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再会そして窮地

読んで貰えるとありがたいです。

 ギルドでフロアボスを攻略した事を報告して、俺たちは宿に行った。


 俺たちは一階を攻略した事でお金は結構貰っていたのでいい宿に泊まった。


 「ここのシチューうめ~な!俺らのとこじぁこんなに美味いもんなんて、なかなか食えなかったよな。」


 グリズリーが、シチューを口にいっぱい含みながら嬉しそうに言っていた。確かに、美味い。


 俺らは、自分たちの部屋に入った。

部屋にはベットが二つとテーブルと椅子が置いてあった。


 俺は、横で寝ているグリズリーを横目で見ながら今日合った女性について考えていた。どこから来たんだろうか、どれだけ強いのか、、とかまるで恋する乙女になっていた。そんだけ衝撃的だった。しばらくして俺も寝た。


 「こんなのこの階層にいるわけない!誰か、、誰か、、助けて。」


 朝になり、朝食を済ました後俺たちは、ダンジョンに早々と向かった。今日は行けるとこまで行こう、とグリズリーと話し合っていた。


 今日のダンジョンは空気がとても重たく感じた。何にかが起こりそうな予感がする。


 「なんか今日やばくね~か?なんかちょっと嫌な予感がするぜ!わくわくすんな!」


 グリズリーの足どりが凄く軽そうだった。

俺は、何故か速く速く進まなければたい大変な事になると思っていた。


  意外と何も起こらずに2階は攻略できた。


 「なんか妙だなぁ」


 「そうだよな、そうだよな!俺もそう思うわ。でも、ワクワクが止まんね~」


 3階は凄く妙だった。モンスターが一体もいないのだ。


 「ウォー!!!」


 凄い雄叫びが聞こえた。俺たちはその雄叫びに向かって走り出していた。


 そこには、でかいトロールがいた。しかも色が違う、希少種だ。希少種は通常個体と比べてものすごく強く、そして知能も高い。喋れる個体もいるぐらいだ。


 「あれ、希少種じぁないか?ちょっとやばくね~か?どうするよ?」


 さっきまで調子のいい事言っていたグリズリーがちょっと怯えている。


 「逃げるか?」


 どうしようか考えている時に俺は見えてしまった。

 あの女性だ。俺が一目惚れしたあの美しい女性だ。助けなければ。


 「助けるぞ!」


 俺は気合いを入れた。トロールが女性を棍棒で攻撃しようと振った。俺は刀で棍棒を止めた。


 「大丈夫ですか?立てますか?」


 「えぇ、、ありがとうございます。」


 すぐにグリズリーと一緒にトロールを攻撃した。俺ら2人なら勝てる。絶対に勝てる。


 「やばいぞ!全然倒れん!何だあいつ硬すぎだろ。」


 トロールに対して俺らの攻撃は通じている様に見てていたが、さっきからトロールは笑っている。


 「やべ!」


 俺はやってしまった。トロールが振り上げている棍棒に腕を飛ばされてしまった。


 「大丈夫か?イース!」


 痛みでそれどころでは無かったが、女性を助けたい一心で踏ん張った。


 「ここは、逃げるしかないぞ!」


 グリズリーがそう言って、上に向かって攻撃した。崩れていた天井で時間を稼ぐつもりだ。


 「あっ」


 グリズリーがトロールの棍棒に吹っ飛ばされてしまった。どうすればいいのかわからなかった。せめてグリズリーと女性だけは逃したい一心で考えた。


 「グリズリーを連れて逃げて下さい。俺が時間を稼ぎます。はやく!行って!」


 そう言うと、少し考えたようだが頷いてグリズリーを担いで行った。さぁどうしようか、俺1人で何とかできるのか?いや、やるしかない。


 「うぉー!」


 トロールに向かって突き進んだ。とにかく足だ。足を狙って逃げれる様に頑張ろう。



 「はぁ、、はぁ、、」


 作戦は一応成功した。成功したと言うよりトロールが飽きてどっか行ったのだ。助かった。


 急に寒くなって来た。


 自分の身体を見ると、左腕はなく、ところどころに石が突き刺さっている。また、死んでしまうのか。やばい、目の前が暗くなって来た。

あの時と一緒だ。暗い、暗い、何も見えない。


 「大丈夫ですか?」


 なんか声が聞こえる。出来るならあの子と話してみたかった。


 あぁ自分なら何でもできる、そんな感覚がいけなかったのだろうか、どうしたら良かったのか、後悔が渦巻いていく。



 「ここは、、、どこだ?」


 目の前に女性がいる、泣いている。子供がいる、泣いている。


 あぁここは、病室だ。あの時の病室だ。そうだ、まだ俺は死ねない。まだ、やりたい事が山ほどある。簡単に死んでたまるか〜!


 「大丈夫ですか?聞こえますか?」


 目の前に天使がいる。


 「あぁ、、俺死んだんだなぁ。あぁ、まだやり残したこといっぱいあるんだけどなぁ。」


 「なに言ってるんですか?生きてますよ。」


 泣きながら目の前の天使は言った。


 俺の身体を見ると傷が塞がっている。俺は生きているんだ。そう思うと、急に涙が溢れてきた。


 「あぁ、、、生きてる。生きてる。」


 どんだけ彼女の膝の上で泣いただろう。彼女は何も言わずに頭を撫でてくれた。温かった、人の温もりが温かく感じた。


 「ありがとう。ありがとう。」


 そう言った。


 「こちらこそ助けていただいてありがとうございます。腕、、なんて言ったらいいのか、私、、」


 彼女がそう言っていた。


 「腕はいいんだ。貴方を守れて良かった。」


 そうだ、俺は彼女を守りたくてやった事だからいいんだ。守れて良かった。


 宿に連れててって貰うとそこにはグリズリーがいた。グリズリーは無事だった。よかった。


 「あの、私クリステと言います。今日は助けていただいてありがとうございます。また、後日お礼に参ります。」

 

 そう言って彼女は帰っていった。


 彼女を守れて良かった。これからのことは、これから考えよう。今は、生きてる事に感謝しよう。あぁ、生きているだけで他の何よりも素晴らしい。

 

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