第1話:学園生活
その1:命の授業
自由な校風のアサケ学園は、教師たちの授業のやり方も自由。
保健体育担当のS谷先生の場合…
「授業を始め…ゲホゴホぐふっっ!」
持病の発作が出たS谷先生、既に顔色真っ青。
「先生っ大丈夫ですかっっ??」
慌てる生徒たち。
「…というワケで…げふっ…今日は応急手当を勉強…ゴホゴホ…しましょう…ゼエゼエ…皆で先生を助けて下さい…がはっっ!」
息も絶え絶えで言い残すと、吐血してバッタリ倒れてしまうS谷先生。
「うわぁ大変だぁっ、先生が吐血したっっっ!」
近くにいた1人が叫び、慌てふためく生徒たち。
「息してないよ先生っっ!」
コンパクトタイプの鏡を先生の顔に近付けて、呼吸を確かめた女生徒も叫ぶ。
「心臓止まってるぅ!」
先生の胸に耳を当てて心音を確かめた男子生徒も叫ぶ。
大騒ぎしながら必死で蘇生を試みる生徒たち。
気道確保&人工呼吸したり、心臓マッサージ(胸骨圧迫)したり。
勿論救急車も呼ばれたが、到着前に蘇生は成功。
「はぁはぁ…助かった…みんな、よくやった…」
どうにか復活のS谷先生。
こんな調子で、いつも死と生の狭間を漂いながら授業するS谷先生。
その教え子たちは卒業する頃には救命士の資格がとれるレベルに育つのでした。
その2:激辛給食
学園の給食は、担任の先生によっては時にデンジャラスなものとなる。
F島先生が担任のクラスの場合…
↓
「今日の給食は麻婆茄子です。皆さん残さず食べましょう」
好物の麻婆茄子を前に、ゴキゲンなF島先生。
「いただきま~す……辛っっっっ!」
箸を取り、ぱくっと一口食べた生徒たち
一瞬後には唇がタラコに…
「今日は給食のオバサンにお願いして、唐辛子二〇倍増量してもらいました」
ただ一人おいしそうに食べながらニッコリ笑うF島先生は超激辛党。
「入れ過ぎですっっ!」
ヒーヒー言いながら牛乳パックを手にする生徒たち。
「ちなみに牛乳にはタバスコを入れてもらいました」
F島先生、ニッコリ♪
「普通入れるかぁ~~~っっっ!!」
激涙する生徒たち。
こんな調子で、F島先生が担任になったクラスは限定激辛給食なのでした…
その3:部活注意報
ド田舎にある学園の周辺は、森や湖など自然がいっぱい。
そんな環境だから、注意しなきゃならない事もある。
全国大会優勝の実績をもつ陸上部の場合…
↓
「そんな走りじゃ勝てないわよっ。もっと速度上げて!」
新入部員たちをしごく鬼マネージャー・Y根さん。
「はいっっ」
懸命に走る新人たち。
「フゴッ、フゴッ、ブヒィーッ!」
そこへ、突如乱入するイノシシ一頭。
「うわぁっ!」
不幸にも跳ね飛ばされてしまった部員が一人。
「あ、言い忘れてたけどそこ、時々イノシシ通過するから」
思い出したように言うY根さん。
「…そ~ゆ~事は先に教えてくださいよぉっっ!!」
ギリギリ無事だった他の部員、激涙。
「ブギィ~~~ッ!」
跳ね飛ばしたヤツに目もくれず、イノシシは他の部員めがけて爆走してくる。
「わぁぁぁっ、こっち来たぁぁぁっっっ!!!」
慌てて逃げ惑う、まだ無傷の部員たち。
「おっ、さっきよりタイム良いぞ」
ストップウォッチ片手に平然と言うのは顧問のM本先生。
「人間必死になればあれぐらい走れるのよねー」
Y根さんも動じていない。
「イノシシが諦めて帰るまで、しっかり走れ~」
笑顔で鬼なM本先生。
こんな調子で、毎年スパルタ教育(?)を受けながら成長する陸上部の新人たちなのでした…
その4:お作法
私立の学園には立派な茶室があったりする。
普段そこは茶道部が活動に使用するのみだが、文化祭の時には部員以外の生徒を招いて茶会を催す。
作法が命の畳の部屋に入るには、注意しなきゃならない事がある。
「お邪魔しまぁす」
何も知らずに入った一般生徒。
「畳のヘリを踏むんじゃないっっ!」
いきなり、茶道部必殺「畳返し」炸裂!
「…な…何するんスか~っ」
見事にひっくり返り、抗議の声を上げる一般生徒。
「無作法な奴に出す茶は無い。帰れ!」
ぴしゃりと言い返すのは、部長のY根さん(陸上マネージャーと掛け持ち)。
「あたしは茶道部のY根ってんだ。覚えときな」
その睨み、絶対零度
「…失礼しましたぁぁぁ!」
スゴスゴ逃げ出す一般生徒
こんな調子で、毎年何人かが追い返される茶会なのでした…