幸せ
最後まで読んで貰えるとありがたいです。
「今日はいい天気だな〜」
今日は稀に見る晴天だ。あれから、6年たった。いまだに俺の左腕はないままだ。
「今日はいい天気ですね〜」
クリステがやって来た。
「そうですね!」
あれから、クリステはよく会いに来てくれる。彼女は凄く真面目で、優しい女の子だった。だが、まだ俺は気持ちを言えないでいた。
左腕を失ってからは、山に籠りきったままだ。夢だった冒険者は引退。グリズリーとは合っていない。
「これ、街で買って来たものです。」
彼女は、街で買って来たパンやワインを渡してきた。彼女は責任感が強く、自分のせいで俺が左腕を失ったと考えているだろう。そんな事ないのに。
「いつもありがとうございます。そんな、いつも持ってこなくていいのに。」
そんな事を言い彼女と楽しく談笑をしていた。日が暮れた頃に彼女は「またね!」と言い帰ってしまった。
あの時から色々変わった。グリズリーは、この街有数の冒険者になったり、グリズリーの妹のユイを助けるため氾濫した川に飛び込み俺の母は死んでしまった。なんか色々ありすぎて、俺の心は疲れ切ってしまった。
星が綺麗だ。涙が溢れてきた。幸せになろうと決めた異世界で、幸せになれなかった。
それから数日後
一通の手紙が届いた。
「久しぶりだな!」最初の一文で分かったグリズリーからだ。少し嬉しい。だか、その気持ちはすぐ裏切られた。
「俺は、お前とずっと冒険がしたかった。だが、あの女のせいで全てが狂った。だから、腹いせにあの女を殺すことにした。女が死んだらまた、冒険しような!」
グリズリーからの手紙を見ながら、固まってしまった。やばいクリステが、殺されてしまう。今すぐに行かなければ。俺はすぐに支度をして山を出た。
すぐに街に着いた。
街はすでに火の海だった。
「誰か〜、、誰か〜、いないのか?」
歩き回った。見つからない。どこにいるんだ。まだ、自分の気持ちを伝えれてないのに。
「クリステ〜〜」
叫びながら歩いていると、教会があった。
教会の中に入るといた。クリステだ。彼女は磔にされていた。
「大丈夫ですか?今、助けます。」
「来ちゃダメ!」
クリステがそう言うと、上からグリズリーが降りて来た。
「やっと来たか。待ち遠しかったぜ。俺は、まだお前と冒険したかったんだよ!だがこの女のせいで!」
グリズリーがクリステを刺そうとした。とっさに彼女の目の前に立ち、防いだ。
「邪魔だ。どけよ!」
「俺は、後悔していない。クリステを助けて冒険が出来なくなっても、俺は後悔していない。だからグリズリーこんな事をやめろ。まだ、間に合う。」
「俺は、絶対にこの女を殺す!」
俺らは、戦った。俺はクリステを守りたい一心で頑張った。だが、俺は腕一本ではグリズリーには敵わなかった。そしてグリズリーがおれを突き刺そうとした時。
「お兄ちゃんやめて!」
ユイが目の前に出て来た。グリズリーはとっさの事に反応できずに、ユイを刺してしまった。
「お兄ちゃん、、もう帰ろ、、、ね!」
「ユイ。ユイ。ごめん。こんなお兄ちゃんでごめん。ごめんなユイ。」
泣きながらユイを抱きしめて言っていた。教会に火が回り崩れてきた。
すぐ、クリステを助けて出ようとした。
「おい!早く出るぞ!」
「俺はいい。ユイと一緒に残る。」
「そうか、、、今までありがとうな。どんな事があってもお前は、最高の友達だった。」
俺はクリステを抱えて、教会を後にした。
山から街を見ると、街が火に包まれていた。
あれから、3度目の春。
「ゴーン、ゴーン。」
今でもグリズリーやユイの事は忘れていない。だが、いまはこの幸せを目一杯感じよう。
俺は幸せになれたかな?
読んでくれてありがとうございます。
明日は次の話を書くので読んで貰えるとありがたいです。