が魔の陣営、人族の陣営、中立陣営に分かれている。
それぞれの陣営を簡単に説明するとこうだ。
・人族陣営=ヒューマン族、エルフやドワーフの極々一部、獣人の一部が所属する。ぐへへ、俺こそが神へいたるのだぁ!迷宮攻略をメインにしたい人におすすめ。
・魔の陣営=魔族や吸血鬼などの種族が所属する。神の座になんて興味はないけど、ヒューマンが自分たちより上に立つなど、到底許せん!だから人族陣営の邪魔をしてやる!戦争したい人、対人戦闘がしたい人におすすめ。
・中立陣営=エルフ、ドワーフ、獣人の一部などが所蔵する。自分たちが神の座にだなんて畏れ多いですぅ。もしくはそんなの興味ない。自由に勝手したい人におすすめ。
となるのだが、私は迷宮攻略自体は興味ないし、やりたいことは魔道の探求と世界を旅することなのだ。だから中立陣営を選択する。
そして種族はもちのろん、エルフだ!魔法への適正、そして特徴的でキュートなお耳!エルフを選ばない理由がないってもんなのだ。
お次はステータス。エルフの基礎値に加えて、自由にボーナスポイントを振っていく感じだ。そして基礎値がこんな感じ。
str:10
vit:10
agi:12
dex:18
int:20
mid:20 ボーナス:30
当然ながらintに極振りするつもりなんだけど・・・
「ねえ、妖精さん。他の数値を減らした分intにつぎこめたりしないかな?」
「え?ああ・・・一応やろうとすればできますけどぉ・・・基礎値はその種族として持つべき最低限の数値なのでそれを下回ると、生活するうえでも支障をきたすことにもなりかねませんよ?だからできるけど説明はしないんです」
「だいじょうぶ、だいじょうぶ。int以外最低値にしてintにつぎ込んじゃいます!」
その結果がこちら
str:2
vit:2
agi:2
dex:2
int:110
mid:2 ボーナス:0
デバフの関係で最低値は2だけどこれで完全にint極振りなのだ!
次はスキルだ。私はベータ勢なので、スキルは与えられたスキルポイント50に加えて、ベータで取得した称号を加味して加えられた50spの合計100spを消費して選択したスキルを取得していくって感じだ。ちなみにベータに参加していない新規は80sp使えるみたいだ。
基礎的なスキルは大体10spで取得できるので全部基礎スキルを取得するならば10個のスキルを持ってスタートというわけだ。ただもう少しレア度の高いスキルを取ろうするのならば基礎スキル以上のポイントを消費することになり、取得できるスキルの数は自然と少なくなる。まあ、上位スキルといってもスキルポイントを使えば無条件で取れてしまうものなので、レア度自体は大したものではないのだが。レアなユニークスキル的なものを取ろうとするのならば、ゲームが始まってから特定の条件を満たしてとらなくてはいけなくなる。
ということで私はint極振りなので魔法系のスキルを取るのだが、各属性魔法の前に魔力操作、魔力感知は必須でとらなくてはなるまい。ただこの二つはそれぞれ15spを消費する上に、属性魔法以外にもいくつか必要なスキルがあるので10spの属性魔法は多くて2つしか選択できない・・・だが、わたしには秘策がある。ステータスで基礎ステータスを下げてintにつぎ込めたのだ。スキルでも同じようなことができるでは?と考えているのである。我ながら天才だ!
「妖精さん」
「は~い」
「なんかマイナス効果のスキルを取ってsp追加でもらえたりしないかな?」
「できるよ~。プラス効果のスキルと同じくスキルの効果、レア度によってもらえるspは変わるけどね。それにしても変なことを考えるよね、マギちゃんは。いろんな人のキャラクリのお手伝いをしてきたけど初めてだよ」
「そうなんだ。まあ、それは別にどうでもいいけど」
すると、スキル選択画面にマイナススキルの項が出てきた。その中で選んだのが「全魔法属性脆弱」「全状態異常脆弱」「全物理攻撃脆弱」である。全て耐性や防御に関してマイナス効果を与えるスキルである。なんていったってint極振り、もとより紙防御なのでマイナス効果なんて関係ないという寸法である。私賢い!
そうしてspを増やすと、なんと50sp以上使ってとれるスキルがいくつか出てきたのだ。その中には「魔導の才能」というものがあった。
(ふぉおおお!素晴らしい!魔道を極めんとする私にふさわしいスキルだ!250spも使うがとるしかないっ!)
そうして「魔導の才能」とその他各種魔法系スキルを取ったのであった。
次は容姿の設定だ。ベータ版では白髪に紫の瞳のナイスバディ魔女をしていたので、ベータ同様の感じで行こうと思っている。
と思ったのだが・・・
「あれ・・・?ホログラムの私の体小さくなってる」
「ああ、マギちゃんのステータスではこの身長が限界みたいですね~。まあ、ドワーフの女性とかじゃない限りここまで低い慎重には設定できないのである意味ラッキーですよ」
(セクシー魔女を目指していたのだが、ロリっ子魔法少女もまあありだろう)
ということで身長は120cmに届かないくらいで幼児体型、髪の色は白髪、瞳は紫の魔法幼女の出来上がりである。
「設定完了ですね~。ちょうど間もなくサービス開始の時間ですよ~!変更はありませんか?」
「うむ!だいじょうぶだ!」
「現実の体と大きく変わっていると思いますので気を付けてください!では、マギちゃんいってらっしゃ~い!」
そうしてゲーム開始時間となり、私の体は光に包まれていった。
________________________________
ステータス
真名:マギ・クロックワンド
種族:エルフ
陣営:中立
str:2
vit:2
agi:2
dex:2
int:110
mid:2
スキル
・パッシブスキル(魔)
「魔力回復速度上昇lv1」「int強化lv1」「魔導の才能」
・アクティブスキル(魔)
「火魔法lv1」「水魔法lv1」「土魔法lv1」「風魔法lv1」「付与魔法lv1」「光魔法lv1」「闇魔法lv1」「魔力感知lv1」「魔力操作lv1」「魔力視lv1」
・生産スキル
「錬金術lv1」
・耐性スキル
「全魔法属性脆弱lv10」「全状態異常脆弱lv10」「全物理攻撃脆弱lv10」「スタミナ低下lv5」
称号
「魔導の才能」
・ベータからの引継ぎ
「いのちだいじに」「魔道の探求者」「錬金術の探求者」「司書の友」
装備
・白のシャツ・長ズボン・黒のローブ・革の靴・木の杖・ポシェット(3000G、図書館入館許可証)